「よつ葉バター」信仰@関西→追記あり
昨日の吉村医院でお産をして亡くなった赤ちゃんの父親は、玄米弁当の店を営んでいる。
で、
よつ葉バター使用のデザート
という文言が書いてあった。
北海道で生まれ育った人間にとっては
なぜよつ葉バター?
なのだ。
これは常々不思議に思っている。関西に来てから、
自然食の野菜宅配などをやっているグループ
には
関西よつ葉連絡会
とか、
北海道のよつ葉乳業の製品を扱うことを主眼していたグループ
が多い。
よつ葉乳業は
いくつかある北海道の農協が共同で酪農製品を製造・販売する会社
から始まった。だから最初は
北海道協同乳業(1967)
と言った。協同乳業が「よつ葉乳業」と名前を変えたのが1969年で、
よつ葉3.4牛乳
を札幌でも売り始めた。
その頃の酪農家は
雪印のいうがまま
に乳価を決められ、市販される牛乳は成分調整をして
薄くて、まずい
と言われていた。ところが、
よつ葉3.4牛乳
は、そうした大メーカの利潤追求をはねのけた
乳脂肪分3.4%以上(JASでは乳脂肪分3.0%以上なら「牛乳」)
の牛乳を売った。味の違いは歴然で、よつ葉3.4牛乳は瞬く間に、スーパーの売れ筋No.1となったのだった。
もっとも、だからといって
よつ葉乳業の製品がベスト
ではない。北海道には小規模経営のもっと品質の良い乳製品を製造している乳業会社はある。だから、関西に来たとき
何が何でも「よつ葉」の製品
と言われたとき、くらくらした。要するに
市民運動で「安全な食品」の宅配をする場合に、需要にこたえられる適当な生産力があったのが「よつ葉乳業」
ということで、半分以上は
イメージ戦略にやられてるだけ
だと思う。
従って
関西の自然食の店
が
よつ葉乳業の製品を使っている
といわれた段階で、パスだ。
北海道に限っても、もっといい牛乳もバターもある。単に、関西の消費者の道産品に対する無知を利用して、
「安心な食品」を適当な値段で折り合って使っているというエクスキューズ
でしかないから、本当に品物を見抜く目があるわけではないのだ。
ついでに言っておくと、
よつ葉よりもおいしい牛乳で、値段も似たような牛乳
というのも、北海道にはある。生産環境もそんなに違わない。札幌の実家では、よつ葉牛乳は飲まなくなって久しい。
おまけ。
自民党町村派(旧森派)の領袖マッチーの実家筋は
町村農場
を経営している。ここはちょっと高い
牧場ブランド乳製品
を生産している。最近は以前より流通してるみたいだ。規模を大きくしたのかな。オンラインショップもある。
まちむら農場オンラインショップ
東京にショップも開いたようだ。新丸ビル内にある。
町村農場 丸の内 〜新丸ビル〜
道外は送料が高いので、気軽に味見できないのが難。関西でもデパートやいかりスーパーで売ってるけど、奈良からだと電車賃が
町村農場直売の送料1200円
より安くならないからな〜。ちなみに
特選牛乳260円(1000ml/紙パック)
と、そんなにむちゃくちゃ高くない。パスチャライズかどうかは不明。
一応
牧草を食べてる乳牛の牛乳を農場内のミルクプラントで製造
の筈。
(追記 7/17 1:10)
スパム避けのせいで、直接コメントが付けられないということで、可愛さんからメールを頂いた。
一部勘違いしているようなので、コメントさせていただきます。
よつ葉乳業は、ホクレンが経営している会社です。
昭和41年に指定生乳生産者団体の制度ができた際に、一番乳質の良い十勝をホクレンで独占し、これを売ろうとできたのが、北海道協同乳業株式会社です。
指定生乳生産者団体とは、生乳を集めて販売する組織のことで、北海道では、ホクレンが該当します。それまでは、農家や各農協なんかが、直接乳業会社と契約していました。よつ葉ができた時に、その他の乳業会社は工場を閉鎖させられたりして、その地域から追い出されました。
だから、乳質が日本で一番良い=乳脂肪分が一番高い生乳で作られた牛乳だから、美味しいのは当然ともいえるかな?それはさておき、ここ数年で起きたよつ葉乳業の不祥事は関西では問題になっていないのですかね?
市販した牛乳中から大腸菌群が見つかってどうしようも無くなって、関東の工場を閉鎖したりしてますよ。(←今調べたら6年前でした。)
可愛さん、ありがとうございます。
うちで「よつ葉牛乳」を買っていたのは、近所にあったホクレンのスーパーでした。
で、北海道協同乳業との関係については、
よつ葉乳業 会社情報
から引用したモノです。この会社情報だとホクレンとの関係が分かりにくかったのです。(ホクレンの牛乳が「よつ葉」だと思っていたのですが、こちらから読み方が悪くて、トレースできませんでした)
可愛さんご指摘の
よつ葉の大腸菌事件
は、これ。
お知らせこのたび、弊社千葉工場にて製造いたしました
「北海道酪農の里根室3.7牛乳(1,000ml)」
平成13年6月3日製造(品質保持期限6月10日)
平成13年6月4日製造(品質保持期限6月11日)
につきまして、東京都の収去検査の結果、大腸菌群が検出されたことから食品衛生法違反として平成13年6月13日付で当該製品の回収及び廃棄に関わる行政処分を受けました。処分の内容を真摯に受け止め、謹んでお詫び申し上げますと共に、衛生管理の徹底を図り、全社を挙げて安全・安心な製品供給に努めて参ります。
尚、弊社が製造いたしました牛乳製品につきましては、成分等の一括表示欄に製造者として必ず製造工場が明記されておりますが、
よつ葉乳業株式会社 十勝主管工場・根釧工場・東京工場・八千代工場の表示がある製品につきましては、製造工場が異なりますので、安心してお召し上がりください。
また、よつ葉乳業株式会社 千葉工場 の表示がある製品につきましても、回収・廃棄の対象となりました製品以外につきましては、安全性が確認されております。
今後、衛生環境の保全に全力を尽くし、信頼の回復に努めて参りますので何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
現在、当該製品をお持ちの方は、品質保持期限を過ぎておりますので、絶対に飲用なさらないよう、お願い申し上げます。
問い合わせ先:よつ葉乳業株式会社
フリーダイヤル 0120−428−841
平成13年6月16日
よつ葉乳業株式会社
代表取締役社長 田 中 幸 輝
どういう訳か、関西の「よつ葉信仰」は相変わらず続いている。
わたしは乳製品は殺菌時間の短いが好きだし、なるべく近い産地から運んだ方がいいと思っているので、運送時間のために、消費期限の短い北海道からの牛乳を飲むよりは、近場の生産者のパスチャライズ牛乳を選ぶけど。
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コメント
う~ん、雪印の二の舞にならないかしらね。
心配です。ブランド化しなくたって
地産地消でいいじゃんかと思いますが>よつば
(帯広出身者)
投稿: 脳外科見習い | 2007-08-28 19:42