「太湖ビール」は「藻の味」 そんな昔話さえ吹き飛ばす中国の水質汚濁
中国で
安全な水
を確保するのは、結構大変だ。去年の9月に中朝国境で調査をしたときには
デフォルトで水が茶色い
というのを経験した。水道の蛇口をひねると
麦茶色の水が出る
のだ。他に水がないから、それを沸かして飲んでいた。もちろん、シャワーや歯磨きもそれだ。
それでも、まだそこは水質のいい地域である。
以前、南京大学に留学していた恩師は
南京には「太湖ビール」がありましてね、これが「藻の味」がするんですけど、「太湖ビール」を飲むと「ああ、南京に帰ってきた」って気分がしました
と仰っていたのだが、そんな暢気な話が通用しない
太湖の水質汚濁
の話。福島香織記者の記事だ。
iza!より。
「ラーメン臭くて食えん」怒りが中国を動かした
06/05 22:47■アオコ異常発生…悪質企業3176社を閉鎖
中国国家環境保護総局の張力軍副局長は世界環境デーの5日、昨年、工業廃水など企業活動に起因する公害事件が2万8000件にのぼり、悪質な3176社を閉鎖したと発表した。最近、江蘇省(こうそしょう)無錫市(むしゃくし)の観光名所・太湖(たいこ)で起きたアオコの異常発生も工業廃水が原因とされ、企業側の関心の低さが環境対策を進める上で大きな障害である実態が浮き彫りになっている。張副局長は記者会見で太湖のアオコ異常発生に触れ、「人的要因も非常に重要だ。昨年、測定された太湖の窒素、リン濃度は10年前に比べると1・5~2倍になっている」と指摘した。さらに「江蘇省に対し太湖流域で今後、窒素やリンを垂れ流している工場の建設申請を受け付けないよう要求した」と述べた。
先月下旬、太湖を水源とする無錫市の水道水が異臭を放つようになり、市民の間でパニックが起きた。
「歯を磨くだけでえずく」「レストランのラーメンが臭くて食べられない」といった苦情がインターネットの掲示板にあふれ、市当局にも原因の問い合わせが殺到した。5元(1元は約15円)だった桶(おけ)の飲料水が50元に高騰する騒ぎになった。
江蘇省のシンボルである太湖は、琵琶湖の約3倍、中国で3番目の大きさを誇る淡水湖だ。ここ数年、工業廃水の流入が増え、窒素、リン濃度が上昇するなど湖の富栄養化が進んだ。今年は特に酸性雨が多く気温も高かったため、アオコが異常発生した。
現地からの報道によると、太湖流域には300社以上の汚染原因企業が集中しており、その中には染料、メッキ、製薬工場が含まれている。長江の水を太湖に流し込む“対症療法”で今のところアオコの発生は落ち着いているが、市民の怒りは収まらない。このため、無錫市は6月の水道代を半額にするという。
張副局長の説明では、中国は汚染原因企業に対する取り締まりを強化しており、昨年は全国72万社を捜査し、2万8000件の公害事件を立件した。このうち悪質な3176社を閉鎖させ、5701社を“懸念企業”に指定して監視下に置いている。しかし、地方政府にとって企業誘致は税収増の早道であり、企業の環境対策については大目に見がちだ。
非政府組織・汚染被害者援助センターの許可祝教授は「中国では、汚水処理施設を備えていながら実際は運用コストが高いといって使わない企業があるくらいだ。多くの企業が汚染対策より金もうけを優先させている。汚染原因企業には巨額賠償金を支払わせる住民公害訴訟の手法を定着させることが、企業の意識改革につながる」と警鐘を鳴らしている。(北京 福島香織)
水が不味いから、水道代半額という発想が
ああ中国
だ。
ま〜、太湖に注がれている長江の水だって、激しく汚染されているわけで、
南京では長江で釣った魚は食べてはいけない
という警告が出されている。つまり
泥水を雑巾水で薄めた
というのが、太湖の水質の現状といって良いだろう。
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