国際シンポジウム 伝統中国の庭園と生活空間 6/9-6/10@みやこめっせ 第二日目(その2)
前の晩に
趙紫陽軟禁中的談話
を、寝しなに読み始めたら、すごく面白くて、寝過ごしてしまい、会場には15分ほど遅れて着く。
いくつか印象に残った発表を紹介する。
宋鎮豪 中国社会科学院歴史研究所研究員 商甲骨卜辞中的建築称名和建築礼制(甲骨金文の専門家が、実見し得た膨大な量の甲骨から、建築に関する甲骨文字の釈義を行うという、まあ贅沢な発表。後には「宗廟」と熟して使われる「宗」と「廟」だが、甲骨文字には「宗」はあっても、未だに一字も「廟」字は発見されていないとのこと。いや、こういう分厚い研究発表を耳にできただけでも、幸せというものだ)
黄蘭翔 中央研究院台湾史研究所副研究員 台湾板橋林家花園的真仮与虚実(庭の機能が、台湾では世俗化するという話。庭には舞台がしつらえられて、演劇が上演されたという。こうしたところは、大陸の庭園では好まれなかった)
大平桂一 大阪府立大学教授 『西遊補』の庭園・建築群(ご本人が「怪しい」と事前に予告されたとおり、『西遊補』の世界はとことん怪しい。久々に、古白話を読みたくなった。しかし、『西遊補』は壮大かつ滅茶苦茶な話で、いろいろ裏がありそうだ)
途中、昼ご飯を挟んで、藤井有鄰館へ。
昼食はどこも混んでいて、東山二条の「唐子」でラーメン。大将が途中からの雨降りに、傘を恵んでくださる。
まさに
一天俄にかき曇り、盥を覆すが如き豪雨
になって、会場に這々の体で戻ると、しばらく足止め。
閉会後には懇親会。
ロイヤルホテル地階の中華料理「精華」で。
実は、
田中淡先生の還暦を祝うサプライズ
が仕掛けてあって、非常によい雰囲気で終わる。
国際シンポにはいくつか出たことがあるけど、今回のシンポジウムは、
随一といってもいいくらい、すばらしい国際シンポ
だった。発表者とコメンテーターの人選が的確で、実に刺激的だった。
次回もあるといいね、という話になっている。たまたま大平さんから
なんかやらない?
と尋ねられたので、
あ、『金瓶梅』の庭でやります。「庭と性愛」ってことで
と即答。果たして、こんな恐ろしい題目が通るとは思えないけど。
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