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2007-04-22

周産期医療崩壊 不妊治療における安易な「双子願望」は誰が煽っているのか

体外受精で子どもを授かった人、これから体外受精を受けようとしている人が書き込みをしているスレッドを見て絶句した。
 双子ちゃんがほしい
って何だ? 現在、不妊治療で受精卵を複数個子宮に戻し、そのために多胎妊娠となり、早産となった赤ちゃんをNIUCが受け入れているのだが、多胎の場合、1回の出産で複数のベッドが必要なため、そうでなくても少ないNICUのベッドとマンパワーを必要とし、現場は疲弊している。
子どもがほしいのは、かまわないのだが、
 わざわざ双子を産むために、多くの受精卵を戻す選択を薦める医師とそれを希望する患者
は、
 自分たちのエゴで、周産期医療を崩壊させている
ことに気がつかないのだろうか。医師の側は
 複数の受精卵を戻すことで「着床率」を高め、「名医」の名を得たい
のだろうし、親は多胎妊娠の危険性やその後の育児の大変さを想像することなく、
 高いお金のかかる不妊治療をさっさと終わらせたいし、双子ちゃんは可愛い
と思いこんでいるのではないか。
【不妊】体外受精児の追跡調査を実施【治療】スレッドより。
まずは
 単に双子がほしいから
という人。


363 :名無しの心子知らず :2007/01/07(日) 15:13:07 ID:0vEKuRLu
不妊でもなくて双子が欲しい場合って体外で授かりますかね?

364 :名無しの心子知らず :2007/01/07(日) 22:36:59 ID:OiisUX9H
>>363
まともな病院なら、不妊でない人に体外はしてくれないし
戻す受精卵もこれからは1個になるでしょうね。

双子の妊娠・出産は生易しいものじゃないですよ。
自ら望むようなもんではないと思われ。

365 :名無しの心子知らず :2007/01/07(日) 23:17:48 ID:ix3notxC
>363
偶然授かったのなら運命だし、おめでたい事だけど、
実際二人の赤児を同時に臨月までお腹で育てるのは母親の身体には相当負担がかかりますよ。
産まれてからも大変だし。

これはさすがに言語道断だと思う。

「最初は不妊治療だから双子ができる」と思っていたという人。


366 :名無しの心子知らず :2007/01/08(月) 00:18:42 ID:R5pS59kw
双子は赤ちゃんもお母さんもとっても危険でリスクもいっぱいですよ!
私は不妊治療するなら双子ちゃんを授かれるかな?って思ってたけど、
今は双子が怖くて、1個しかお腹に戻さないと決めました
健康な赤ちゃんが一人産まれてくれれば満足!

366さんは、多胎妊娠のリスクを取らないことにしたようだ。
でも、双子をわざわざほしがる不妊治療患者も多いという。


444 :名無しの心子知らず :2007/02/16(金) 08:38:04 ID:g1fjzYOg
成功率上げようと今どきグレードの高い胚盤胞を複数戻したり
初期胚を3個以上戻してるようなクリニックはこれで淘汰されればいいと思う。
医師側も患者側も多胎を甘く考えすぎ。

445 :名無しの心子知らず :2007/02/18(日) 00:03:54 ID:cy8DvHGn
>>444
患者側は治療費高いしちょっとでも確率を上げようと必死だから
医者側に問題が多くあると思うな。
双子でも結構なリスクなんだからそのあたりをちゃんと説明してたら
患者も納得するだろうし。
NICUが高度治療の多胎児で一杯と言う話を聞くと問題は大きいと思う。

446 :名無しの心子知らず :2007/02/18(日) 15:15:08 ID:uQQtfQrL
>444
でも安易に「双子ちゃん欲しいなぁ〜」って言う患者側、多いよ。
言い方きついけど産んだことも育てたこともないから多胎の大変さ・危険さが
実感できないんだよね。
移植複数希望する人には多胎のリスク・子育ての大変さについてレクチャーする、
ってことが必要なのかもしれない。
NICUが高度治療による多胎で未熟児となった子が長期占領していて
いざ…という時に赤ちゃん搬送する先がない、なんて話もちゃんとレクチャーすべき。

