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2007-08-09

ゲランと漢方

フランスの香水・化粧品会社ゲランはこの頃
 オーキデ
という蘭を商品イメージにした基礎化粧品を展開している。ゲランの香水には
 ミツコ
 サムサラ(サンスクリットのサンサーラ=輪廻からつけられた名前 叶姉妹の恭子さんが愛用)
なんてのもあり、昔から東洋系や東洋風の香を扱ってきた会社でもある。ここのポリシーは
 天然香料
である。基礎化粧品やファンデーションにも薔薇とか菫の香りをつけている。
主力商品の「オーキデ・アンペリアル・クリーム」の成分表示が面白い。
 ダイズ粉加水分解物
 アフリカマンゴノキ核脂
 コムギタンパク
 シアノチスアラクノイデア根エキス
 シャクヤク根エキス
 オーキッドエキス
 菱亜鉛鉱抽出物
 ブラジルナッツノキエキス
 ビワ葉エキス
 マイカ
 酸化チタン
 酸化鉄
(成分表示順に抜粋)
『医心方』でも処方されている芍薬や枇杷の葉などの植物成分に、マイカ(雲母)など伝統的な鉱物の基剤・補助剤を使っている。
さすがに、アフリカマンゴノキとかブラジルナッツノキは『医心方』には出てこない筈。

凄く長い名前の「シアノティス・アラクノイデア」の属名は「キアノティス」と読んだ方がよさそうなんだけど、化粧品関係のサイトでは「シアノティス」と読みがなを振っている。
キアノティス・アラクノイデア標本(中国名 紫背鹿銜草)

キアノティス・アラクノイデアの写真@台湾
写真を見ると、外観は
 日本のムラサキツユクサ
に似ている。キアノティスとはツユクサ科のキアノティス属で和名では
 アラゲツユクサ属
になる。長い毛を伴う多肉植物というのが特徴らしい。化粧品で使うのは根だけど。

ゲランのオーキデは、成分表示を見る限り、
 オーキデ
と言う割りには、蘭から抽出した成分は、キアノティス・アラクノイデアや芍薬に比べると少ない。ま〜
 パッケージが露草や芍薬
よりも
 白い洋蘭(オーキデのパッケージには白いカトレアが描かれている)
の方がインパクト高いし、
 高級そうに見える
という、イメージ戦略って感じではあるな。

ちなみに、このオーキデシリーズは、そうでなくても高価なゲランの化粧品のラインにあって、
 とっても高い部類
だ。「オーキデ・アンペリアル・クリーム」は、一ヶ月半で一瓶使う勘定だそうで、
 日本国内の税込み価格は一瓶52500円也
である。世界中で
 日本で一番売れている
んだとか。
 

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