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2007-04-05

2007年春の医療崩壊始まる (その5) 当直あけに手術は常態 外科医の悲惨な勤務実態

過重勤務で、睡眠時間が不足し、トラックやバスの運転手が事故を起こした場合、会社は責任を問われる。
ところが
 過重勤務で、睡眠時間が不足した状態で、外科手術が行われている
のに
 労基法違反の勤務状況でもし手術にミスがあったら、責任を問われるのは医師個人
なのだ。何かがおかしいのではないか。
朝日より。


外科医7割、当直明けに手術 病院勤務は週70時間
2007年04月05日03時00分

 外科医の7割が当直明け手術をしており、病院勤務では平均で週70時間労働——日本外科学会が会員1276人を対象にしたアンケートから、過酷な実態が浮かび上がった。約1割が医療訴訟も経験しており、同学会は「この状態が続けば、外科学会への新規入会者は2018年にゼロになる」と予想している。

 大阪市内で開かれた関西プレスクラブの月例会で4日、同学会長の門田(もんでん)守人・大阪大学教授(消化器外科)が発表した。

 調査は去年11月、インターネット上で回答を募った。勤務時間は平均週59.5時間。病院勤務では同68.8時間。労働基準法で定める週40時間を大幅に超過していた。

 当直明けの手術参加は「いつもある」31%、「しばしば」28%、「まれに」が13%。「当直明け手術はしない」は2%しかなかった。20〜40代では、約9割が当直明けに手術をしている。

 医療訴訟の経験が「ある」は、判決と和解を合わせて10%。ほかに「示談」11%、「訴訟準備などの具体的な行動」は15%、「患者や家族とのトラブル」は38%が経験し、85%が「訴訟が治療に影響する」と答えた。

 激務の原因は、高度な治療が増える一方、外科医数が減少しているためとみられる。全身麻酔の手術は96〜05年の10年間に約4万件増え、臓器移植や腹腔(ふくくう)鏡など長時間の手術が増えたが、94〜04年で外科医は6%減った。特に新しく外科医になる人は20年前から一貫して減っている。アンケートでは志望者減少の理由に、労働時間の長さ、時間外勤務の多さ、医療事故と訴訟リスクの高さがあがった。

 門田教授は「過重労働や当直明け手術は、医療の質や安全性の観点からも問題だ。医師が訴訟に対し防衛的になれば、治療の選択肢がせばまり、患者への影響も大きい。国は医療費抑制の方針を抜本的に見直し、医師数の増加や過重労働の是正に乗り出してほしい」と話している。

医療費抑制のツケがモロに出ていますね。
これから、団塊世代が徐々に死んでいくわけだが、おそらく
 最後は病院で
と思っているだろう。日本人の三大死因は
 癌・心疾患・脳血管障害
だから、手遅れでなければ病院で手術を受けて、最後は死ぬことになるわけだが、外科医がいなくなりつつある現在、このままでいくと確実に
 手術を受けられずに死ぬ団塊世代の高齢者が増加する
だろう。
すでに
 手術の待ち時間が長くなっている
のだ。
4/3付毎日より。


医師不足:大規模病院、手術待ち期間「延びた」3割 不足が鮮明に−−毎日新聞調査

 全国の大規模病院やがんセンターを対象に、毎日新聞が患者の手術待ち期間を調査したところ、回答した病院の3割以上が「5年前と比べ待機期間が延びた」と答えた。医師不足や患者の増加が原因で、待機中に症状が悪化した例もある。日本と同じ低医療費政策を続けて医師不足が深刻化した英国では90年代、手術待ち期間が大幅に延びて患者が死亡する事故が発生した。日本でも同様の事態を懸念する声が出ているが、それを裏付けるデータが明らかになったのは初めて。(2面に「医療クライシス」)
 調査は今年2〜3月、全国のベッド数500床以上の病院と「全国がん(成人病)センター協議会」加盟のがん・成人病センターを対象にアンケート形式で実施。計388病院(精神病院や療養所などを除く)のうち、113病院(29%)から回答があった。その結果、最近5年間の手術待ち期間の変化について、一診療科でも「延びている」と回答したのが41病院(36%)あった。
 理由(複数回答)は、麻酔科医の不足が34病院で最も多く、手術室の不足も32病院あった。以下▽麻酔科以外の医師不足26病院▽看護師不足22病院▽空きベッド不足21病院▽患者の希望14病院▽患者の増加10病院−−と続いた。
 手術待ち期間の平均については、1カ月と回答した病院が最も多く、長い病院では2・7カ月。がんに限ると0・5カ月が最も多く、1・5カ月に達した病院もあった。
 手術待ち期間が長引いたため、症状が急変して緊急手術が必要となるケースも出ている。関東地方の病院では、約2カ月の待機中に症状が進み、咽頭(いんとう)がんを切除できなくなった患者もいた。
 岐阜大病院は「中小規模の病院で外科医や麻酔科医が不足し、患者が大規模病院に集約されることは避けられない。今後も手術待ち期間を短縮することは困難」と回答した。
 香川大病院の臼杵尚志手術部長も「外科系医師の極端な不足が目の前に来ている。英国のように、がんの手術でも数カ月待ちといった状況になるのは明らかだ」と指摘。医療費や医師数を増やす必要性を訴える意見が目立った。【まとめ・五味香織、田村彰子】
毎日新聞 2007年4月3日 東京朝刊

というわけで
 癌でも半月待ちが当たり前
になってきているのが現状だ。これが
 団塊世代で健康を害するヒトが大量に出てくる時期
に差し掛かると、
 患者数>>>>外科医・麻酔医・看護師
になるのは必至だから、
 退職金はたっぷり、年金もそこそこだが、「金があっても医療施設も医療従事者も足りない」暗黒の老後
がやってくるのは目に見えている。

団塊ビジネスで、持ち上げられて浮かれていても、健康な内はイイが、いったん病気になったら、厳しい老後が待っている。

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コメント

>癌でも半月待ちが当たり前

これは「診断確定後」の話しですね。大病院ではCTやMRIなど「診断がつくまでの検査」にかなりの時間がかかることもあります。ですから、実質「異状を自覚してから処置(手術など)までの時間」は永井ですね。悲観的な話しですみません。

投稿: tera2005 | 2007-04-05 12:45

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