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2007-06-19

「マスコミたらい回し」とは? (その71) 共同通信による「横浜焦土作戦」は周辺からも「援軍」 鎌倉市ではすでに産科は一つだけ 小泉前首相のお膝元横須賀の産科はほぼ壊滅→加筆あり

2007-06-17 「マスコミたらい回し」とは? (その70) 共同通信の「横浜焦土作戦」を数字で見る
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/06/70_9e7c.html
で、横浜の西部地域と南部地域の産科が崩壊の危機に瀕している、という話をしたが、事態はもっとトンでもなかった。

まず、南部地域から。
 金沢区と分娩できる産科がゼロになった栄区に隣接する鎌倉市
なのだが、
 2006年4月以降、分娩できる産科は湘南鎌倉総合病院だけ
である。手元にある神奈川県の「平成17年 神奈川県衛生統計年報目次」のデータによると、
 2005年の鎌倉市の出生数は1197人 合計特殊出生率1.01
で、これがまだ産科が二つあった時の状況だ。2006年以降は更に状況が悪くなっているだろう。
神奈川県全体の合計特殊出生率は、2005年の段階では1.13だった。この数字より上の値を出している地域は、結婚した若い世帯が子どもを生んでいると考えられる。そういう意味から言うと
 鎌倉は大人と老人のための街
になってしまっている。
お産難民が出現している横須賀市の場合は、同じく
 出生数は3305人 合計特殊出生率1.21
で、横須賀市は最近安い価格のマンションがたくさん販売されていて、若い、これから子どもを持とうとする人たちが流入してきているのが、この数字からも見て取れる。ところが、出生数は減ってきている。
横須賀市の最近のお産の数は、(その70)で上げた
 神奈川県内の産科医療機関における分娩取り扱い数調査結果と将来予測(第2回調査)の概要
や、
 6/1付タウンニュース 市民病院に助産師外来10月開設へ
によれば分娩実績は
 横須賀地区(三浦市を含む)  2004年 3907件 2005年 3387件(-520)
出生数は横須賀地区(三浦市を含む) で
 2004年 3845人 うち横須賀市 3523人
 2005年 3640人 うち横須賀市 3354人
 減少数  205人 うち横須賀市 169人
で、
 出生数-分娩数=315人(多胎や死産もあるから正しい数ではない)
どんどん分娩を受け付けるキャパシティが減っているのが分かる。この315人は、横須賀地区外で生まれた。
現在、横須賀市でお産ができるのは
 横須賀共済病院と市立うわまち病院、市立市民病院の3つと2診療所、1助産所
だけだ。
せっかく、若い人にも手頃な価格のマンションを売っていても、そばに産科がないのでは、子供が産めない。
横須賀市でお産を扱っている病院の一つ、横須賀共済の分娩制限は、こんな感じだ。


2007/06/12(火) 10:10 現在
2007年 6月予約不可
2007年 7月予約不可
2007年 8月予約不可
2007年 9月予約不可
2007年 10月予約不可
2007年 11月予約不可
2007年 12月予約不可

げ。半年先まで
 分娩予約不可
じゃん。てことは
 妊娠12週でも予約できない
だろうな。この予約カレンダーは2007年分しか表示しないかも知れないので、そうすると来年1月2月の分娩予約(6/12の段階では妊娠4-8週)も埋まっている可能性はある。もう
 妊娠反応が出たとたんに速攻で予約
しないと、横須賀ではお産ができないんじゃないかと思われる。
加えて
 三浦市立病院では小児科医が辞めて、この4月からお産ができなくなった
のが大きい。
三浦市立病院のサイトより。


診療内容の一部変更について

(略)
(4月1日から当面の間)
小児科については、入院と時間外救急を見合わせ、外来診療のみとなります。横須賀市立市民病院、横須賀市立うわまち病院、横須賀共済病院に4月以降の慢性疾患外来や入院の受け入れをお願いしております。当小児科を定期的に受診されている喘息、けいれん性疾患、心疾患などの患者様にはご紹介状をお出し致しますので、ご希望の方はお申し付けください。
・ また小児科医師の減少の影響を受け、産婦人科でお産ができなくなります。お産は昼夜を問わずにあるものですが、分娩経過中に危険な状態になることもめずらしくありません。そのため24時間いつでも緊急の事態に応えられることが必要ですが、4月以降その態勢を継続することが困難になり、休止することになりました。

