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2007-06-13

産科崩壊 増える高齢の母親 30代出産女性の不妊治療も増える(その2) 高齢妊婦は周産期の死産が増え、母体死亡率は20-24歳の妊婦の20倍以上 高齢妊娠の危険を厚労省はもっと周知徹底させよ

年金問題で、
 かちかち山の狸
よろしく
 背中に火がついちゃった安倍ちゃん
が、何をとち狂ったのか
 年金問題で新たに出た作業について、補正予算を組むことは考えていない
と、
 もし、予算より労働がはみ出たら、「サービス残業」にしろ
と言ってるのと同じことを言い出した。
年金問題対応費用、補正予算は考えていない=首相 6月12日19時53分配信 ロイター
 一国の首相が労基法違反を労働管理の元締め厚労省職員に強制する
という凄いことが起きている。安倍ちゃんは、算数もダメになったか?

同じことは、
 少子化対策のために、不妊治療を助成する
という施策にもいえる。いまのままの
 フリーアクセスかつ誰でも不妊治療を受けられる状態
を野放しにすると、
 高リスク妊娠・超高リスク出産で母子が死亡または重い障碍を負う事例の増加
は避けられない。
今だって
 福祉切り捨て、医療費削減
と大合唱しているところに
 無理な不妊治療による、不幸な出産で増加する重い障碍を負った母や子のサポートのための予算
は、どうするつもりだ? 成人一人が寝たきりになった場合のサポートにかかる経費、重い障碍を負った子どもの将来にわたる生活保障、そして、無理な不妊治療さえしなければ避けることができた、不幸な事例によって失われた日本の労働力の損失といったことを、誰もきちんと計上しないのは何故だ?
これこそが、厚労省の仕事だろう。

僻地の産科医先生が、こうした
 高齢出産の危険
について、ご自分のblog「産科医療のこれから」で過去にも記事を書かれ、今回わざわざ新たに文献を博捜して
 医学的な見地
から、解説してくださっているので、是非ご一読を。

2007.06.12 23:21 我が国における周産期死亡,妊産婦死亡の現状
http://blog.m3.com/OB_Gyne/20070612/2
なんと
 1. 高齢妊婦では、周産期死亡では,特に妊娠22週以降の死産が増加する
2. 妊産婦死亡率40歳を過ぎると,20~24歳の妊婦の実に20倍以上にまで高まる
のだという。
こうした具体的数字を、不妊クリニックは高齢の不妊治療希望の患者さんにきちんと説明しているのだろうか?

2007.03.30 23:15  高年妊娠の産科リスク
http://blog.m3.com/OB_Gyne/20070330/5
 統計的に1より大きい数字、2.0以上を「有意差あり」としている調査で、
1. 35~39歳の場合,流産(2.0),染色体異常(4.0)
2. 40歳以上では流産(24),染色体異常(9.9),妊娠糖尿病(2.4),前置胎盤(2.8),常位胎盤早期(2.3),帝切(2.O),周産期死亡(2.2)
となっている。35歳を過ぎると、
 子どもにも異常が出やすくなり、母体にも危険が迫る
のは、統計からもはっきりしている。

2007.04.06 21:32 高齢妊娠と難産
http://blog.m3.com/OB_Gyne/20070406/2
高齢妊娠では、次のようなリスクがある。
1. お産が長引く(遷延分娩)
遷延分娩の原因は、加齢による生殖器の衰えが原因。お産が長引くのは
2.  陣痛微弱 加齢による子宮筋の退化のため,子宮筋収縮の有効性が減弱
3.  軟産道強靱症 加齢による内分泌環境の変化による結合組織の硬化(線維化)と萎縮
4. 加齢によって、難産を引き起こす疾病になりやすい 肥満妊帰や婦人科疾患として子宮筋腫や子宮腺筋症合併妊娠が増える
などが原因となる。
高齢初産は
5. 経膣分娩では、お産が長引いて難産になりやすい
また
6. 35歳以上では,20歳代に比し帝王切開率が2倍高い
お産が長引くことで、母子共に命やその後の生活に関わる事態が起きる。
7. 頸管裂傷や高度な膣壁裂傷をきたし,ときに出血多量
8. 初産婦の分娩時の平均出血量は,35歳未満の約290m1に対し,35歳以上では約348m1と有意に多い
9. 長時問,陣痛というストレスに胎児がさらされるため,子宮胎盤循環不全の結果,胎児低酸素症(胎児機能不全),新生児仮死の原因となる
というわけで
 高齢妊娠では、できるだけ速やかに出産を促し、ダメなら即帝王切開して、母子を救う
のが、一番。この論文に書かれていないことを付け加えれば
10. 子育ては若い女性でも身体に負担がかかり、帝王切開による母子分離が悪影響を与えたりするが、帝王切開率が高く、体力も若い女性と同等には望めない高齢出産の場合、術後の経過が順調であっても、子育てに支障が出ることは考えられる
のだ。

高齢での出産を望む、不妊カップルは、まず
 自分たちの体力(自力だけでなく他人の補助も含めて)で、子どもを育てきれるのか
 もし、母子どちらかもしくは両方が死んだり、重い障碍を負うことがあっても、乗り越えられるのか
 自分たちの両親は健康か(場合によっては乳飲み子と介護の必要な高齢者を一緒に抱えることになる)
ということをきちんと話し合ってから、治療にかかるべきだろう。
そして、少子化対策で不妊治療に税金を使うというのならば
 高齢妊娠の母子の危険を周知徹底し、35歳以上の不妊治療については、治療制限を設定する
ようにしないと、不幸な事例が後を絶たなくなる。
無理な不妊治療による、不幸な事例は、
 避けられる事態
であるから、この点について、政府はきちんと議論し、明確な基準を打ち出すべきだ。
政府は、口を閉ざしているが
 少子化対策=労働人口の補填
であることは、間違いないからだ。お産が元で負った重い障碍によって、正規の労働に就けない母親や子どものケアのことは、考えてないだろう。ましてや
 不妊治療の不幸な結果に対する予算
なんて、わざわざ組まないに決まっているのだ。

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