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2007-04-14

Free-martinか? 不妊治療で生まれた異性の二卵性双生児間の血中で性染色体が混在

牛では、異性双子の胎盤に血管吻合が起きた場合、雄胎子の血液が雌胎子に混じって
 Free-martin
となり、雌は不妊症になる。このとき、血液キメラが起き、両方の子牛は、雄・雌それぞれ由来の血液細胞をもつことになる。
 血液キメラ
http://liaj.or.jp/giken/kensabu/1ka/chimera/chimera.htm
家畜では、不妊家畜は生産性に影響を与えるので、古くから研究が進んでいる。経験的に雄雌双胎の牛はFree-martinであることは知られており、インドではVedaの時代から、異性双子の雌牛には、Free-martinを表す呼称がある。

それが人間でも起きているかも知れない。
読売より。


血液中に男女の性染色体混在、不妊治療出産の双子8組で

 不妊治療で生まれた二卵性の双子の中に、男女の性染色体の細胞が血液中で混在するケースが2003〜06年の4年間に8組、同性で血液型が混在する双子も1組あったことが、国立成育医療センター(東京)の左合(さごう)治彦医師らの調査でわかった

 胎盤の共有で血液が混じることで起きたと見られ、将来、不妊症になったり、輸血時の血液型判定で混乱する可能性があるという。不妊治療では多胎妊娠率が高く、こうしたリスクも上昇するという見方がある。左合医師は「治療前にリスクを説明し、子供の成長のフォロー、告知の問題も考えるべきだ」としている。

 性染色体が混在する双子は03年、米国で最初に報告された。以来、日本でも03年に3組、05年に2組、06年に1組が学会や専門誌に発表され、今月の学会でも1組(06年出生)の報告がある。血液型が混じった双子の男児も06年に報告された。

 左合医師らのグループは、大学病院など120余りの施設が扱った年間6万件前後の出産の状況を集計した日本産科婦人科学会の周産期登録データベース(01〜03年版)を調べた。

 胎盤を共有していた双子は1789組あり、うち36組は体外受精で妊娠その中の3組(8%)が別の性で、うち未公表1組(03年出生)を含む2組で性染色体の混在が確認されていた。同性の場合の血液型の違いなどは不明。

 胎盤の共有は、二つの受精卵の胎盤になる部位が偶然くっついて起きる。左合医師は「実際にはもっと多いだろう。ただ、子供への実際の影響は成長しないとわからない」と話している。

(2007年4月14日3時24分 読売新聞)

人間で胎盤が共有され、血液が交換される場合、牛の場合のように、Y染色体が女性不妊を引き起こすかどうかは、まだ分からない。
なにせ、生まれたのは01-03年。まだ一番大きな子どもでも7歳になったばかりだ。一番早くても、第二次性徴が出る時期にならないと、不妊症かどうかも確認できないだろう。
牛のFree-martinでは、必ず不妊になり、乳を出さないので、乳牛としての価値がない。そのため、雌子牛の売買ではFree-martinでないかどうかを厳しく判定する。
人間の場合、1953年に異性二卵性双生児で生まれた血液キメラの女性が見つかっている。
 移植グラフィティー(31)太田和夫(東京女子医科大学名誉教授) それはフリーマーチンから始まった
http://www.medi-net.or.jp/tcnet/history/hstr_031.html
この女性は不妊ではなく、子供を産んでいたが、今後、血液キメラの女性に妊孕力があるかどうか、研究が進むことになるだろう。1953年には、体外受精では人間は生まれていなかったからだ。

不妊治療によって、新たな障碍を負った子どもが生まれる可能性が出てきている。
そのことを、不妊治療を受ける夫婦は、知っておかなければならないだろうし、医師も説明責任を果たさなければいけない。不妊治療でせっかく授かった男女の双子の女の子が、不妊治療が原因の先天的な問題で不妊症になるとしたら、親にとっても子どもにとっても、悲劇でしかない。受精卵を一つだけ子宮に戻す場合は、決してFree-martinが疑われるような事態は起きないからだ。もし、今後、複数の異性である受精卵を戻すときに(受精卵の段階では性別は不明だ)高い確率でFree-martinが起きる、ということが判明するようなことがあれば、不妊治療は、原則子宮に戻す受精卵は一個となっていくだろう。早く妊娠したいという親の気持ちが複数の受精卵を子宮に戻す治療を選んでいるのだが、その選択が、子どもの人生に不幸をもたらすことになるようなことがあってはならない。

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コメント

生命倫理は大変危うい領域だと思います。死より生を選択することが優先され、しかも現在生きてもの言える者の立場が圧倒的に強い。その数が多ければより容易な結論が導かれる。また、そこに感情も、さらに経済原理も入り込みがちであることを強く意識すべきだ。まっ、考えれば考えるほど難しい問題。不妊治療から遺伝子組み換え大豆、コメの改良まである意味同様ですから。

投稿: 雪の夜道 | 2007-04-15 04:07

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