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2007-07-19

新潟県中越沖地震 柏崎刈羽原発の変圧器出火は地盤沈下が原因

今朝の大阪版朝日のトップ記事。新聞には
 柏崎刈羽原発の敷地が地盤沈下で波打っている写真
が掲載されていたのだが、webには上がっていない。


原発変圧器、地盤沈下で出火 土の上に建設、傾く
2007年07月19日06時07分

 新潟県中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原子力発電所3号機の建屋脇の変圧器で発生した火災は、地震で変圧器周辺が地盤沈下し、変圧器内にある電気を流す銅帯が周辺の金属と接触したために発生した可能性が高いことが、新潟県の調査などで分かった。東電と結ぶ安全協定に基づいて県が現地調査をして確認した。この地盤沈下によって地下の消火設備も損壊し、消火活動ができなくなった可能性もあるという。

 原子炉やタービンが収納されている建屋は、国の指針で固い地盤の上に建てるよう定められているが、付帯施設にはそこまでの耐震性は求められていない。大きな地震にあった場合は変圧器などの一般設備の損傷や出火よりも原子炉の安全確保を最優先に考えているためだが、消火体制などの不備があれば、想定外の被害に発展する可能性が浮かび上がった。

 建屋内で作られた電気はケーブルを通じて変圧器内に送られる。県によると、岩盤の上に直接建屋を建てる際に、周囲の土はいったん取り除かれ、建設後に再び埋め戻された。今回火災が発生した変圧器とケーブルを支える橋脚は、建屋周辺の軟弱な地盤の上に建設されていた。

 今回の地震では、想定の倍以上の揺れが観測され、ケーブルを支える橋脚部分が地面に沈み込んだ変圧器内では、電気を通す銅帯が、直接触れない形で金属に覆われているケーブルが傾いたことでこの銅帯と金属が接触。ショートして火花が出るか、金属が高温になり、変圧器内の絶縁油に引火し、火災が起きた可能性が高いという。

 ケーブルを支える橋脚の下には消火栓の水道管が通っていたが、沈み込んだ橋脚の重さで圧迫されて損壊し、水圧が低下するなど初期消火活動に影響を与えた可能性もあるという。

 県は「東電側が15人くらいのチームで原因などを調査中と聞いている。時間がかかるようであれば、今後は専門家の意見を聞きながら、どう対応していくかを決めたい」としている。

ま〜、被覆のない金属がむき出しになってるわけだから、
 位置がずれたら、簡単にショート
するわな。
昨日、NHK7時のニュースで、ちらっと
 内部は滅茶苦茶になっていて
というようなことを東電の勝俣社長が口にしていた。
 変圧器の地盤が沈下したなら、他の部分はどれだけ悲惨な状況だ?
と思うわけだが、今のところ東電は詳しい被害状況を発表してない。
てか
 たった15人で調査
って、
 全貌を把握するまでに一体どのくらい時間がかかるのか
謎なんですが。

出るはずのない放射性物質が排気となって外に出ているのは
 燃料棒など内部に損傷があるからではないか
と疑問を持たれている。
7/18付東京新聞より。


【関連】『危険性を過小評価』 燃料棒破損の疑いも
2007年7月18日 夕刊

 新潟県中越沖地震を受け、柏崎刈羽原発の直下に断層がある可能性を認めた東京電力。広報部は「設計時に今回の規模の地震は想定していなかった」と説明するが、専門家からは「国や東電の見立ては甘い」と指摘する声が上がる。東海地震の想定震源域の真上に立つ浜岡原発(静岡県御前崎市)を運転する中部電力は「安全性は確保されている」としている。
 京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子力工学)は「今回の事故で、国の安全審査や(断層は地震の原因にならないとした)東京高裁の判断は、危険性を過小に評価していたことが証明された」と指摘。「耐震設計にできるだけ費用を掛けたくないのが電力会社側の論理。そこに危険性を過小に見積もる余地がある」と話す。
 今中助教は「今回はヨウ素が大気中に放出されており、炉心内部にある燃料棒の破損が想定される。配管のひびや、制御系回りのトラブルが発見される恐れもある」と分析する。
 一方、地震で受けるダメージが国内で最大規模になると想定される中部電力浜岡原発。中部電は国の新しい原発耐震指針に照らし、今年一月に国に報告した安全性評価で「問題となる活断層は発見されなかった」と結論付けた。
 しかし、地元の感情などに配慮し、二〇〇五年十二月から自主的に配管の補強や地盤改良などの耐震性向上工事を開始。
 東海地震の想定地震動を従来の六〇〇ガルから一〇〇〇ガルに引き上げ、中央防災会議が想定する同地震の揺れ(三九五ガル)の二、三倍の揺れにも耐えられるよう二〇一〇年度までに全五基で工事を終える予定だ。

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