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2007-07-02

「マスコミたらい回し」とは?(その83) 奈良県南部の産科を崩壊させ、「お産難民」が和歌山に向かう原因を作った毎日新聞 知らぬ顔で、奈良県南部の「お産難民」受け入れ先の「新宮市立医療センターの産科医不足」を記事に

以前、tera2005先生にご教示いただいき、和歌山県の地域の医療センターである
 新宮市立医療センターの産科休止
については、記事を書いたことがある。
 2007-04-30 「マスコミたらい回し」とは?(その47) 「看護記録」だけで医療記事が書けると判断したのは毎日新聞奈良支局か? 信じられない初期取材のミステーク 大淀病院産科休止の煽りで、周産期医療を担ってきた新宮市立医療センターは産科休止 紀伊半島南部の産科はほぼ壊滅しかかる
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/04/47_c32d.html

該当する箇所を引用しておく。


そして
 この杜撰としか言いようがない取材体制によって、大淀病院の産科が閉鎖され、その余波は現在、和歌山にもおよび、三重県を含む紀伊半島南部では産科崩壊は目前に迫っている
のだ。
この件については、tera2005先生から前の記事にコメントをいただいた。再掲する。

産科医療が壊滅したのは「佐賀県の面積に等しい奈良県の60%を占める南部」だけではありません。大淀病院のあおりを受け、新宮市立医療センターも奈良医大からの派遣医が引き揚げられ廃止です。奈良県、三重県、和歌山県にまたがる紀伊半島南部の産科が壊滅しかかっています

tera2005先生のご教示の通り、新宮市立医療センターでは、今年10月以降、産科が休止される。


婦人科
※ 平成19年10月1日以降の分娩予約については、休止させていただきますので、
   ご了承をお願いいたします。
    なお、妊婦検診及び婦人科は、従前どおり診療を継続させていただきます。

新宮市立医療センターは、紀南地域の拠点病院として、周産期医療を担ってきた病院である。


診療科紹介 産婦人科
【診療科】
   下記の如く一般的な産婦人科医療を行っています。
   産科関係におきましては、現在のところ母体側ハイリスク因子に関し、妊娠35週、児体
  重2000gをもって、当医療センターでの周産期管理を行っています。胎児疾患に関して
  は、他病院にお願いをしています。
(以下略)

これまで35週の早産、2000gまでの低体重出生児に関しては、新宮市立医療センターが扱ってきたのだが、それもできなくなる。
(中略)
昔と違い、
 小さく産まれる赤ちゃんが増えている
のだ。その趨勢があるところへ2000gまでの赤ちゃんを入院させてくれていた新宮市立医療センターの産科休止の影響は大きい。
杜撰な取材による誤報が、大淀病院の産科閉鎖を導き、その煽りを受けて、紀南地域の妊産婦は危機に瀕している。すぐにかかれる産科がない、急変しても病院が近くにないという状況は、毎日新聞奈良支局が作り出した
 報道被害
である。

で、この
 毎日新聞奈良支局と大阪本社が引き金を引いた、奈良県南部の産科絶滅による奈良県以南の「産科ドミノ倒し」がもたらした「新宮市立医療センターの産科休止」
について、毎日新聞和歌山支局は、
 自分たちの責任は棚に上げて「論評」
している。
7/1付毎日新聞和歌山版より。


紀州ジグザグ:新宮市立医療センター産婦人科医不足 迫られる医療の再構築 /和歌山

 ◇厚労省の派遣は半年
 ◇医大、民間病院、同窓会など多方面へ情報収集 市は医師確保に全力

 産婦人科医不足で10月から出産の取り扱いを中止する方針だった新宮市立医療センター(三木一仁病院長)に、厚生労働省が産婦人科医1人を緊急派遣することが決まった。医師確保の要望活動をしていた市や女性団体などは「活動が実を結んだ」と歓迎。だが、不安が完全に解消したわけではない。約半年とされる派遣期間終了後の見通しは不透明だからだ。市民は、市をはじめ行政の早急な医療体制の再構築を求めている。【神門稔】

