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2007-06-25

典故に悩む

現在、身体上の制約で図書館に行けないものだから、典故を調べるのに支障がある。いくら中国が人海戦術で多くの書物をデジタル化しているからといって、人間の目による書冊体のブラウズは必要なのである。
『五行大義』で、いくつか悩む。『後漢書』には出てくるのだが、経書に関する記述なので、
 その前
がある筈だ。今回は
 ちょうどいいのがありませんでした
といって次回を期している。地の文ではないところなので、悩みは深い。前漢以前の諸子で出てくるといいんだけどな。
六朝期の書物は、残っているものもあれば、佚してしまったものもある。要するに、モザイクにもならないくらい、断片があちこちに散らばっているわけで、それのどれがオリジナルで、どれが更に遡れるものなのかを決めるのは、気合いと直感である。ともかくも、怪しいという匂いを感じたら、ひたすら探す。
蕭吉がそんなに文章家だとは思えないからな。絶対に
 基づくところがあった
と思われるフレーズを、一つ一つ潰していくのが、典故調べという作業だ。

それにしても、
 『五行大義』所引の柳世隆『亀経』
は謎が深いな。そもそも『新唐書』芸文志にある巻数と『南斉書』の伝に見える『亀経秘要』(もしくは『亀経』『秘要』だけど)の巻数が合わない。
『五行大義』で『亀経』とだけ言って引用されている書物を、そのまま
 柳世隆の『亀経』
と同定してイイかも謎だ。もういっぺん、ちゃんと調べないとなあ。
ここまでに出てきた
 柳世隆の『亀経』
も、ただの
 『亀経』
も、時代から言って、亀卜の書物であるとは考えにくく、では
 亀経という名を冠された書物の意味
をもう一度、洗い出さないといけない。

『新唐書』芸文志って、信用できるの?
そっちの方がだんだん心配になってきた。
もうちょっと時代は早いけど唐代(武周を含む)の経録を精査したことがあって、その時は
 定評ある経録でも間違いは結構ある
だった。目の前に現物がある大蔵経の著録でも、おやおやと思うような間違いだらけなのだ。
ましてや、戦乱の時代を隔てた『新唐書』の芸文志となると、どの程度現物を見てるのか、そこら辺からもう一度やらないとダメね。加えて、『亀経』なぞ、『新唐書』編纂の時代には、過去の遺物かも知れず、図書目録の中でも、一番粗略に扱われる類だ。『日本国見在書目録』もそうだけど、目録作成者やその目録を写した人たちが、その書目に関心がなければ、字は間違えるは、中身は取り違えるは、えらいことになる。
後世の人間は、失われた書物に関する断片的な情報をつなぎ合わせて、元の書物が一体どんなものであったのかを見るわけだけど、書目の方が間違ってると、基本情報の登録ミスみたいなもんだから、混乱する。
年金の加入記録と違って、1000年前の書目に記載漏れや字の間違いがあったって、現実に生きている誰かが不利益を被る訳じゃないのが、平和ではあるのだが。

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コメント

こんにちは。はじめまして。
新唐書の芸文志は、おっしゃるように信用しすぎは禁物だと思います。
なぜなら、新唐志は、現物が実際には無くても、それ以前の書目に書いてあれば、その書名を記載しているからです。(実物を見ていないのに記録してるわけです)
ですから新唐書芸文志に書名が残るからといって、宋の初期にその書が残っていたかどうかは怪しいと思われます。

日本国見在書目録も、類書に引用されているという理由で書名を挙げているものがあるらしい(これは私は未確認で、教授の説を拝借しただけですのであしからず・・・)ので、出来れば、東大の史料編纂所などのDBの平安遺文などで、その書を実際に読んだという随筆や日記的なものが残っているか確認をすると、より信頼性が高くなるかと思います。

「日本国見在書目録」で検索していたら辿り着き、蛇足ながらコメントさせていただきました。どうでもいい話ですみません・・・

投稿: coffeekudasai | 2008-07-02 23:06

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