首都圏医療崩壊 都立広尾病院の夜間・休日ERの常勤医および麻酔科医の数は足りているのか
昨日の続き。
どうも整合性がとれているのかよくわからないので、識者のご教示をお願いしたいのだが、都立広尾病院には
救命救急センター(常勤医 外科3/内科3 非常勤2)
の他に
夜間・休日専門のER
が設置されている。
東京ER・広尾「東京ER・広尾」の開設に伴って「救急診療科」が新設され、救命救急センターとともに新たな組織「総合救急診療科」として、都民の安心・安全のために初期から三次までの救急患者に対応します。
「救急診療科」は夜間・休日の当直時間帯を中心に、専任の内科系・外科系・小児科の計3名の当直医師により、それぞれの分野の初期と二次救急患者の初療を担当します。
「救急診療科」は一般の診療ではなく、救急診療が対象となるために、治療は応急処置が中心であり、症状に応じて診察の順番が入れ替わることがあります。また、専門的な治療の継続が必要な場合でも、病床の状況によっては転院していただく場合もありますが、必要時には11専門系列および、救命救急センターの当直医師がバックアップし、様々な救急患者に対応しつつ、かつ高い医療水準を提供できるように運営されています。
ところで、上記の
専任の内科系・外科系・小児科の計3名の当直医師
の「専任」って、この文脈だと
ER専任の医師
かとおもえば、現在
ER専任医師は2名(外科1/小児科1)
なので、救命救急センターからヒトをまかなってもらっている、ってことだろうな。
すると、都立広尾病院のERでの体制は
ER専任2名+救急救命センターの医師(常勤内科3/外科3+非常勤2)から当直
で回してるってコトか?
平成17年度の「東京消防庁ホットライン収容症例数」実績は
要請総数 1325
不応需 97
収容患者数 1228
消防署ホットライン数 1096
離島ヘリ 132
受け入れ率 92.7%
だった。昨年度の実績はまだ上がっていない。
で、よくわからないのが
麻酔医の数
で、ERの説明では次のようになっている。
緊急手術も麻酔医が2名当直し、夜間2系列手術が可能です。
現在、広尾病院に在籍する常勤麻酔医数は、5名だ。
一方、
平成17年度の手術件数は
総数 3281
眼科 432
耳鼻科 21
皮膚科 6
歯科 78
で、眼科〜歯科の手術の中には、麻酔医が必要ない手術もあるだろうから、概数で500例は麻酔科の関与がなかったとしても
2700件ほどの手術に麻酔科が関与した
ことになるだろう。
現在の5名という常勤医で2700件を回すと1人540件で、結構な数になる。
これに
夜間二人の麻酔科当直
を入れると、いったい麻酔科はどうやって回しているのか不明。非常勤麻酔科医なしでは、回らないと思われるのだが?書いてないだけ?
都立広尾病院の「手術実績」も「救急受け入れ実績」も平成17年度のものであり、現在とは病院のスタッフ陣容は違うかも知れないのだが。
詳しい方がいらっしゃいましたら、ご教示いただければと存じます。
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コメント
回答にならないと思うのですが、とりあえず、基本的な事を書かせて頂きます。
1.救命救急センターは3次救急を受け持ちます。
<P病院救命救急センター>と言う「救命救急センター」があれば、設置はP病院、都道府県、
地域(都道府県)医師会になり、予算など別会計です。厚生労働省からの補助もあります。
運営がP病院に委託されています。(事務管理職には都道府県からの出向もある)
2.東京ER広尾
ERの日本語訳が「緊急救命室」で、「救命救急」と紛らわしいのですが、これは1次と2次を
扱う単なる「救急室」になると思います。
3.専属当直
通常の「当直」は入院患者に対応するためのものですが、この場合は「入院患者を診ない、外
来患者のみを診る当直」の意味なんでしょうね。労働基準法違反ですが、東京都は石原知事
が「病院の赤字は(傲慢な)医者が働かないから」と思いこんでいるので、役所を挙げて、医者
いじめに専念しています。参考↓
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/4444/surf12.html
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/4444/surf21.html
4.麻酔科医の数について
ご指摘の通り、全く理解できません。よくご存知の方が投稿して下さるか、病院に直接電話し
て聞いてみる以外にないですね。
投稿: Nebula202 | 2007-07-11 04:33
眼科 432件のほかに循環器科1,036件とあります。
これはおそらくアンギオ室での麻酔科の関与しないインターベンションでしょう。
これも差し引いて考えないといけません。
投稿: mtm | 2007-07-12 14:36