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2007-05-09

クロ現「“カリスマ”続々登場! ブログ新時代」@5/8 NHK総合 19:30-20:00

昨日は夕方病院に行ったので、見たのは後半部分だけ。
佐々木俊尚氏をゲストに迎えているのは、良かったと思う。一番、この手のことにコメントできる良心的な識者だからだ。
佐々木俊尚氏の書いたものでは、以下がロングテール記事で、今でもよく参照される。
 佐々木俊尚の「ITジャーナル」 2004-11-16 インターネットが取材を変える日
http://blog.goo.ne.jp/hwj-sasaki/e/1e4a7c59538a01659983ad62dd050a02

今年初めの「毎日新聞 vs. がんだるふ氏」事件でも、佐々木氏は次のような記事を書いていた。
 佐々木俊尚 ジャーナリストの視点 毎日新聞連載「ネット君臨」で考える取材の可視化問題 January 25, 2007 1:25 PM
http://blog.japan.cnet.com/sasaki/2007/01/post_10.html
 毎日新聞「ネット君臨」取材班にインタビューした February 21, 2007 3:29 PM
http://blog.japan.cnet.com/sasaki/2007/02/post_12.html
 新聞が背負う「われわれ」はいったい誰なのか February 24, 2007 10:41 AM
http://blog.japan.cnet.com/sasaki/2007/02/post_13.html

この「アンシャンレジューム 対 ニュータイプ」の問題については、以下で扱っている。
 2007-01-06 ネット社会は双方向発信が当たり前 毎日新聞1/1付け2ちゃんねる叩き記事で取り上げられた「がんだるふ」氏がmixiの日記で毎日新聞の取材を全公開中→追記あり
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/01/11mixi_913d.html
 2007-01-07 ネット社会は双方向発信が当たり前 (その2) 毎日新聞1/1付け記事で「さくらちゃん募金」に関して、がんだるふ氏を取材した記者の一人は「さくらちゃん募金」記事執筆記者 これって利益誘導記事じゃないの?
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/01/211_4e16.html
 ネット社会は双方向発信が当たり前 (その3) ネットによる「既得権侵害」におびえる毎日新聞の記者達→追記あり 花谷寿人記者は集英社新書『医療事故がとまらない』の取材班キャップ
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/01/3_46f6.html
 2007-01-10 ネット社会は双方向発信が当たり前 (その4) ググれば、一発でヒット! 毎日新聞岩佐記者のご尊顔
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/01/4__c0e3.html

番組後半は
 やらせblogの問題
で、はっきり言って
 半周どころか3周半以上遅れている話題
だった。去年だっけ? 
 NHK「ニュースウォッチ9」で取り上げられた商品を売りつけるための口コミblogが、放映後炎上
したことがありましたが。
J-Castから。


NHKに取り上げられた 女子大生のブログ炎上 2006/11/ 7

個人のブログに商品や映画の感想を書いてもらいPRする「口コミマーケティング」。その現状が2006年11月3日のNHK「ニュースウォッチ9」で放送されたところ、「企業から金貰って提灯記事を書いてるブロガー」と決め付けられ、ニュースに登場した女子大生のブログが大炎上した。PRを仕掛けた企業のホームページには「誤解を解きたい」とするコメントが載るなど大騒動になっている。

「口コミマーケティング」は、アメリカでは「バイラルマーケティング」と呼ばれ、既存のユーザに自社の商品やサービスを知人に口コミで紹介してもらうもの。「バイラル」は「感染的な」という意味で、ウィルスの感染・増殖に例えている。

「上手なブログの書き方」を指導される

「口コミマーケティング」でブログ炎上
http://www.j-cast.com/images/2006/tetn06-2267_pho01.jpg

「ニュースウォッチ9」には、1日に1万人が見るブログを運営する女子大生で雑誌の読者モデルを務める坊農(ぼうのう)さやかさんなどが登場。映画の試写会にでかけたり、レストランでタダで食事をする様子などが放送された。また、別のブロガーは企業から提供された化粧品や飲料を手渡され、「上手なブログの書き方」を指導されている様子が映された。ブロガーはこうした商品の話を自分のブログに書く事で、1回につき数千円の収入を得られるのだという。

単なる個人のブログだと思って見ていたのが、実は企業のヒモ付きだった事を知った人達は、この放送を見て裏切られた気持ちになったのだろう。ネット上にはカキコミが氾濫し、坊農さんのブログや、「口コミマーケティング」をしていた企業のサイトは大炎上した。

「今回の番組を見てとても驚いたし、正直失望しました」
「なにがクチコミだよ。ヤラセじゃねーかよ!!!」
「この放送見たけど新手のネズミ講みたいじゃなかった?」
カキコミの削除が繰り返され、掲載が制限付きになったところも出た。坊農さんは06年11月6日に自身のブログにこんなコメントを書いて釈明した。