三浦市立病院では、昨年110件のお産を扱った。他に横須賀地域では 
 聖ヨゼフ病院が2006年10月から分娩休止(2006年の分娩数 99件)
 衣笠病院が2004年10月から分娩休止(2003年の分娩数 650件)
と、このところお産を扱う病院がどんどん少なくなっている。
横須賀地域の産科事情については、以下に。
 お産の場求めて横浜へ 2007年05月19日
http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000160705210001
上記記事によると、横須賀地域の産科崩壊で、
 横浜市南部地域(金沢区)の横浜南共済病院は2006年の分娩数は1086件(2005年は836件)
 内、横須賀市からの流入分は226件(2005年は166件)
と、モロに横浜市南部地域にしわ寄せが行っている。(その70)で紹介したように、南共済は現在分娩制限を行っているが、
 常勤医7人で1000件を越えるお産を扱う
のは、はっきり言って限界だ。上記記事には次のような医師の声が載っている。


医師1人が適正に診ることができるお産は、年間100件が限度と言われているが、すでに大きく超えている。病院には二つの分娩(ぶんべん)台があるが、それでは足りず、陣痛室のベッドでお産をするときもある。急なお産で起こされる頻度は増えた。いまはなんとか持ちこたえているが、もう限界に近い」

  横浜市金沢区六浦東1丁目の横浜南共済病院の産婦人科部長、飛鳥井(あすかい)邦雄医師(53)は、こう話す。

 病院の常勤医は7人。06年度のお産件数は1081件あり、医師1人で平均154件のお産を診たことになる。05年度は836件で「適正」だったのに、一気に2割増えた。05年11月にお産をやめた区内の病院があり、その影響に加え、隣の横須賀市からの流入が増えたためだ。05年の横須賀市民の分娩者は166人だったのに、06年は227人いた。「横須賀市内のすべての病院や診療所に電話したが、分娩予約がとれなかったとやってくる女性もいる」と飛鳥井医師。

南共済の先生方が燃え尽きないことを祈る。
昨年1000件を超すお産を扱った南共済が崩壊すると、横浜市内の産科崩壊は一気に進む。

で、横浜市西部地域の瀬谷・泉区と隣接する大和市では、
 年間800件のお産を扱っていた大和市立病院で、分娩制限
が行われる。
5/26付神奈川新聞より。


産科医確保に向け分娩手当を新設へ/大和市立病院
2007/05/26

 産科医の減少に伴い、大和市立病院(同市深見西、五十嵐俊久院長)が七月以降の分娩制限を打ち出していた問題で、大和市が産科医確保に向け、分娩一件につき二万五千円を支給する「分娩手当」を新設する方針であることが二十五日、わかった。県内では横須賀市、小田原市に次いで三例目。市議会六月定例会で可決されれば七月一日から施行される。

 市職員課によると、新設される分娩手当は産科医を対象に支給されるもので、医師が複数携わった場合は主となる医師に支給されるという。

 同院によると、現在の常勤産科医は四人だが、六月末で一人が大学の医局に戻され、一人が自己都合で退職。七月からは常勤医が半減するため、年間約八百件行っていた分娩を約三分の一、月二十件程度に制限せざるをえなくなり、産科医確保が急務となっていた。

 県内では、横須賀市立市民病院(同市長坂、久保章院長)が昨年四月に分娩一件二万円、四十件を超した場合は分娩一件二万五千円を支給する分娩手当を新設。小田原市立病院(同市久野、中島麓院長)が昨年十月に分娩一件一万円を支給する診療手当を新設している。

 分娩ごとに支給する手当としては大和市は金額で県内最高水準。当初の案では分娩一件につき二万円だったが、四月の統一地方選で市立病院の医師確保を訴えて当選した大木哲市長の意向で引き上げられたという。