 新宮市役所近くの保育園。子どもを迎えにきた同市緑ケ丘、主婦、稗田葉子さん(34)は、7月に3人目を出産予定で、市医療センターへ定期検診に通う。「医師確保が決まったことはうれしい。産むのを先延ばしした人もあったと聞いていましたから」と、安堵(あんど)した様子で話した。
 同センターは、市内だけでなく東牟婁郡、三重・奈良県南部など紀伊半島南部の中核病院として役割は大きい。那智勝浦町立温泉病院は、産婦人科医はいるが、出産は取り扱っていない。
 今年2月、同センターは、産婦人科医が1人になる10月以降の出産取り扱い中止を発表。危機感を抱いた市は、4月10日に江川忠雄収入役を座長にした「新宮市地域医療庁内連絡会」を設置。医師確保に向け本腰を入れている。
 市長、病院長は、県、大学病院、近隣首長への対応を、連絡会は情報収集などと役割を分担した活動をそれぞれ実施。連絡会によると、これまでに岐阜大、奈良県立医大、大阪府内の民間病院などを訪問した。面会回数は70回を数えた。
 一方、情報収集は多方面にわたり実施。地元出身者とその友人、親せきに医師や医大生がいないか、元校長、新宮高校同窓会を通じた医師探しに手を尽くす。市職員全員には文書で「地縁、血縁の中で医師確保につながる情報があれば、ささいなものでも結構です」と提供を呼びかけている。
 医師の確保には、医師の勤務環境の改善や医療リスクに対する支援体制の確立が不可欠。連絡会は、派遣期間後を見すえ、組織は解散せず、これまでの取り組みを継続する考えだ。
 厚生労働省によると、派遣医師に内定したのは中尾愃仁(けんじ)さん(62)。同センターは、給与、住宅など条件面の協議を進める一方、10月以降の出産予約を近く始める。

毎日新聞 2007年7月1日

あ〜
 あくまで他人事
ですな、毎日新聞。

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コメント

tera2005です(ここでは、[天の川日記]にあわせNebula202と改名させて頂きました)

もう、四半世紀以上も新宮には足を踏み入れていないのですが、当時の新宮市民病院の院長先生が手術が上手だと言うことで、何回か教えて頂きました。院長は京都大学のご出身で、消化器外科も脳外科も(そのほかの手術も)こなされ、それがまた素晴らしい手術だと言うことなので、教えて頂いたのですが、術衣をつけただけで「上手」と言うのが判る雰囲気をお持ちでしたし、実際、腕前も素晴らしかったです。病院と市民を愛しておられ、京都から和歌山の田舎に来られたことを嘆いておられる雰囲気は毫も感じられませんでした。市長も院長とは仲良し(院長が市長選に出れば勝つだろうと言われていたそうです)で、病院の運営は問題がなかったと聞いていました。医局には顔を出さなかったため、医師の出身大学は細かくは聞きませんでしたが、三重大学が多かった印象を受けました。

新宮の町は独特な雰囲気を持っていました。江戸時代には、熊野の材木を江戸に運んでいたおかげで、江戸の文化に親しんでいたので、今でも東京に親しみを感じる住民が多いと聞きましたが、そう言う「意識」が、和歌山を頼らない雰囲気を醸し出したのでしょうか?新宮は世耕弘成・参議院議員の地元でもあり、近畿大学の副理事長も兼任している議員としては、近畿大学に余裕があれば派遣も可能なのでしょうが、分院を大阪と奈良に設置したあとなので人員不足なのでしょう。

外科部長は三重大学のご出身のようですが、内科部長は近畿大学→三重大学に入局され、昭和63年から勤務されていたのに、19年6月を持って退職される(開業or引き継がれるのでしょうか?)とWebサイトに出ているので、更に医師不足が進行するのではないかと危惧しています。新宮市立医療センターは新宮市だけではなく、紀伊半島南部の中核病院なので、地域医療が守られることを願っています。

投稿: Nebula202 | 2007-07-02 04:30

おはようございます。
>市職員全員には文書で「地縁、血縁の中で医師確保につながる情報があれば、ささいなものでも結構です」と提供を呼びかけている。
どこかで聞いたことのあるフレーズだと思い調べてみたら、
>「親戚(しんせき)・友人・知人等に求職中の内科医師がおられましたなら、情報提供をお願いします」
http://mytown.asahi.com/osaka/news.php?k_id=28000270706190001
阪南市立病院の内科休診問題のニュースにありました。やること、言うことはどこも一緒って事で。

投稿: mosriteowner | 2007-07-02 05:46

http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/de6e88e4450036810c61d7a1a2b4c51b
世耕弘成・参議院議員について調べると面白いですねぇ。

投稿: 通りすがり・・・ | 2007-07-04 17:53

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