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2007-08-28

NHK総合 プロフェッショナル 命の神秘によりそって@8/28 22:00-22:45

半世紀ほど前のこと、その当時60歳を超えたある助産師さんは
 プロのお産婆さん
だった。戦後すぐ京大の助産婦学校を出たその助産師さんは、自宅出産が中心だった京都府北部の街(現在病院が崩壊して有名な街でもある)で多くの赤ちゃんを取り上げ、病院出産がほとんどとなった1980年代には
 訪問沐浴など
が業務の中心だった。1ヶ月検診までの毎日、新生児の沐浴にやってきて、赤ちゃんの身体に生えた産毛(新生児には結構な体毛が生えている)やさかんな新陳代謝で日々たまる垢を落とし、あわせて赤ちゃんの体調やおかあさんの状態をチェックし、何か問題があれば、病院の受診を勧める。
街には、親子二代を取り上げてもらい、三代目は沐浴のお世話になっている家もあった。

こうした
 取り上げた赤ちゃんの数が多い、プロの助産師さん
というのは、すでに滅びた。
いま60代の助産師さんは
 病院出産が中心となった時代の助産師
だ。自宅出産の経験の絶対数は、いわゆる
 お産婆さんという名称を誇りとしていた世代
と比較すると、微々たる物だ。
年間、病院で一人の産科医が扱う出産数は
 100件以上
で、忙しい病院であれば
 200件を超える
のが現状だ。産科医の過労が問題になる所以である。医学部卒業後10年経たないと
 1人前になれない
と言われる医師だが、年平均100-200件の出産を扱っているとすると
 34歳の医師(現役合格で卒業、その後10年の経験)で1000件〜2000件のお産の経験がある
ということになる。30年経験があれば、最低でもその3倍だが、経験30年のベテラン医師であれば、出生数の関係で、たぶん扱っているお産の数はもっと多いだろう。

さて。こうした
 医師の平均的な出産の取り扱い数
をふまえた上で、今夜放送されるNHK「プロフェッショナル」の予告を読むと、とっても不安。


第60回 2007年8月28日 放送予定

命の神秘によりそって
〜助産師・神谷整子〜

深刻な産婦人科医不足の中、今、活躍が期待されているのが、出産の介助をする「助産師」だ。最前線のお産の現場に立つ助産師達のなかでも、第一人者の一人として注目を集めているのが神谷整子、54歳。30年のキャリアを持ち、取り上げた子どもは自宅分娩(ぶんべん)だけで600人を数える。最新の助産術に加え、伝統的なやり方を大事にしている。神谷は妊婦に対して、とにかく厳しい。“自然なお産”を求め、訪れる女性たちに、産むことは命がけのものだと諭す。助産師、神谷は、五感、中でも自らの「手」を使って、妊婦、そして胎児の状況を判断する。体を触ることで、冷え、不眠など、妊婦の体の変調を素早く見抜き、アドバイスをしていく。「体は必ず何かサインを出す。分かろうとして、体をみれば分かる」と神谷は言う。神谷の仕事は、出産の介助だけでは終わらない。出産後、子育てという過酷な仕事に立ち向かわねばならない母親に寄り添い、24時間相談に乗る。助産師の仕事を、神谷は、母親の人生の「伴走者」だと語る。この6月、神谷は、自宅での初産を希望する妊婦と出産にのぞむ。不安を抱く妊婦をどうリードし、出産に導くか。ところが、出産当日、予期せぬ出来事が起きた。命の誕生に向き合う助産師、神谷整子の仕事の流儀に迫る。

この
 30年で自宅出産600件
というのは
 一年平均 20件
 一ヶ月平均 1.7件(2件に満たない)
という数字だ。これはとてもではないけれども
 「自宅出産の経験が豊かだった世代」から見ると「経験の絶対数が足りない」
ということになる。というか
 この経験数で「自宅出産のエキスパート」を名乗るのは恥ずかしい
と思うのではないか。
「プロフェッショナル」という番組は、いつ見ても感心しないのだが、今日の助産師さんの回は、いつにもまして不安を感じる。
生で見るのは耐え難い予感がするので、録画しておこう。

だいたい、NHKは
 30年前の「一般的な認識」がいまでも「生きている」
と勘違いしてるのではないのか。
 おばあちゃんの知恵
は、
 多産多死の自宅出産世代の知恵
であり
 病院出産で生涯に2-3人しか子供を産んでない現在の70代
には、当てはまらない。場合によっては
 80歳を超えていても、子どもは1人だった
ということもある。子育ての経験は1人で1つの性の子どもしか知らなければ、
 経験豊かなおばあちゃん
というのは単なる「幻想」だということがわかる。
同じことが
 経験豊かな助産師
という惹句にも言えるわけで、
 21世紀の現在、戦後のベビーブームの自宅出産を支えた助産師さんはすでに引退している
のだ。いま自宅出産を取る50-60代の助産師さんは
 その後の世代で、自宅出産を取り上げた経験の絶対数は少ない
という事実を、どうしても隠蔽したいらしい。

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