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2007-04-22

署名記事への批判を何故マスコミは嫌がるのか

テレビでは、現場からレポートしたり、解説に出てくる記者は
 実名で登場
する。ちゃんと発言者の責任を明らかにしている。

ところが、なぜか
 日本の新聞は匿名記事ばかり
だ。毎日は比較的署名記事が多いし、朝日もこの4月から署名記事を増やしたようだ。
学級新聞では
 文責を明らかにしろ
と教育されるのだが、なぜか
 文筆のプロ新聞記者になったとたん、匿名記事が増える
のだ。

昨日の毎日新聞の「紙面批評」で高村薫が
 驚いたのは支局の若い記者が個人名を挙げられ、非難されていることだ
と発言したのが採録されているのだが、甚だ変な話だ。
医師は研究者でもある。研究者は
 匿名で論文を発表しない
のだ。見方が違えば、質問が飛ぶし、学説が違えば、批判し合うのが学術の世界だ。当然、
 論文では、実名(もしくは研究者として登録されている名前)以外は使わない
し、批判は甘んじて受けるし、反論できるものに対しては反論する。それが
 科学的な学術の基本的態度
である。所説の責任が明かでないものは、論文ではない。

なぜ新聞記者だけが
 匿名記事が当たり前で、署名記事を書いて批判されるのがイヤ
なのか不思議だ。書いたものには責任があるから、署名するのではないのか。それで給料をもらっているのだから、署名記事を批判されるのがなぜ悪いのか、さっぱりわからない。
それはおそらく、医師だけでなく、普通の研究者は同じ思いだろう。

マスコミ人にはこうした
 会社の名前で仕事はするが、個人名を出すのは嫌がる
風潮がある。甚だしいのは
 テレビ番組の制作スタッフ
だ。NHKあたりだと制作者の名を上げて、番組批評をされるのを嫌がるヒトがいる。自分で作った、しかも「みなさまの受信料」で制作された番組なのだから、エンドロールに名前が出ている以上、ダメな番組を作ったら、批判されるのは当然ではないのか。そのくせ、局内で評判のいい番組をいくつ持っているかについては、自慢したがる。身内では誰が作った番組かわかってるわけで、実におかしなコトだと思う。

公的な報道機関が
 匿名性を隠れ蓑にやりたい放題
というのは、道義的におかしい。記事なら書いた人間がいる。
間違っていたら、批判されるのは、当たり前だ。
賞賛だけを受け取りたいなら、署名記事をやめて、ついでに個人を表彰するのもやめればいいのだ。
会社の名刺一枚で、一国の元首から一般庶民までに会えるのが記者だが、そうした
 会社の名刺がもたらす全能感
が、
 記事に対する批判を嫌がる風潮
を呼び起こしてるのだろうと思う。しかし
 会社の名前なしで、その全能感は得られるのか?
と問えば、ま〜、そんなことはあり得ないだろうな。まさに
 虎の威を借る狐
なのが
 署名記事批判におびえる記者達
だと言えるだろう。それとも
 署名記事は、褒めてもらうために書いている
のか? 本当に
 虎
になりたいなら、堂々と批判を受けて、反論すればいいではないか。それをしないで逃げ回っているから、いつまで経っても、批判が止まらないのだ。

続き。(10:30)
ココログの仕様なのか、続けてコメントをつけたら、二つめをはねられたという「らっこ」さんから、メールを頂いた。まず、それを掲載する。


もう十何年も前ですが、スタッフライターによる署名記事が書ける、ってんで某雑誌社に転職しました。
当時は、インターネットはごく限られた用途で、一般にはパソ通くらいしかない状況で、メディアの情報にはそれなりに価値があったと思います。

今では、それほどの価値はないですね。

ところが、今でも十数年前の感じで回っているのが、メディアですね。
イナーシャで回ってはいるけれど、その危うさがメディア自身、分かってもいるわけですね。
「分かっちゃいるけどやめられない」ですね。

でも、簡単なことだと思うんですよ。

今まで) メディアこそが全てを知っているのだから心して読むように
 ↓
これから) よく知っている人の話を分かりやすく多くの方々にお伝えします

というだけの話ではないかと。
当たり前のようですが、ここを勘違いしているケースがとても多い。

らっこさん、コメントありがとうございます。
メディアが独占的に情報を伝えた時代は、終わりつつあるんですけど、既得権にはしがみつきたい、ということでしょうね。アメリカでは新聞がどんどんリストラしてますし。日本だったら絶対クビにできない
 論説委員クラス
でも、今後使えないとなるとばっさりクビを切ってます。ネット配信で収益が減り、そんなに人員がいらないってことなんでしょうね。
日本では、記者クラブ制度で「横並び」記事ばかり書いてるから、いざ署名記事を書くと、きちんと責任を取れないのは、日本独特の病状だと思います。
技術関係の記事、特にパソコン関係の記事は、以前、
 朝日と日経がひどい
という定評がありました。メーカの記者発表にはパソコン雑誌の編集者も取材に行くから、翌日の新聞記事見て
 こいつ、ものすごく質問の態度が悪くて
 誰よ?
 ○○
 また、あいつか〜。でもパソコン記事書いてるんだから、社内では「パソコンに強い」って定評なんだろ。終わってるな。相変わらず間違った記事書いてるし。
という会話が毎回のようにありました。ま〜、新製品が出たらその場でバラせる連中と、単に聞きかじった情報だけで質問するおじさんとでは、絶対的な知識量と関心に差があるのはしょうがなかったにせよ、です。
ま、その後は
 新聞の記事はネタとして読め
になってるから、みんな諦めてるんだと思いますが。
IT時代だの何だのといっても、上の人たちは変わってないわけで、このまま
 鯛は頭から腐る
のかと思ってます。

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いやあ、何かこうも連日貴重なネタを提供していただいていいのかなって思っちゃうくら [続きを読む]

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