新収『撰進一千年記念 醫心方』医心方一千年記念会(順天堂大学医学史研究室) 昭和61年(非売品)
先日、『医心方』研究班で坂出祥伸先生からご教示いただいた資料。
千葉の古書店・草古堂から入手。送料込みで790円と格安。後から見るように、790円でこんな凄い論文が掲載されている書物が手に入ってしまうのだから、ありがたい。
『医心方』は永観2(984)年、丹波康順によって、撰述され、朝廷に献じられた。それから1000年目にあたる昭和59(1984)年、日本医史学会が中心となり、10月10日に京都・今熊野観音寺に
医心方撰進一千年記念顕彰碑を建立
し、丹波康順の功績をたたえ、併せて記念講演会が開かれた。
その時の記念講演会をまとめたのが
『撰進一千年記念 医心方』
である。
主な内容は次の通り。
宗田一 日本医学のあゆみ
矢数道明 江戸医学における『医心方』の影写と校刻事業の経緯
三迫初男 中国古代医学と医心方
馬 継興 『医心方』中的古医学文献初探
最後の馬継興論文がともかく凄い。なにせ、『医心方』を博捜して、
204種の先行する医学文献から1万880条を引用した
と結論づけている。というわけで、『医心方』のみならず古代中国医学にちょっとでも関心があるなら、必読の論文である。
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