母体・胎児ICU実態調査に現役医師の怒り
統計調査は、得られた数値をどう処理するかで、調査の意味が違ってくる。
周産期医療を支える
母体・胎児集中治療室(MFICU)
に関する調査結果が発表されたのだが、その調査結果に調査に協力したと現役医師らしい人物が怒っている。
まずは、毎日に載った調査結果。
母体胎児ICU:患者受け入れ率の施設間に開き全国の総合周産期母子医療センターなどの代表者が作る「全国周産期医療連絡協議会」(末原則幸代表)が、同センターにある母体・胎児集中治療室(MFICU)の実態調査を初めて実施した。05年1年間の妊婦の搬送依頼に対する受け入れ率は最高100%、最低27%と開きがあり、危険なお産を引き受ける「最後のとりで」とも言える施設間で大きな差があることが分かった。
調査は、昨年8〜11月に全国の同センター60施設を対象に実施し、59施設から回答があった。受け入れ率は平均で72%だったが、東京・大阪の都市部は平均46%にとどまった。都市部では複数施設が調整し合っているという実態はあるが、「満床で断ることが増えている」「MFICUにだれを入れて、だれを出すか、毎日検討している」など、切迫感に満ちた意見も寄せられた。
勤務医数は最大38人、最低3人で、平均は12.9人。大学病院を除くと平均7.9人にとどまった。現場の産科医1人あたりの1カ月の宿直回数は最大10回に上り、平均でも月6.5回だった。24時間態勢の施設のため、労働基準法に沿うと交代制が必要だが、実際に交代制を導入しているのは3施設だけ。宿直制を取っている残りの56施設のうち、宿直明けも早めに帰らず翌日夜まで通常勤務をしているのが全体の8割にあたる48施設に上った。1晩あたりの宿直医数も平均1.7人で、同時に複数の患者に対応できる2人に満たなかった。
調査した海野信也・北里大教授は「妊婦の受け入れ率の平均が3分の2を超えたことは、厳しい勤務環境の中でも現場が頑張っている数字と言えるが、施設間の差は大きい。体制が整備されているべき総合周産期母子医療センターでの過酷な勤務実態も問題だ。厚生労働省は早急に改善に乗り出すべきだ」と話している。【永山悦子】▽母体・胎児集中治療室(MFICU) 母体や胎児の命に危険があるお産に24時間態勢で対応する施設。切迫流産や妊娠中毒症など地域の診療所などで対応できないお産を受け持つ。妊産婦や新生児専門の救命救急センターとして、96年から全国の大学病院や総合病院などで整備が始まった総合周産期母子医療センターに設けられている。
毎日新聞 2007年4月4日 3時00分
一見すると、もっともらしい数字が並んでいるのだが、現場は怒る。産科医絶滅史32巻〜国(公立)破れて産科なし〜スレッドより。
298 :卵の名無しさん :2007/04/04(水) 14:21:23 ID:r/QcyAvZ0
>273
さんざん手間かけさせてこんな下らん結果しか出せんのかい!!施設毎の受け入れ率なんか出したってなんの意味もネーだろ!!
特に周産期センターが集中してる東京大阪では分母が全く違うん
だから今のシステムだと普通の病院やクリニックで切迫早産が発生しても
各施設の空き状況なんか全く分かんないから、とりあえず知ってる
産科医のいる周産期センターに電話するしかないそうすると関連病院の多い医局から産科医が派遣されてるセンター
だと一応決まってる管轄なんか無視してそこら中から依頼がある当然受け入れ可能な総数には限りがあるから率は下がるけど管轄の
周産期センターに依頼するとあっさり受け入れられたりするどうせ調査をするんなら都道府県毎に発生した母体搬送依頼の総数と
それを結局どこが受け入れたか、同じ県内なのか隣にいったのか、
すっごい遠くまでいったのか、を調べないと役に立たんじゃないかもっとも隣の県、といっても千葉の市川あたりから墨田区に行くのと
鴨川に行くのとどっちがいいのか、あるいは登戸あたりから大蔵に
行くのと南区のはずれに行くのとどっちがいいのかは分からんけど、
この調査結果よりはましなものができるだろこんな下らん発表しかしないんだったら二度と協力せんぞ!!
MFICUを担当されている先生方は、上記記事にあるように
常に過重勤務
だ。その多忙な時間を割いてアンケートに協力したのに、
実際にどこからどこへ搬送されたのか
が全く見えない調査結果では、日々救命救急に携わっている先生方は落胆するしかない。
あの時のあの搬送の判断が正しかったのかどうか。
それが検証できる調査結果を期待していたのではないか。
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