ゲランと漢方
フランスの香水・化粧品会社ゲランはこの頃
オーキデ
という蘭を商品イメージにした基礎化粧品を展開している。ゲランの香水には
ミツコ
サムサラ(サンスクリットのサンサーラ=輪廻からつけられた名前 叶姉妹の恭子さんが愛用)
なんてのもあり、昔から東洋系や東洋風の香を扱ってきた会社でもある。ここのポリシーは
天然香料
である。基礎化粧品やファンデーションにも薔薇とか菫の香りをつけている。
主力商品の「オーキデ・アンペリアル・クリーム」の成分表示が面白い。
ダイズ粉加水分解物
アフリカマンゴノキ核脂
コムギタンパク
シアノチスアラクノイデア根エキス
シャクヤク根エキス
オーキッドエキス
菱亜鉛鉱抽出物
ブラジルナッツノキエキス
ビワ葉エキス
マイカ
酸化チタン
酸化鉄
(成分表示順に抜粋)
『医心方』でも処方されている芍薬や枇杷の葉などの植物成分に、マイカ(雲母)など伝統的な鉱物の基剤・補助剤を使っている。
さすがに、アフリカマンゴノキとかブラジルナッツノキは『医心方』には出てこない筈。
凄く長い名前の「シアノティス・アラクノイデア」の属名は「キアノティス」と読んだ方がよさそうなんだけど、化粧品関係のサイトでは「シアノティス」と読みがなを振っている。
キアノティス・アラクノイデア標本(中国名 紫背鹿銜草)
キアノティス・アラクノイデアの写真@台湾
写真を見ると、外観は
日本のムラサキツユクサ
に似ている。キアノティスとはツユクサ科のキアノティス属で和名では
アラゲツユクサ属
になる。長い毛を伴う多肉植物というのが特徴らしい。化粧品で使うのは根だけど。
ゲランのオーキデは、成分表示を見る限り、
オーキデ
と言う割りには、蘭から抽出した成分は、キアノティス・アラクノイデアや芍薬に比べると少ない。ま〜
パッケージが露草や芍薬
よりも
白い洋蘭(オーキデのパッケージには白いカトレアが描かれている)
の方がインパクト高いし、
高級そうに見える
という、イメージ戦略って感じではあるな。
ちなみに、このオーキデシリーズは、そうでなくても高価なゲランの化粧品のラインにあって、
とっても高い部類
だ。「オーキデ・アンペリアル・クリーム」は、一ヶ月半で一瓶使う勘定だそうで、
日本国内の税込み価格は一瓶52500円也
である。世界中で
日本で一番売れている
んだとか。
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