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2007-07-17

新潟県中越沖地震 インフラ寸断で医療に支障

今回の地震で、被災された方にお見舞い申し上げます。亡くなられた方の人数が少しずつ増え、心が痛みます。
おけがをされた方、体調を崩された方におかれましては、どうか一日も早く回復されますようお祈りしております。

ところで、救急搬送された病院が
 電気や水道が使えない
のは、非常に難しい状況だ。
毎日新聞より。


中越沖地震:水が足りない 患者の食事もピンチ 病院会見

 新潟県柏崎市の刈羽郡総合病院では午後9時半から渡辺悦郎事務長が記者会見し、「水が止まっているため病院のトイレが全く使えない」と話した。同病院は仮設トイレ20基を敷地内の駐車場などに設置して対応しているが、「明日、給水の手配が出来るかも分からない状況だ。昼までは病院のタンクの水で医療機器の洗浄などは何とかなるが、このままだと、それ以降は厳しい」と述べた。
 また、被災者24人を含む約300人の入院患者について、「17日の朝食は確保しているが、昼食以降の分については市などに協力を要請しているところだ」と話した。また、同病院で17日に人工透析の予定だった患者53人は十日町市や小千谷市の病院で透析治療を行うことにしているが、安否の確認を含めて53人全員とは連絡が取れておらず、引き続き連絡を取るをするという。

毎日新聞 2007年7月17日 1時56分

水がないと消毒が出来ない。透析はもちろん難しい。
今回は、微生物にとっては絶好の環境である梅雨時の地震だ。
トイレで排泄物が溢れる状態は、病院にとっては、一番避けたい。

搬送の状況。
河北新報から。


もう駄目かと思った 搬送、転送懸命の治療 新潟

 「けが人が多すぎて対応しきれない」。新潟県内の病院には16日、地震による負傷者が殺到し、医師や看護師らは処置や入院患者の安全確保、問い合わせ対応などに追われた。

 200人以上のけが人であふれた新潟県柏崎市の刈羽郡総合病院。消防が玄関前にテントを設置して患者のけがの程度を判断し、1階の臨時診察室で医師らが治療に当たった。「身内が行方不明なんです。確認させて」と搬送患者に駆け寄り、制止される男性も。地震直後から夕方まで停電し自家発電に切り替えたが、手術や電気を大量に使う治療が必要な患者は他の病院に転送。通院の透析患者は別の病院に行ってもらうことを決めた。

 50人以上を受け入れた柏崎中央病院には「重傷者を優先させていただきます」の張り紙も。「植木の手入れ中に脚立から落ち、救急車を呼んだが3時間過ぎても来ないので、自分で車を運転してきた」と話す男性は1人で歩くのもままならず、待機していた消防隊員らに運ばれていった。

 病院1階の待合室では長いすの上に棚から崩れ落ちた無数のカルテが積まれ、約20人の被災者がテレビを食い入るように見ていた。近くに住む吉田ヒサエさん(57)は「揺れもすごかったが、ゴーという地鳴りがとても怖かった。一人暮らしで助からないと思ったが、近所の人に助けられた」と包帯を巻いた手足をさすりながら話した。

 上越市の上越総合病院でも地震発生直後、玄関ホールにベッドを出し、救急車で続々と搬送される負傷者の治療に当たった。男性職員は「柏崎市の病院に収容できないけが人を多く受け入れているが、スペースも人手も足りない」と嘆いた。
(中略)

◎東北各地からも救援隊

 16日に発生した新潟県中越沖地震で、救援活動や医療活動を支援する応援要員が、東北から続々と被災地の新潟県内に派遣された。

 消防庁の出動要請を受け、仙台市消防局は職員12人を市消防ヘリコプター1機、車両2台とともに現地へ向かわせた。福島県消防防災航空センターの隊員6人も、陸路で被災地に入った。

 東北6県と北海道、新潟県の防災協定に基づき、幹事県の福島は、必要な援助物資などの情報を収集するため、新潟県災害対策本部に職員2人を送った。

 医療関係では、国立病院機構の災害派遣医療チーム(DMAT)に参加する仙台医療センター(仙台市宮城野区)の医師、看護師ら6人が長岡市入り。山形県内からは、県立中央病院(山形市)と公立置賜総合病院(川西町)の医師や看護師ら計10人が柏崎市に派遣された。福島県からは県DMAT4班、計20人が現地に出発した。

 東北大地震・噴火予知研究観測センターの研究者らも被災地に向かい、震源域を中心に地震計10台を設置。今後設置する予定の海底地震計と合わせ、余震の観測データを約1カ月間集め、震源域の地下構造を調査する。
(以下略)

刈羽郡総合病院は、かなりしんどい状態ですね。病院前でトリアージを施していたのをニュースで見た。そうしないと、重傷者の手当ができない。
医療機器があっても、水も電気も足りないのでは、使えないのだ。
復旧にはまだ時間がかかると聞く。災害医療の難しさを今回もまた突きつけられている。

続き。(12:32)
柏崎中央病院では消毒が出来ないため、手術室が閉鎖された。
朝日より。


手術室に器具散乱し閉鎖、急患は別施設に 柏崎中央病院
2007年07月17日08時41分

 次々と地震による負傷者が運び込まれた新潟県柏崎市の柏崎中央病院。地震で玄関先のタイルは割れ、患者のものと思われる血痕が点々と残っていた。

 事務室の棚はすべて倒れ、持ち出されたカルテが待合室の長いすに山積みに。エレベーターは止まり、医師や看護師らは5階建ての病院内を階段で行き交っていた。

 手術室は、器具が散乱し、消毒もできなくなり、閉鎖した。緊急手術が必要な患者には別の病院を目指してもらった

 医師は応援組を含めて最大で7人。16日午後11時までに患者75人を診察し、うち9人が入院した。夜が更けても、避難所や近所から軽傷者や気分が悪くなった人たちが徒歩や車で次々に訪れていた

 診療の応援に来た村山信行・厚生連魚沼病院副院長(64)によれば、割れたガラスで足を切った人が最も多かったという。

 同病院は前回の中越地震で、現場での医療の中心となった。その教訓から発生直後に応援医師の派遣を決め、計20人を刈羽郡総合病院と柏崎中央病院に向かわせたという。村山副院長は「中越地震では1カ月近く診察・治療が続いた。今回も何週間か応援が必要だろう」と話した。

一番被害の大きなところでは、応急手当しかできない状態になる。
厚生連魚沼病院の先生方にはおつかれさまです。災害医療の応援は大変かと思いますが、よろしくお願いします。

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» 余力がないということ。 [ふか&もけ]
   前回の中越震災の時にはわたしも赤十字病院にて研修していたため派遣されたのですが。  あの時は大変でした。    でまぁ、巡回先のssd’s Diaryのコメント欄より。  派遣要請があったも 手術日程の調整が出来ず待機のままのDMAT隊員です。 crashで赤タグの様です。現場治療が優先されます。医療機関(DMAT)は居なかったのでしょう。搬出できても赤タグは被災地内医療機関で透析までの治療を要求するのは無理ですから、SCU作って 後方広域搬送です。(誰でも後方搬送できるわけで... [続きを読む]

受信: 2007-07-19 03:42

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