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2007-06-29

「マスコミたらい回し」とは? (その81) ABC「悲鳴病棟 “医者を訴える”夫の決断」@5/29の謎(その2) なぜ亡くなられた産婦の方は自分で運転して大淀病院に行ったのか(画像はクリックすると拡大します)

大淀病院産婦死亡事例の初期報道において
 亡くなられた産婦の方が「妊娠中毒症」だった
という話が流れていた。これはワイドショーに出てきたご遺族が
 妊娠中毒症だったのに、自分のためにおいしい食事を作ってくれた
という発言をしていたというのが根拠になっていた。この発言はわたしもテレビで聞いたように思う。
亡くなられた産婦の方は妊娠中毒症ではなかったと現在認められているようだ。そして、この以前のご遺族の発言と齟齬する事実が、今年6/4になってから報道されている。

6/4付東京新聞より。(有料公開されている記事)


こちら特報部 妊婦転送拒否19回の真実は 夫が医師らを提訴(上) 当初ミス認めるも一転 病院側『どうぞ訴えて』
2007.06.04 朝刊 24頁 特報1面 (全1,432字) 

 奈良県大淀町の町立大淀病院で昨年八月に出産中だった妊婦が意識不明となり、十九の病院に受け入れを断られた末に死亡した問題で、妊婦の夫の高崎晋輔さん(25)らが、適切な治療を怠ったとして担当医(60)らを相手に損害賠償を求めて五月下旬、大阪地裁に提訴した。踏み切った背景には、十分な説明をしない病院、あらぬ中傷への怒りなどがある。「黙っていたら、同じ思いをする人が出てくる」と晋輔さんが心境を明かした。(鈴木伸幸)
(略)

 亡くなった妻の実香さんの妊娠中の体調は良好だった。三十二歳での初産、妊娠四十一週目。実香さんは昨年八月七日午前九時ごろ、奈良県五條市の自宅から自分で車を運転し、約十五分かけて大淀病院に到着した。

一体、初期報道で流されたご遺族の発言は何だったのだろう。

もう一つ分からないのは
 いくら陣痛がついてないと言っても、妊娠41週目の30歳を超えた初産の妊婦が自分で運転して病院に行く
のが、当たり前なのか、ということだ。厚労省は35歳以上を「高齢初産」にしているが、実際問題として、30歳を超えると、お産でのトラブルは多発する傾向にある。
ご遺族は、運転免許を持っている。その時、たまたま仕事で手が離せなかったのか。そうであったとしたら、誰も他に産婦さんのために運転してやろうという人はいなかったのか。車で15分なら、タクシーでもよかっただろう。初産なのに。
この疑念は、ご遺族を支援する立場で作られたはずのドキュメンタリーABC「悲鳴病棟」を見て、強まったものだ。

ABC「悲鳴病棟」の中では、ご遺族が自らハンドルを握るシーンがある。以下は番組内では一連のシーンとして編集されている。尺にして1分17秒ある。
Hm011「他の病院だったら助かってたかなあって。」

