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2007-06-16

「マスコミたらい回し」とは? (その69) 毎日新聞が「奈良県周産期医療センター建設延期」を叩けない理由 自分たちの大淀病院産婦死亡事例報道が招いた「奈良県南部の産科絶滅」を隠蔽する意図

前の記事の続き。
再掲する。


総合周産期母子医療センター:本格整備に評価の声 課題は医師・看護師の確保 /奈良

 高度な母子医療を提供する総合周産期母子医療センターの新規建設構想策定費などが県の補正予算案に盛り込まれたことが明らかになった14日、医療体制の充実を求めてきた関係者らから、本格整備を評価する声が上がった。一方で、医師や看護師の確保など、ハード面以外の課題も残されている。【中村敦茂】

 大淀町立大淀病院で昨年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、その後死亡した高崎実香さん(当時32歳)の義父憲治さん(53)は「改善の動きは喜ばしい」と評価しつつも、「箱モノだけでなく、そこで働く人の量と質も高めてほしい。県南部に産科のない状況も、1日も早く改善してほしい」と注文した。
 県医師会産婦人科医会の平岡克忠理事は「安全なお産のため立派な施設をつくってほしいが、相当数の医師がいないと医師の側が疲弊してしまう」と指摘する。県医大・病院課によると、センター整備に伴い、医師6人、看護師も約30人の増員が必要。同課は「確保に努めている」としているが、全国的な医師不足の中、状況は厳しい
 県の構想では、橿原市の県立医大病院に新病棟を建設。後方病床を含め母体・胎児の集中治療管理室(MFICU)18床、新生児集中治療室(NICU)51床を設け、開設は2011年度以降の見込み。現在、既存病棟の改修で進めているセンター整備は、新病棟完成までの暫定的な利用とする。
 総額59億6000万円の補正予算案は、20日開会の6月議会に提案される。ほかに盛り込まれた主な新規事業は、▽平城宮跡などの歴史公園構想策定8000万円▽奈良公園整備構想策定1550万円▽西名阪道へのインターチェンジ設置活用検討費(450万円)−−など。
毎日新聞 2007年6月15日

この記事がおかしいのは、まず見出しだ。
 本格整備を評価の声
という見出しがついていると、普通は
 医療行政などの有識者や複数の人たちが評価した
と思うだろう。読むと分かるけど
 大淀病院産婦死亡事例のご遺族が評価してるだけ
なのだ。

恐らくこの記事が、非常にヘンなのは、次のような理由があるからだろう。
1. 毎日新聞奈良支局では、大淀病院産婦死亡事例の報道当初「遺族は訴訟を起こさず、奈良県内の医療体制の不備を怒っている」という論調だった
2. 10/17の第一報からわずか一ヶ月足らずの11/13に、共産党系の「奈良県に小児・母子保健センターの設立を求める会」が関わったシンポジウムにご遺族が参加したのは、もともと「奈良県に小児・母子保健センターの設立を求める会」の会長である、おかたに病院の井戸芳樹院長と毎日新聞奈良支局が10年にわたる関係があったことから、ご遺族を毎日新聞側から「奈良県に小児・母子保健センターの設立を求める会」に紹介した可能性が高い→2006-11-17 今週の青木絵美記者@毎日新聞奈良支局http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2006/11/post_4dbc.html
3. 今年2月23日には周産期医療センター設置が頓挫したのが判明して、「大淀病院の産科を潰し、奈良県の面積の2/3にあたる68%を占める奈良県南部のお産を壊滅に導いただけ」という批判の矢面に毎日新聞奈良支局が立たされた→2007-03-20 「大淀病院産婦死亡事例」報道などにより毎日新聞大阪本社医療問題取材班が毎日元社長を記念した財団法人から第14回坂田記念ジャーナリズム賞受賞@3/15http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/03/14315_8252.html
4. 周産期医療センター設置という題目は引き出せた、と、「大淀病院産婦死亡事例」で「お産難民」が大量発生している奈良県の妊産婦の被った報道被害に責任を取らず、できるだけ毎日新聞奈良支局から目をそらせたい→2007-06-15 「マスコミたらい回し」とは? (その68) 奈良県の周産期医療センター、年度内に整備できずhttp://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/06/68_6c99.html

その後、ご遺族は「陣痛促進剤による被害を考える会」のサポートを受けているので、当初関係のあった奈良県内の共産党とは、どうなったのか分からないが、毎日新聞も、民主団体より「陣痛促進剤による被害を考える会」との関係に重きを置いて、取材を続けているように見える。「陣痛促進剤による被害を考える会」の講演活動には、横浜堀病院民事提訴原告の共同通信記者氏も名を連ねているので、メディア側にしてみると、
 自分たちの身内が産科医療と戦っている
という、妙な
 共闘意識
があると思われる。「陣痛促進剤による被害を考える会」に関する報道が、医学的な検証は無視して、
 「陣痛促進剤による被害を考える会」のプロパガンダ記事に堕している
のは、そうした
 マスコミ人の「身内意識」からくる「曲筆」によるもの
だ。

で、昨日の毎日新聞奈良支局の記事に話を戻すと、
 奈良県南部の産科絶滅を導いたのは、10/17の毎日新聞の第一報の「たらい回し(東京版など)・6時間放置」という誤報
だ。
つまり、以前にも書いたけど
 奈良県南部の最後の砦であった大淀病院の産科を潰し、奈良県南部の妊産婦を「お産難民」として危険にさらした
だけでなく
 記事が圧力となって設置できるはずだった「周産期医療センター」も頓挫
しているのを
 できるだけ隠蔽して、世論の反発を防ぎたい
という
 徹底して自分を庇い、むしろ「10/17の誤報のおかげで奈良県にそもそもなかった周産期医療センター設置が進む」とミスリード
するのが、昨日の記事の本来の目的である。
アホですか。
これこそ
 曲筆の最たるもの
だ。
毎日新聞奈良支局には
 人間としての良心のかけらもない
ということですね。

で、各種談合については叩いていますが、もし、奈良県の「建設業許可業者名簿」に掲載されているのが他ならぬご遺族であり、周産期医療センター設置にご遺族の会社が関わったら
 美談仕立ての記事を書こう
と、準備万端怠りなく、手ぐすね引いて待っていると思われる。小さい建設会社だとしても
 周囲の整備とか小さい工事に参加する
くらいはできるだろうからな。でも、
 工事費用はわれわれの税金
だ。ご遺族であるということと
 税金が使われる工事に参加する
ということは、まったく別だということを、まず毎日新聞には言っておきたい。
それと、もしそんな記事を書いたら
 金の問題ではない、真実が知りたい
と、当初は訴訟の意志がなかったのに、民事提訴に持ち込んだ理由を説明されていたご遺族の尊い意志を貶めることにはならないだろうか? 残念ながら、現在、公共工事と建設業の関係に対する世論はシビアだ。そのあたりをさじ加減を、毎日新聞ができるかどうか、注意深く見守っていきたい。

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