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2007-03-20

お産の250件に1件は命に関わる危険なお産 命を救ってきたのは産科医

昨年、マスコミは
 福島県立大野病院事件
 横浜堀病院「無資格助産」事件(全国に波及)
 奈良県大淀病院産婦死亡事例
をセンセーショナルに取り上げ、あたかも
 産科医が悪玉
であるかのように叩き続けた。
亡くなられた方については、心からご冥福をお祈りする。しかし、報道については、なんともやりきれない。
このうち
 福島県立大野病院事件
については、現在公判が進行中だ。ネットに上がっている傍聴記を読む限り
 検察側が、不十分な医学的知識で、K医師を誤認逮捕し起訴した
ように感じる。三回目の公判が開かれたところだが、
 医療従事者と検察・警察との落差
がいよいよ大きくなっている。
また、
 マスコミ人の「活躍」によって、これからお産を控えている一般市民が、お産の場を奪われている
のも目につく。
 横浜堀病院「無資格助産」事件
では、死亡した妊婦さんの「団体職員」の夫が
 共同通信記者
であることが判明している。以前から
 マスコミ関係者の家族が死亡したから、大きく取り上げられ、警察を動かしたのではないか
と噂されていた。マスコミ関係者で「団体職員」と書かれるのは
 NHKと共同通信
くらいだろう。遺族感情は理解できるが、
 マスメディア関係者がマスコミの力を利用する
のは、お門違いではないか。また
 仲間内の悲劇
とばかりに、センセーショナルに取り上げる
 マスコミ村の特権階級意識
も鼻につく。
大淀病院産婦死亡事例では、県内の産科に通っていた毎日新聞奈良支局(当時)の青木絵美記者(現在大阪支局所属で産休中)が、通院中にご遺族につながるネタをつかんだと思われる。青木記者はそろそろご出産だと思うのだが、奈良から転勤してしまったので、その後の奈良県の産科崩壊の惨状を自ら体験せずに、出産準備に入った模様だ。大阪でご出産ですかね。心から、ご安産をお祈りしております。奈良県南部の産科崩壊の余波を被って、大阪の産科も大変なことになってるはずですので、お仕事に復帰されたら、是非
 産科ドミノ倒し(奈良→大阪)
について、患者の立場から渾身のレポートをお願いします。その後は
 働く女性の子育て奮戦記
でしょうかね? 保育所の待機児童問題、実家と勤務先が離れている場合の「親による育児援助」など、ネタはいくらでもあるでしょう。

そんなこんなで、
 去年は産科医叩きがマスコミで流行
してたのだが、医師も叩かれるばかりでは生きていけない。そうでなくても、担当省庁の長、柳沢厚労相が
 少子化でニーズが減っているから産科医も減少している
などと国会で発言、後ろから前線でお産を支えている産科医に核攻撃をしたので、産科医の逃散は進むばかりだ。
日本の周産期死亡率が母子ともに低かったのは
 産科・小児科の献身的な治療と高度な医療技術
が支えていたのだが、その最前線の精鋭部隊から続々と脱落者が出ているのである。
なにより
 お産は母子共に命がけ
という事実を、国民が忘れ去って、もし、なにかあろうものなら
 本来は母子共に健康、五体満足だったはずなのに、医師に見落としや医療ミスがあった
と訴えることが増えている。
 母子共に健康、五体満足
というのは、お産が難しいものであることをみんなが認識していたからこその祝いの言葉なのだが。
マスコミも
 母子礼賛、生命万歳
みたいな
 出産の光の部分
しか扱わないものだから、いよいよ
 母子共に健康、五体満足がデフォルト、それ以外は病院のミス
という誤った認識が日本国内に充満しているのだろう。
普通に考えて、
 これだけ環境ホルモンなどという言葉が取り上げられてるのに、人間だけがより健康になっているわけがない
のだ。汚染物質は胎盤を通して胎児に蓄積されやすいことは、胎児性水俣病で確認されているが、その他の汚染物質については、
 複合しすぎていて、追試不能
というのが、正直なところだろう。
 添加物だらけのコンビニ弁当で育った子ども
が、もう母親の世代になっているのである。