 同市職員課では「手当の新設が産科医の確保につながればうれしい。市民が安心して子供を産める環境を維持するためにも、医師確保に全力で取り組んでいきたい」と話している。

分娩手当をもらっても、
 二人で月20件のお産を回す
って無理。そもそも当直勤務ありで産科を回すには、最低で3人の医師が必要だが、二人なんて、ダメに決まってるじゃん。
もし、月20件お産を扱ったとしても、今のままでは
 20×12=240

 800-240=560
と、500人を超す妊婦が「お産難民」となるわけだ。その内何割かは横浜市の産科に流入してくる。
(その70)でも見たとおり
 瀬谷・泉区の含まれる横浜市西部地域はすでに産科崩壊地域
である。ということは
 大和市のお産難民は、横浜市北部地域や南部地域などの産科に行かざるを得ない
わけだ。
(追記 20:30)大和市民の方から次のようなコメントを頂いた。


大和市のお産難民は横浜市だけではなく、隣接した相模原市または町田市にも動くと思います。北部からだとそちらのほうがアクセスが楽だからです。
同様に、横浜市の昭和大学付属藤が丘病院や少し無理すれば北里大学病院、国立相模原病院などある程度の規模の病院へアクセスできること、市内に不妊・無痛分娩等を扱う地元で有名な愛育病院/愛育クリニックがあることから、一般的には市立病院がだめでもほかがあるし…というイメージがあるようです。

なるほど、大和市から流れてくるとしたら、横浜市北部地域の青葉区にある昭和大学藤が丘病院などで、他の隣接している市の病院にも行く、ということですね。
昭和大学藤が丘病院は


産科

 当院で分娩されるお母さんは年間約600人です。自然分娩の方針のもとに安全で快適なお産ができる体制作りを目指しており、立会い分娩も可能です。出産後は母児同室を取り入れており、母乳保育を推進しております。
当院産婦人科は日本産科婦人科学会研修指導施設、周産期・新生児学会指定研修施設です。
 新生児集中治療部門(NICU)と連携をとり、県下の医療機関から合併症やリスクを有する患者さんを積極的に受け入れております。対象は推定体重1250g以上妊娠30週以上となっています。

だそうなので、高リスク妊婦ならば、こちらにも流れていくだろう。
ところで、相模原市もあまりあてにならないのは、
 一時期は1000件近いお産を扱ったこともある相模原共同病院が昨年より産婦人科休止中
であり、今後産科の休止が続かないかが危惧される。
(追記終わり)

まさに神奈川県では、横浜市周辺で
 産科ドミノ倒し
が起きている。その上、共同通信記者氏が警察に相談に行って始まった
 昨年3157人を取り上げた堀病院の「無資格助産」捜査
が行われた影響で、
 1人体制で助産師を確保できなかった産科が次々閉鎖
しているのだ。

共同通信は、
 横浜焦土作戦が成功
しただけでなく、
 周辺自治体からの「お産難民」流入による、産科ドミノ倒し
を見て、どう思うのでしょうね。次に来るのは
 首都圏の全面的な産科崩壊
だ。
堀病院民事提訴がどうなるか分からないけど、
 1人の産婦の死が、大量のお産難民を生み、これから生まれようとしている赤ちゃんと母体の生命を脅かしている
のが、
 共同通信による「横浜焦土作戦」の実態
である。全国の新聞社に産科を叩く記事を配信し、堀病院民事提訴原告の共同通信記者氏に「陣痛促進剤による被害を考える会」とのタッグマッチで講演活動をさせてるんだから、これで
 産科が減少しないわけがない
のだ。要するに、最終的には
 首都圏のお産を崩壊させて、首都圏のただでさえ低い出生率を下げるのに貢献
したいのだな。
年間3000件以上のお産を扱う堀病院に捜査が入った段階で、何が起こるかは、ジャーナリストなら分かっていたはずだ。分かっていて、それを行ったのだから、共同通信には責任を取っていただきたい。

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