「マスコミたらい回し」とは?(その73) 大淀病院産婦死亡事例民事裁判第一回報道クリップ 民放は「泣き」と「遺児」の画面をインサート(画像はクリックすると拡大します)
今日の夕方の関西のニュースでは、各局
大淀病院産婦死亡事例民事裁判第一回
を取り上げた。
まずは地元NHK奈良から。
妊婦死亡裁判 病院争う姿勢去年、大淀町の町立病院で妊婦が出産中に意識不明となって死亡したのは医師の診断ミスが原因だと夫らが訴えている裁判で、病院側は、「出産中に大量の脳内出血を起こし、どのような処置をしても助けられなかった」と全面的に争う姿勢を示しました。
この問題は、去年8月、大淀町の町立大淀病院で、高崎実香さん(当時32)が出産中に脳内出血で意識不明となり、ほかの19の病院に受け入れを断られて大阪の病院まで運ばれた末、8日後に死亡したものです。
原告で夫の晋輔さんら2人は、「脳内出血を疑わせる兆候があったのに、産婦人科の主治医が放置したため容態が悪化し、死亡につながった」として、病院を運営する町と主治医に損害賠償を求めています。
25日は大阪地方裁判所で1回目の裁判が行われ、
被告の町と医師側は、「医師は放置していないし、妊婦が大量の脳内出血を起こしていたことを考えると
どのような処置をしても命を救うことはできなかった」と反論し、全面的に争う姿勢を示しました。
この問題が明らかになった後、大淀病院はことし3月一杯で産科を休診しましたが、これについて被告側の弁護士は、
「今回の件でバッシングを受けた結果だ。原告らの誤った主張は医療界をあげて断固正していく」と批判しました。これに対し、原告の晋輔さんは裁判の後、「病院には産科を続けて欲しかったが、事故の検証もせずに廃止を決めてしまった。逃げたとしか思えない」と話していました。
第一報を流した毎日新聞奈良支局と密接な関係にあるMBS毎日放送。当然のように
ご遺族の泣きといたいけな遺児のショットをインサート
している。
奈良の妊婦死亡 病院側は争う姿勢奈良県大淀町の町立病院で出産中に意識不明になり死亡した女性の遺族が病院を訴えていた裁判が始まり、病院側は全面的に争う姿勢を示しました。
訴えによりますと、高崎実香さん(当時32)は去年8月、出産のため入院した町立大淀病院で、
実際は脳内出血だったのに
「陣痛による失神」などと診断されました。実香さんは19の病院から受け入れを断られた後、搬送先の病院で長男を出産しましたが、死亡しました。
夫の晋輔さんらは
「担当医は脳内出血を疑って必要な検査をし、直ちに転院させるべきだった」として、町と担当医を相手に損害賠償を求めていました。25日の初弁論で、病院側は「脳内出血は当初から大量で、どんな処置をしていても助からなかった」と主張し、全面的に争う姿勢を見せました。
さらに争ったことによる悲しみを味わう…。
お母さんの亡くなったことを
しっかり伝えられないと思うんで、がんばります」(高崎晋輔さん) (06/25 19:33)
KTV=FNN(系列)。現在KTVのロングバージョンのニュースがwebに上がってないので、KTVニュースからのキャプチャ画面に字幕内容を()内に添付する。
奈良の妊婦死亡をめぐる裁判 病院側、初弁論で全面的に争う構え見せる
(大淀病院側 病院が批判されることによって奈良県の産科医療が崩壊したと主張)奈良県の妊婦死亡は、診断ミスが原因だとする裁判で、病院側は全面的に争う構えを見せた。
夫の高崎晋輔さん(25)は(「本当ならこんな所に立ちたくなかった」
「悲しみを味わって、またさらに争うことによる悲しみ」と話した。
(病院が何をしてくれたのか、検証委員会を立ち上げるでもなく、)
(「やむを得ずやめた」というが、それは違うのではないでしょうか)
(ご遺族の義父の方の「泣き」のシーンを結構長く映す。この後、ご遺族の夫君の涙をこらえる映像も入っている)この裁判は、奈良・大淀町の町立病院で、高崎実香さん(当時32)が出産の際に脳内出血を起こして死亡したのは、診断ミスが原因だったとして、夫と子どもが損害賠償を求めたもの。
25日の初弁論で、(被告・病院側 胡度を救った人(主治医)に対し命を救われた子どもが「母親を救わなかった判断は誤りだった」と主張している)
被告の病院側は「子どもの命を救ったのに、その子どもが母親が死んだと訴えるのは誤った主張である」(被告・病院側 原告らの誤った主張に対しては医療界を挙げて断固正していく)
として、全面的に争う構えを見せた。
YTV(日テレ系列)はwebにニュースが上がってないので、映像とキャプションのみ。
大淀病院側
病院が批判されることによって奈良県の産科医療が崩壊したと主張
弁論後、病院側の担当弁護士は
「(お母さんは)脳内出血が起きた時点で救命の可能性はなかっただろう」
「結果的にお子さんが何の障害もなく産まれたのが大変よかった」
(大淀病院の現在の診療科一覧掲示。「産婦人科」から「産」の文字が消えているのがはっきりわかる)
弁論後、病院側の担当弁護士は(仮眠があったかどうかについて)
「わたしが聞いているのはそういった(仮眠の)事実はなかった」
「原告との後日の話し合いの中で追求されてそういう様なことを言ってしまった」
「(高崎さん達が)訴えるから、病院が閉鎖するという言われ方に反論したい」
「じゃあ病院側は何をしてくれた、逃げられたとしか僕は思えません」
「大淀病院に対しては警察による業務上過失致死容疑での捜査が続く」
う〜ん、病院側の弁護士さんの話を聞く限り
謎の第1回目の話し合い
がやはりこの問題の根本にある。大淀病院側はこうした交渉事には慣れてなかったと推察されるのだが、もし、ご遺族のお一人が奈良県のリストに載っている建築業者と同一人物だとすると、こちらは交渉のプロである筈だ。
この
第1回目の話し合いで何があったか
については、今後の弁論で明らかにされると思う。注意して見守っていきたい。
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コメント
原告の夫(高崎晋輔さん)の妻を亡くした残念さは心中察するに余るものがあります。
が・・・ええ年こいた大人が公衆の面前でビービー泣きまくるのもどうかと・・
マスコミ的には、泣き叫ぶ遺族(善)⇔不可抗力なのにミスした医者(悪)という画が撮れてウマーなんでしょう。
ただ、悲しみに負けず裁判を契機に問題提起をしている遺族もいることも忘れてはいけません
山口母子殺害事件の遺族の本村洋さんです。事件当時20代という年齢にもかかわらず、また悲しみをこらえて
裁判をとおしてマスコミに毅然と問題点を訴え続けた行動力はすばらしいと思います。
この旦那さんには本村さんのつめのアカをせんじて飲ませてやりたい衝動に苅られることがあります
投稿: とおりががりの呼吸器内科医 | 2007-07-12 14:42