新着 『東方宗教』109 日本道教学会
国際シンポから帰ってきたら、届いていた。今号は論文が充実している。
菊池章太 『女青鬼律』による死霊の救済
倉本尚徳 北朝造像銘にみる道仏二教の関係 関中における邑義の分析を中心に
矢羽野隆男 黄遵憲『日本国志』の宗教観 清末外交官の見た神国
軽く目を通しただけだが、どれも面白く、勉強になった。
菊池氏の女青鬼律に関する論考は、昨年の道教学会での発表に基づく。発表も大変に面白かったのだが、論文になると、一段と興味深い。
倉本氏の邑義に関しての論考は、邑義研究の画期になる論文かも知れない。以前、博論で「知識」の問題を扱っただけに、邑義と法社については、また考えてみたいと思った。
矢羽野氏の論考に関しては、黄遵憲の『日本国志』を中心に見ておられるようだが、相補い合う資料として、『人境廬詩草』を使えないのか、という点が気になった。『人境廬詩草箋注』には銭仲聯氏の詳細すぎる注がついているので、さっと読むのには足がすくむのではあるが。
不勉強で知らなかったのだが、最近、横組簡体字版で『黄遵憲全集』(しかも注なし)が出てるのね。一つにまとまっているのは便利だけど、できるだけ横組簡体字の古典書は増やしたくないな〜。
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