そこらにある書物
いや〜、びっくりした。
加藤純章『経量部の研究』1989 春秋社
って、
そこらにある書物
だと思っていたら、京大には所蔵がなくてショック。なぜないかという理由は大体分かるが。予算執行が遅いので、買いそびれたというのがたぶん一番真実に近そうだ。
一番近場は、龍谷大学大宮図書館だけど
禁帯出
なので、直接見に行かなくてはいけない。その前に
身分証と資料利用依頼書
が必要だ。資料利用依頼書はどこから出してもらうのが一番早いかな。
普通のありふれた書物だと思っていたから、これには驚いた。大学の所蔵一覧を見ても、NIIで18件しか引っかからない。出身大学の東大にもないみたい(単にNIIに登録してないだけかも知れないけど)。ある意味凄い。
東大学内OPACを引いてみても、やっぱり『経量部の研究』はない。『大智度論』の科研報告書は収蔵されてるのに、これは一体何?
だって、『経量部の研究』って、東大で学位を取った後に、学位論文を出版したものじゃないの?
謎すぎる。
続き。
先輩に聞いたら
あ〜、あれ、オレも持ってないんだ
とのこと。
評判が良くて、あっという間に売り切れ。部数が少なかったみたいだし、再版してない。
頼むよ、春秋社。再版掛けてよ。
ある程度の年齢以上の研究者だと、たぶん著者から贈呈されているから、別段図書館になくてもいいや、というありがちなパターンで
東大と京大に収蔵されてない
わけですな。89年だと、ちょうど
昭和23年組
と呼ばれる
旧制高校出身、旧制・新制大学ごちゃまぜ
の教官が退官した年で、89年春の図書購入時期はまだ混乱があったはず。この書籍は
1989年2月20日
に出ているので、88年、すなわち昭和63年度分の図書予算を使い切った研究室が年度末購入を諦め、新年度の始まる4月以降に購入手続きを取ろうとしても、版元品切れ再版なしで売り切れていたんだろうな。
仏教論理学を研究するための基本図書なのに
大学にあまり所蔵されてない
という、ちょっとかわいそうな書籍だ。
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