Hm012「ていうかあの病院でも、ちゃんとしといてもらったら助かったんちがうかなあって。…ずっと思ってますからね」

Hm013(ご遺族が運転する車)ナレーション「実香は死なずに済んだのでは。日増しに疑問が膨らんでいく」

Hm015ナレーション「主治医に改めて説明も求めたが拒否された」


Hm016ナレーション「気がつけば何度も何度もある場所へと向かってしまう」


Hm017「そこにおるっていうか…なんか悔しくて、前通るんですけどね」


Hm019(大淀病院玄関の前を通りすぎる)ナレーション「大淀病院。実香が苦しんだ記憶が甦る場所」


Hm020ディレクター「普通はどっちかいうたら通りたくないんかなと思うやん」
「逆に通りたいですね」

Hm021「逃げてまうことになってまうかなと思って。通れへんかったら」


Hm022「うん、なんで僕ら悪いことしてないのに何で逃げなあかんねんて」


Hm023「辛いですよ、ほんまに通んの」

Hm024「たいがい泣いてます、通るとき」


Hm025「泣くのわかっててもなんか通りたいんですよ」

この
 運転シーン

 亡くなられた産婦さんがご自分で運転して大淀病院に行ったという事実

 ご遺族が陣痛に苦しむ産婦さんにビデオを回している事実→2007-06-26「マスコミたらい回し」とは? (その78) ABC「悲鳴病棟 “医者を訴える”夫の決断」@5/29の謎(画像はクリックすると拡大します)→加筆・訂正あり
とは
 一連の時間経過の中で起きている事実
であるにもかかわらず、ABC「悲鳴病棟」を見ると、うまく一つの像を結ばない。寧ろ、
 他メディアで「事実」として報道されている事象
とつなぎ合わせると、齟齬するところ、理解が難しい部分が出てくるのだ。

要するに
 ABC「悲鳴病棟」の編集は、「お涙頂戴」エピソードをまとめ上げようとして、逆に「ご遺族を後ろから撃つ番組構成」になってしまった
と思うのだが、どうだろう。
そう感じるわたしは変だろうか?

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コメント

随分趣味性のある車を運転していらっしゃるんですね。<ご遺族
パワステもついていないでしょうに。

投稿: tokuko | 2007-06-29 22:52

ある掲示板の情報によれば、妊婦は「妊娠中毒」の兆候を示したことは、経過
中に1度も無かったようです。いわゆる<つわり>がひどかったようで、点滴を
受けています。05年12月下旬、当該病院を受診、06年正月前後~2月まで
嘔吐が強く、点滴を受けています。06年7月にも<ひどい嘔吐>を訴えたよう
です。夫はこの「嘔吐」を「妊娠中毒症」と曲解していたかも知れません。

ご希望が有れば、ある掲示板の投稿をまとめてありますので、添付ファイルに
してお送りしますので、メールを頂ければ幸いです。

妊娠高血圧症候群(旧・妊娠中毒症)
Pregnancy-induced Hypertension:PIH
妊娠20週以降に起こる高血圧、タンパク尿を特徴とする病気です。原因は
不明ですが、妊娠の5~10%に出現し、いまなお母体死亡や周産期死亡の
主要な原因の1つであることから妊婦にとって重要な病気といえます。

従来、「妊娠中毒症」と呼ばれていましたが、日本産科婦人科学会により、
2005年4月より「妊娠高血圧症候群」と名称が変更になり、同時に妊娠中
毒症の3主徴と呼ばれていた高血圧、タンパク尿、浮腫のうち、浮腫が省
かれることになりました。
http://health.yahoo.co.jp/katei/bin/detail?sc=ST190090&dn=2 

投稿: Nebula202 | 2007-06-30 10:47

>「妊娠41週目の30歳を超えた初産の妊婦が自分で運転して病院に行くのが、当たり前なのか」

当たり前ではないと思います。私の妻の場合、臨月が近づくにつれて車の運転は控えさせていました。
さすがに妊娠40周超えての妊婦自身による車の運転はマズイでしょう。

これはご主人の出産に対するご認識が当時どのようなものであったかを確認できる事実です。
我が国では医師達の努力により出産時のリスクが低くなっているが故に、陣痛等の苦痛はともかく、死に至るような事態は発生しないであろうといった誤った認識が一般的であると思います。
かつては私も同じ認識であったことを反省する次第です。

投稿: 一県民 | 2007-06-30 10:48

ていうか、ご主人が今お住まいの三郷町から大淀町って
車で1時間は余裕でかかるんですけど。

>気がつけば何度も何度もある場所へと向かってしまう

ような場所なんでしょうか…。

…産婦さんのご実家って大淀町でしたっけ?

投稿: ただの(ry | 2007-06-30 19:20

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