「マスコミたらい回し」とは? (その51) 識者のご指摘に従い、「看護記録orカルテ」画像を検証→読売新聞が「医師記録」を不正に入手した疑い更に強まる
昨日の記事に対して、多くのご指摘を頂いた。またYosyan先生のblog「新小児科医のつぶやき」のコメント欄でも、同様にご指摘を頂いた。ご協力くださった皆様、ありがとうございます。
まず検証用に画像を再掲する。(クリックすると拡大します)
2006年10月21日TBS「ブロードキャスター」で流れた4種類の書類の映像。(画像1)
2006年10月22日放映の関西テレビで流れた映像。(画像2)
2006年10月22日放映の朝日放送で流れた映像。
看護記録全体を引きで撮っている。赤丸がつけられているのは、おそらく医療関係者にアドバイスを受けて「重要」と思われたところか?それとも看護記録を配布した側が赤丸で注目すべき箇所を指示したか?(画像3)
さて、papersearcherさんが画像を加工して、画像1の一番右にある書類と比較した結果をご教示くださったので、Photoshopで上記の画像のうち(画像2)と(画像3)を回転・変形してみた。
回転した関テレの画像。(画像2+)
さて、paperseacherさんの分析に従って、画像1、2+、3+、4を比較すると以下のようになる。青丸で示した部分が関テレ放映の画像2+に相当、緑丸で示した部分が朝日放送で10/22に放映された画像4に相当、そして、赤四角で囲んだ部分が、10/21のTBS放映の一番右の書類に相当する。
TBSの一番右の書類だけ切り取って、長方形に変形させてみた。(画像1+)下の空欄の空き方が同じだ。
つまり、画像3および3+で
赤丸のついていたところを避けて、TBSと関テレと朝日放送がアップにして放映している
ということになる。そうすると、マスコミにこの書類が渡った段階で、画像3、3+にあるような赤丸がすでに付されていた可能性が出てきた。朝日放送は引きで撮ったので、その部分が映っているのだが、他社は赤丸が見えないように画面を作ったってことだろう。
ここまで検証したところで一休み。(10:56)続きは後ほど。
ちょっとだけ続き。(11:41)
ところで、TBSの画像1で奇妙に感じるのは
横書き左綴じの筈の看護記録の表紙と思われる右から二番目の書類が右綴じでコピーされている点
だ。どういうコピーの仕方をするとこうなるかというと
見開きで左綴じの書類をコピーして、表紙になるはずの面(見開きにすると左側に来るはずの部分)が右側にコピーされた
ということではないかと思う。そうすると、
画像3で左右に一体になっている用紙は、本来別々のページの裏と表ではないか
と思われる。画像1+では、半分折りになっていて、右側のページが見えているけれども、これはコピーしたからで、この部分と下側に折れている部分(画像1の左ページ)とは、本来別物だった可能性がある。
最上欄のヘッダの4文字が読めないので、なんとも言えないのだが。
もし右から二番目から右端の書類が一連の続きを見開きコピーしたものなら、こんな風になる。仮に右端から二番目の書類の左ページ(画面では下側に折られていて見えない)を「あ」、看護記録の表紙を「い」、右端の書類を「う」とし、裏表をabで表すと、このようにコピーされているはずだ。
あbいa(これが右から二番目)いbうa(これが右端)
いbでもし看護記録が終わっているなら、「うa」は別な内容の書類になるのだが。空欄があるところからすると「うa」は最終ページだよね?
