「マスコミたらい回し」とは? (その76) マスコミは責任を回避するな 大淀病院の産科を閉鎖させたのは「メディアスクラム」だ ご遺族を利用して自らの責任を隠蔽する毎日新聞高瀬浩平記者の記事が毎日の「ジャーナリスト魂」か→追記あり
まず、大淀病院産婦死亡事例で産婦さんを亡くされたご遺族には、哀悼の意を捧げる。
しかし、報道が
ご遺族を利用
して、
自分たちの過剰取材による「メディアスクラム」が大淀病院の産科を閉鎖に追い込んだ事実を隠蔽
するのは許し難い。
遺族感情を利用して、誤報を垂れ流し、
30年の長きにわたって、大淀病院の産科を一人医長で支えてこられた先生の心を折ったのはメディア
である。特に
第一報での「6時間放置・たらい回し(東京版などの見出し)・CT撮影の可否」などの誤報を積極的に訂正せず、そのままにしている毎日新聞奈良支局および大阪本社科学環境部
については、その責任は重い。
まだ、webに記事が上がってないので、別なところから転載。
(追記 20:27)
毎日新聞関西版に記事がアップされたので、リンクしておく。
(追記おわり)
今日の毎日新聞関西版より。
毎日新聞 6月26日 大阪版社会面娘の死 産科医療に生かして 「命助けようとする必死さ伝わらなかった」 初弁論 夫が涙の訴え
奈良県大淀町の町立大淀病院で昨年8月、分娩中に意識不明となった同県五條市の高崎実香さん(当時32歳)の転送が難航した上、死亡した問題で、夫晋輔さん(25)と10ヵ月の奏太ちゃんが町と担当医師に約8800万円の損害賠償を求めた訴訟の初弁論が25日、大阪地裁(大島眞一裁判長)であった。伸輔さんは「命を助けようとする 必死さが伝わってこなかった」と涙ながらに意見陳述。被告側は「早く搬送していても救命の可能性はなかった」 と全面的に争う姿勢をみせた。【高瀬浩平、撮影も】
この日、実香さんの両親も傍聴。母(58)は終了後、「あの子は天国から見守ってくれたと思います」と 涙を浮かべた。
晋輔さんが意見陳述に立つと、母は胸に抱いた実香さんの遺影に「見守っててね」と語りかけた。 手にした赤い巾着袋には安産のお守りと実香さんの回復を願って写した般若心経。「奇跡が起きて良くなりますようにと、 わらにもすがる思いでした。あの子の枕元にずっと置いてました。奇跡は起きませんでした」と袋をさすった。
弁論で、母は被告側の「社会的なバッシングで大淀病院は周産期医療から撤退した」との意見表明に 心を痛めた。「実香の死で病院が閉鎖に追い込まれたかのような主張。実香も『そうじゃないでしょ』と 言いたいと思う」と少し口調を強めた。
父(60)も「娘は亡くなったのに、被告側が被害者だといっている感じがした。なぜ亡くなったのか、 なぜ脳内出血が起きたのか究明してほしい」と訴えた。
母の悲しみは癒えない。一日に何度も仏壇に手を合わせ「どうしてる?」「実香ちゃん。安らかになれたらいいね」 と話しかける。24日に墓参りし、「正しい道が開かれますように見守ってね」と祈った。
父も「寂しさや悲しみは和らぎ、薄らぐことがない。日がたつにつれて増していく感じ。 娘は妻として母としての夢があった。子どもにどんな服を着せよう。どんなお弁当を作ってあげよう、と言って、普通の平凡な生活を望んでいたと思う。夢を閉ざされて無念だったろう」と話した。訴訟については 「娘の死を産科医療の充実に生かしてほしいというのが親としての思いだ」と話した。
ご遺族が
極めてまれで、予後のよくない、不幸な症例を受け入れがたい
のは、しょうがない。
しかし
自らの報道が、大淀病院を追い込んだ事実
について、口をぬぐって、あたかも
病院がご遺族の提訴が原因で産科が閉鎖されたとしている、とミスリードする
のは、
傷ついているご遺族を弾避けにして、自分たちの責任を回避する卑劣な姿勢
に他ならない。
毎日新聞のジャーナリスト魂
って、要するに
弱者を最前線で戦わせて、自らは安全な場所に身を置いて高見の見物をすること
なのか。
ここまで腐っているとは思わなかった。
ちなみにこの記事を書いた高瀬浩平記者は、奈良支局所属で奈良県北部(たぶん奈良市周辺が守備範囲)担当だ。
6月6日に、奈良女で行われた
「陣痛促進剤による被害を考える会」とその会員である栗岡幹英奈良女教授がフィーチャーした「ご遺族の講演」
についての記事も書いている。
2007-06-08 「マスコミたらい回し」とは? (その65) 毎日新聞奈良支局、今度は「陣痛促進剤撲滅キャンペーン」を展開 毎日新聞関係者のお産には「陣痛促進剤を使わない」ってことでいいのか?
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/06/65_1394.html
今年の2月2日に奈良県警が、大淀病院産婦死亡事例についての立件を見送るという記事を書いたのも、高瀬浩平記者である。
2007-02-02 「マスコミたらい回し」とは?(その40) 奈良県警、大淀病院産婦死亡事例を立件見送りへ
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/02/40_7fcc.html
高瀬浩平記者のスタンスは
6月6日のご遺族の講演について、「陣痛促進剤による被害を考える会」べったり
なので、今後、
「陣痛促進剤による被害を考える会」の主張に沿った曲筆を積極的に行う
だろう。また、「陣痛促進剤による被害を考える会」の
医療訴訟関連講演会
には
横浜堀病院民事提訴原告の共同通信記者氏
も名を連ね、これまでにご遺族とシンポジウムなどで講演活動を行っている。つまり
高瀬浩平記者=「陣痛促進剤による被害を考える会」の提灯記事を書く記者
であり、
堀病院の捜査を誘導し、「横浜焦土作戦」に大規模な成功をおさめつつある「共同通信」と並んで、「奈良県の産科崩壊」を更に促進する起爆剤「毎日新聞」の奈良支局における橋頭堡
と、今のところは記憶しておく。てことは
次は、高瀬浩平記者のいる「奈良県北部の産科崩壊」が進む
ってことかな。気をつけないとね。奈良市の女子高生が歯医者の前に捨て子をするのが、奈良県北部の産科事情だ。
奈良の赤ちゃん遺棄:女子高生姉妹を書類送検 /奈良
しかし、栗岡さんも、どうなんだかな。京大社会学の知り合いに聞いたら
子どもが小さい内は、寝てる間に勉強したパパ研究者
だったらしいけど、そんなことを威張られてもしょうがないので、もう少し他を当たってみようかな。
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コメント
これが事実だとしたら、ブラックジャーナリストと名づけてもいいでしょうね。公共のための報道機関ではなく、自社の経済的窮地を救うためならば、地域住民の多少の迷惑や医療という社会基盤を破壊してもかまわぬという…事実なら、M日新聞を日本中の病院の売店や医局から撤去させたいものです。
投稿: skyteam | 2007-06-27 02:55