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2007-04-01

首都圏医療崩壊 神奈川の産科・小児科の惨状

昨日から、あちこちにコピペされているmedtoolz先生のblog「レジデント初期研修用資料 雑記」
 2007年03月31日 神奈川県の現状
http://medt00lz.s59.xrea.com/blog/archives/2007/03/post_475.html
だが、後輩から聞いた
 神奈川県の小児科・産科事情
が目を覆う惨状である。
できれば、全文を読んでいただきたいのだが、わたしがショックだったのは以下。
便宜的に番号をつける。


1. 奈良県の産科事例、例の18病院が救急搬入を断った話は、現場では誰も驚かなかった。 神奈川では、20病院以上に声をかけても搬入先がみつからないのは日常茶飯事だから
2. 産科救急で一番不足しているのが、小児集中治療に携わる医師。30週未満の早産では、 生まれた子供は集中治療室でないと処置ができない、NICUのない病院は、 そもそも救急搬入に対応できない
3. 小児用の集中治療室が維持できなくなっている。 「早産の子供に対応してほしい」という声よりも、「風邪の子供を 24時間診てほしい」という声のほうが圧倒的に大きくて、集中治療室を放棄せざるを得ない
4. 某大学では、病院が24時間救急を受ける方針を決定した。風邪の子供を抱えたお母さんが 夜中に殺到して外来が回せなくなり、集中治療室を閉めて対応せざるを得なかった

1については、病院がたくさんあると思われている首都圏の神奈川でも、搬送先が見つからないのが常態だというのがショックだ。神奈川の産科崩壊は確実に進んでいる。奈良の場合は、そもそも搬送できる病院数が限られているから、最後の砦・国循が19番目の病院だったということだ。
2-4については、親のエゴが小児科救急を疲弊させ、本来救急医療を必要としている重症者が見捨てられる実情を示していて、力の抜ける思いがする。おそらく、風邪で子どもを救急に回す親は、自分の子どもが事故など本当に救急搬送が必要になった時に、受け入れ先が見つからず、予後が良くなかった場合、訴訟を起こすのではないかという、暗い予感がある。もちろん、風邪でも、他に重篤な合併症があるならば、救急搬送するのだが、多くは
 普通の風邪
の子どもが運ばれてきているのだろう。
結局は
 重症の子どもよりも軽症の子どもの対応で、手が回らなくなっている
ということだ。はっきり言ってしまうと
 本来救われるべき少数の重症児が、数の上で圧倒的な軽症児の親に追い出されてしまっている
のが、神奈川県の小児医療の惨状だ。
こうした本末転倒の状況が続くならば、経済的制限、すなわち
 風邪など日中の通常診療で対応可能な患者が不要不急の夜間救急で受診した場合は、保険診療外
 救急車を使用した場合は、使用料金を取る
とするくらいしか、軽症児の受診制限はできないのではないか。「親が働いていて日中病院にかかれない」場合でも、窓口でいったん医療費を支払い、あとで払い戻しを受けるなどの方策が有効だと思う。そもそも
 親が子どもを昼間に小児科受診させられないから、救急に行く
のは、救急医療本来のあり方ではないのだ。軽症で救急を利用することは
 命が掛かっている重症者を殺す可能性がある
ことを、受診する側はおそらく全く認識してないだろう。
それと
 病院内のセキュリティ
が日本では真剣に議論されてないと思う。夜間救急で、患者家族による診療妨害が起きた場合、積極的に排除することを認める必要が出てきているのではないか。悲しい話なのだが、すでに
 良識
という言葉が、通用しなくなっているように感じる。

もう一つ、過労死など労働災害が懸念されるお話。


3年ぶり。やっと育った新人産科医。

4月の当直は月に16回だそうだ。

新人産科医の先生が潰れないか心配です。
完全に労基法違反ではないのか。
 

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コメント

時々読ませてもらっております。

>風邪など日中の通常診療で対応可能な患者が不要不急の夜間救急で受診した場合は、保険診療外
>救急車を使用した場合は、使用料金を取る

は、今の日本だと、お金を出せば、好きなときに救急車を呼んで、好きなときに受診できるという方向での誤解を発生させ、いっそう事態を悪化させるかもしれないということを考えておくべきかもしれません。まことに悲しいことですが。

投稿: 関西の人 | 2007-04-01 22:27

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弟者が一括納入に抵抗してきた かなり運動が浸透しているらしく、近くの人も拒否しようとしていたらしい 相手も想定済みらしく書類を忘れたといえば新しい書類を渡すし お金がないといえば延滞届けを書かせようとする 会計報告がないといえば、そのうち出すつもりと抜かすw この話を聞いた父者が一言 「会計報告を出せない組織に金を出すな。いかなる組織であったとしても」 業界団体で年100万円出していたのだが、費用に見合う働きをしていないってことになり 組織を大改革する羽目になったということ...... [続きを読む]

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