続き。(13:40)
で、画像1の残りの二枚、左側の二つの書類について考える。
左から二番目は、「ただの通りすがり」先生、rijin先生、tera2005先生、medical commet先生、Yosyan先生のご教示により
診療情報提供書
だとわかった。大淀病院から国循に搬送されるときに病態のサマリーなどを書いて送る書式だと思われる。
左端が難しいのだけれども、medical comment先生のご意見である
「診療相互援助システム患者搬送依頼用紙」または、「診療相互援助システム患者搬送依頼様式」とすると字数的には合います
に、とりあえず従う。そうすると左から二枚の書類は
国循に搬送される時に作成された書類
となる。
右二枚は、いまはとりあえず
看護記録表紙(右から二番目)と看護記録
と見ておく。
ということで、Yosyan先生が「新小児科医のつぶやき」の最新エントリー
2007-05-08 画像検証
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070508
で論証されているように、
ご遺族がマスコミに提供したのは「看護記録と診療情報提供書と搬送用紙」
というお考えに賛同する。
とすると、Yosyan先生の抱かれる疑念
ご遺族がマスコミには提供してない筈の「医師記録」を持っているのは読売新聞だけ
という事実に変更はないことになる。
で、読売新聞、あの
医師記録
は、どこから手に入れたの? ご遺族が
マスコミには提供していない
とおっしゃる以上、
不正なルートで入手した
ということになるのですが。
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コメント
私が右端を「外来記録」と判断したのは「看護記録」とは明らかに異なった用紙
だと思ったからです。Yosyan先生が検討されていますが、私が見たところ
A:関西テレビ(KTV)の看護記録
B:東京放送(TBS)の4枚の記録の、最も右にあるもの
1.Aは右端に明確な2本の線が入るが、Bには入らないか、1本は明瞭ではない。
2.Aは記録(文章)の左隣が明らかに(その左2つより)広いが、Bは等間隔である。
以上の理由により、看護記録ではないと判断した訳です。
投稿: tera2005 | 2007-05-08 11:24
tera2005様
外来記録の医師2号用紙のもっとも一般的な書式は左右2分割で、左に診察記録、右に投薬・処置・検査などの指示記録です。その形式以外のものは少数派と考えます。
右端のカルテはどうみてもそういう形式ではなく、さらに左側に縦罫線により4つのボックスがある書式となっています。4つはtime、BP、RR、PR(tempもあるかな)ぐらいの記入個所になっている事が多く、こういう形式を外来カルテに取る可能性は低いと考えます。
私はやはり看護記録の一部である可能性が高いと考えます。
投稿: Yosyan | 2007-05-08 13:10
Yosyan先生: こんにちは、わざわざの書き込み、恐れ入ります。
>外来記録の医師2号用紙のもっとも一般的な書式は左右2分割で、左に診察記録、右に
>投薬・処置・検査などの指示記録です。その形式以外のものは少数派と考えます。
開業時、私は字が汚いため白紙を医師カルテにしていたら、指導で左右に分けるよう
(単なる嫌がらせでしようが)言われた記憶があります。確かに、処方内容や検査指示
と患者の状態(診察した結果)は別に書くべきなので、カルテより看護記録が妥当だと
思います。
投稿: tera2005 | 2007-05-08 13:43
Yosyan先生、tera2005先生
私は奈良県出身で、臨床研修も奈良県で受けたいと考え奈良県内の病院を見学に回っていますが、そこで見る限りほとんどの病院の外来カルテ2号用紙は、入院カルテと同じもので左右2分割ではありません。私の大学も左右2分割で違和感があり聞いたことがあるのですが、奈良医大付属病院が昔からそのスタイルらしく、それに合わせているのだと聞きました。奈良県内でも他大学系列の病院は一般的な書式だったと思います。
残念ながら町立大淀病院は見学していないのですが、奈良医大系列なので恐らく奈良医大に合わせているのではないかと思います。どちらにしても縦罫で四つのボックスがある形式は見たことがないので、あれは外来カルテではないと思います。
投稿: ただの(ry | 2007-05-08 16:44
ただの(ry卵先生、情報、有り難うございます。今、見たらyosyan先生が「指示簿」ではないかと言う意見があると書かれていますね、いずれにしろ、あるTVで公表されている看護記録とは異なる様式であることは確かですね。
投稿: tera2005 | 2007-05-08 16:57