447 :名無しの心子知らず :2007/02/18(日) 21:01:20 ID:x+92BAlD
いっそ複数胚を戻す事に厳しい規制がかかった方がいいんじゃない?
「規制が出来て、胚は1個しか戻せないんですよ」となれば医者も言いやすいし患者も納得出来ないかな。

自分たちのエゴがNICUのベッドを塞ぎ、緊急に治療が必要な他の子ども達は閉め出されてしまう。
 不妊治療による多胎は「親と医師の希望」で「デザインされた妊娠」
なのだから、実に困った話である。

やはり、今後は不妊治療のガイドラインとして
・原則として子宮に戻す受精卵は一個
・高齢の場合は、不妊治療のサイクル回数に上限を設ける
などを設定する必要があるだろう。
 人間は生物であり、機械ではない
のだ。生物は30年40年と生きていれば、生殖能力は衰えるし、生殖細胞自体も老化する。卵子の老化は、生まれてくる子どもにかなり影響があるといわれている。
そうした
 リスクの高い状態を顕微受精などで受精させ、子宮に戻す
のが高度生殖医療なのだが、不妊治療ではその段階に行くまでに、母体にかなりの負担をかけているからなあ。40歳を過ぎると、体外受精で子供が生まれる成功率は10%を切り、46歳を過ぎると妊娠するのは2%ちょっと、子どもが生まれるのはその半分以下だ。
そうでなくても、35歳以上ならダウン症の子どもが生まれる確率は高まる。
子どもが障碍をもって生まれてくる可能性があるというのは、自然妊娠も同じだが、安易な気持ちで
 双子ちゃんがいい
と言っているような親は、果たしてそこまで覚悟ができているのだろうか。あるいは、生まれた我が子に障碍があることを受け入れられるのだろうか。たぶん
 可愛い健常児の双子が生まれる
こと以外は、念頭にないのだと思う。

しかし、こんなエゴイスティックな理由で多胎を積極的に選択され、その結果、危険な状態の母子を受け入れ治療することになる産科・小児科の先生や医療スタッフには心から同情する。
国は
 不妊治療を支援する方針
のようだが、二つの助成金を出してほしい。
一つは、不妊カップルに出す助成金だが、
 助成金を出す条件
として、
 両親の不妊症の程度を数値化する判定
を導入してほしい。
 この程度のスコアだったら、二年以内に妊娠する確率が何%で子供が生まれる確率が何%
という目安と
 このスコアだったら、妊娠するまでにかかる医療費
の目安を提示すれば、これから不妊治療を受けようと思っているカップルは、自分たちがどうするか、決められるだろう。本当に不妊治療を支援するつもりなら、国は
 国としての「治療の範囲」
を決めるべきである。

もう一つは
 不妊治療の結果、妊娠した女性と子どもを受け入れる産婦人科・小児科への助成金
である。不妊治療による多胎はもちろんのこと、妊娠しにくかった母体には子宮などに問題がある場合も少なくない。危険なお産になりやすいのはわかっているのだから、不妊治療による妊産婦を受け入れる医療機関へは、
 NICUなど必要な病床の増床のための助成金(設備と人員配備)と該当する妊婦・子どもの医療費の保険点数上乗せ
をしてほしい。かつ
 不妊治療で妊娠に成功したクリニックからは、妊娠数に合わせて「以後の妊産婦・胎児管理料」を徴収するシステム
を確立してほしい。現場の不満は
 なぜ丸投げされた妊産婦や胎児に問題があった場合、全責任を最後に治療に当たった産科や小児科が取らなくてはいけないのか
というところにある。不妊クリニックは、
 自分たちがデザインした子どもに周産期まで責任を持ってほしい
のだ。それと
 あまりにも生まれた子どもや産婦の予後に問題のある不妊クリニックのチェック
も必要だろう。

ただ、問題は
 果たして不妊治療による多胎や超低出生体重児、早期胎盤剥離などを受け入れられる周産期医療センターがいつまで維持できるか
である。今のままでは、現場の疲弊がものすごく、設備はあってもスタッフが揃わない可能性の方が高い。
不妊治療には成功したけれども、搬送先が見つからず、場合によっては母子ともに助からない不幸な事例も増えるのではないかと、悲観してしまう。もし、そんな事態になったら、
 不妊治療さえしなければ、少なくとも母体となった女性は助かった
わけで、結果論としては
 産科や小児科をそこまで追い込んだ行政に殺された
ことになるだろう。

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