環境要因を除いても
 お産はみんなが思ってるより命の危険がある
ことが、厚労省の調査で判明した。
 250件に1件は生命に関わる危険
 生命に関わる危険なお産では、70件に1件産婦死亡
というのである。要するに
 最前線の産科医がいなくなれば、これまで助かっていた69人の産婦さんも助からなくなる
ということだ。
昨年1年で産科医の逃散が全国で広がったから、たぶん
 70件に1件産婦死亡
という数字は今回で最後、これからは年々死亡率が上がってしまうことだろう。

なぜか共同通信より。


重篤は妊産婦死亡の70倍

 出産異常で厚労省調査

 出産時の大量出血などで、一時でも「生命に危険がある」と判断される重篤な状態に陥った妊産婦は、実際の死亡者数の70倍以上、出産約250件に1人の割合に上るとみられることが、厚生労働省研究班(主任研究者・中林正雄愛育病院院長)などの全国調査で20日までに分かった。

 2000−05年の国内の妊産婦死亡は出産10万件当たり4−7人程度で、一般には比較的まれな現象と受け止められてきたが、死に至る危険は多くの妊婦にあった実態が明らかになった。

 調査に参加した専門家は「妊娠・出産の本当のリスクは、これまで考えられていたより高い」と指摘。産科医の減少が懸念される中、母親と新生児を守る周産期医療体制の充実を訴えている

(共同)
(2007年03月20日 08時45分)

これまで
 お産は病気じゃないキャンペーン
を張っていたマスコミは、
 お産は死と隣り合わせキャンペーン
に切り替えていただきたい。マスコミが医師を追い詰め、
 これまでの世界に誇るべき、低い周産期死亡率を上昇に転じさせる
のだから。
いかに
 産科を扱っていた医師や医療関係者が現場を立ち去っているか
は、たとえば次の掲示板の発言を見ると実に深刻だ。
【産科】 「妊娠・出産の本当のリスクは、これまで考えられていたより高い」 出産約250件に1人の割合で重篤な状態に・・・厚生労働省スレッドより。


95 :名無しさん@七周年:2007/03/20(火) 12:53:24 ID:UMgxtigI0
うちの家系、親戚一族は
ずっと産科婦人科の医師、助産師だったぉ。
でも3年前に、もう終わりにすることで一致したぉ。

俺は医学部やめて、理系に転進することにしたぉ。

あの判決を見てるとね・・・(´・ω・`)

それともう一つ、この調査では
 生命の危機に瀕した産婦の年齢と出産歴が不明
だ。
その点も明らかにしてほしい。
現在増えている
 30代で初産
が問題なのか、それとも年齢を問わず、1/250の割合で危険なのかがはっきりしない。

人間は生物だ。
30年も経てば、見た目は若くても、生殖機能には変化が出る。なにより産道が堅くなる。平均寿命とは関係なく、生殖機能は年齢によって衰えることを、産む側も認識しない限り、高リスク妊婦は増えるだろうし、危険なお産もまた増加するだろう。
しかし、今の趨勢では、
 高リスク妊婦を預かってくれる医療機関は減少の一途
なのだ。そのこともまた、これから出産を考えている人は認識してほしい。
年齢にかかわらず
 子どもをお腹に宿す
ということは
 胎内環境に責任を持って行動する義務がある
ということなのだ。
たとえば、こんな指摘もある。


87 :名無しさん@七周年:2007/03/20(火) 12:46:04 ID:xeXDeXnh0
出産が絶対確実安全に履行できるものと考えてる人が多すぎて驚くよ
ものすごい繊細なことなのに
失敗の原因は妊娠中の生活逐一に渡ります(食事衝撃ストレス睡眠etc…)
取り上げの技術は大分安定してるのに、肝心の赤子の体力が落ちているケースが多い
それで自分の責任を棚に上げて訴訟を起こすケースが頻発している

これが産婦人科の医師が激減している理由だよ
現実を知ってくれ

あまりに神経質になって、それがストレスになるようでは困るが、無頓着に過ぎるのでは、胎児を守れない。胎児を守るのは母胎だということを、女性も周りももう一度認識してほしい。

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