「放送内容が取材時とあまりに異なることに驚きました(中略)『企業の方が提供してくださった商品をレポートした』という部分だけがクローズアップされていました。番組的にはそのような内容が望ましかったのかもしれませんが、私は少し悲しい気持ちです・・・」
「現役女子大生芸能プロ社長の日記」を書いているプリンシパルエージェント代表取締役のクロミホさんのところにも飛び火し、06年11月4日、「一部の読者さんから、『ブログの記事に隠れて宣伝をしているのではないか』とのご指摘があったようなので、ここに記させていただきます」とブログ上で釈明。「ほとんどのケースが実はお金が発生していません」。そして、「弊社でブログ関連のプロモーションをお受けしていることは確かで、商品の紹介をするときなど、今後ははっきりと普通の記事と差別化するようにしたいと思います」と書いている。

ブロガー達に支払う「原稿料」は高騰
NHKのニュースに登場した「口コミマーケティング」のナレッジパークも同日、ホームページに、(1)ブロガーに書いてもらう際には「提供された。」という一文を必ず入れている(2)本人には感想をそのまま記載するよう伝えており、一切の脚色はない(3)ブロガーが商品の記事を拒んだ際には、掲載することはありません、という内容を掲載した。同社には放送後、「彼女たちに無理やりブログを書かせているのではないか」といった問い合わせがあったという。

同社が「口コミマーケティング」を始めたのは2年前。「通常のバナー広告ではクリック率が高まらない。本当に良い商品を紹介したいとき、実際に使ったモニターの意見をブログで紹介することによりPR効果が格段に上がると判断した」とJ-CASTニュースの取材に答えた。現在は800人ほどのブロガーを抱える。殆どが女性だ。

「バイト感覚でお金が目当てというよりは、自分達が紹介することによって(商品を知ってもらったり、売れたりする)生じる影響力に興味があるブロガー達なんです」
と話す。一方で、ブロガー達に支払う「原稿料」は高騰しているという。「1更新当たりに支払う価格が2年前が1とすれば、現在は8です。それだけ口コミマーケティングの需要が高まっていて、今後も相当需要が高まっていくと考えています」

ハウス食品はこの口コミマーケティングを活用している。導入以降、売り上げは4倍に増えたのだという。同社は、「テレビなどでCMを流していますし、口コミがどれくらい効果があったのかは現在調査中です」と話す。「一度お試しください、という感じでブロガーに商品を渡したわけですから、酷評を書かれ裏目に出る可能性もあるわけです。ただ、結果として良い評価が多かった」。口コミ導入は、一種の「賭け」だったわけだ。

NHK懲りてねえな。「クロ現」と「ニュースウォッチ9」は班は違うだろうけど、同じ報番じゃないの?
上記事件については、以下が参考になる。
 大西 宏のマーケティング・エッセンス 2006年11月15日 口コミマーケティングも炎上すると逆効果
http://ohnishi.livedoor.biz/archives/50263374.html

で、
 アルファブロガーの定義
も、実は結構胡散臭い。
このあたりを
 一か月のページビュー1908万を誇るGIGAZINE
が鋭く突っ込んでいる。
 GIGAZINE 2007年05月08日 22時42分00秒 真のアルファブロガーになるには何をすればいいのか?
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20070508_alphablogger/
面白いし、その通りだと思う。上記で指摘されてるように
 アルファブロガー=FNPの人気投票で選ばれたブロガー
なわけで、確か第一回投票の頃から、ある程度の傾向があった。そのあたりを無批判に「アルファブロガーという概念」を受け入れちゃうと、
 FNPの戦略にやられてしまった
ことになる。
GIGAZINEの記事に付け加えるなら
 既存メディア批判をあまりしないブロガー
というのも、メディアに登場するブロガーの特徴だ。新聞などに携わっていたヒトが便利に使われている。上記佐々木氏も元新聞記者だし、下に出てくる「ガ島通信」藤代氏もそう。あとは「ネットは新聞を殺すのか」の湯川鶴章氏(こちらは現役記者らしい)とか。
マスコミのヒトから以前直接受けたblog批判は以下に。
 2005-02-16 マスコミは掲示板とblogが嫌い
http://d.hatena.ne.jp/iori3/20050216/p4
今後も、このような方針は変わらないだろう。

おまけ。
見てなかった部分に登場していた「ガ島通信」藤代裕之氏。
 ガ島通信 2007-05-09■[ブログ]NHKクローズアップ現代で紹介されました
http://d.hatena.ne.jp/gatonews/20070509/1178638686
徳島新聞をやめた後の藤代氏の動向には、ときどきチェックを入れている。日経BPの連載は、炎上したあげくに、3か月くらいでやめちゃったからな〜。

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