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2007-09-03

「マスコミたらい回し」とは?(その99)大淀病院産婦死亡事例の誤報を垂れ流し、奈良県南部の産科を絶滅させ、奈良高槻妊婦搬送問題では、苛酷な勤務を強いられていた奈良県立医大産婦人科教室に「余力があった」と報道した毎日新聞、社説で「訴訟で産科閉鎖相次ぐ」誰が大淀病院産科を潰したのか

奈良高槻妊婦搬送問題で、最後まで社説を載せてなかった毎日が、今朝の社説で取り上げた。
 盗人猛々しい
とは、文字通り、この社説のようなモノをいうのである。
2007-09-02 「マスコミたらい回し」とは?(その98)大淀病院産婦死亡事例民事裁判記録 「脳出血で除脳硬直」の患者さんが運ばれてきたら?→裁判記録で毎日新聞奈良支局第一報の「内科医がCTを撮るよう進言」が誤報であることも明白に
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/09/98ct_4d90.html
で指摘したように
 毎日新聞奈良支局が大淀病院産婦死亡事例の第一報で「青木絵美・林由紀子」両記者の署名で出した記事

 内科医がCTを撮るように進言したというのは誤報
であることは
 大淀病院産婦死亡事例民事裁判記録からも明らか
であるのに
 今に至るまで、毎日新聞は一切の訂正も謝罪もしていない
のである。
大淀病院産婦死亡事例でメディアスクラムがかかった要因の一つに
 CTさえ撮っていれば助かった
という医学的に明らかに誤った主張があり、それがテレビなどで垂れ流され、大淀病院の医療スタッフが
 脳内出血も見抜けない
といろんな場で非難されたことは記憶に新しい。これが
 報道被害
でなかったら、なんだろう?
報道機関として許されない誤報の放置が
 大淀病院産科の閉鎖
を招いたと言ってもいいだろう。
そして
 奈良高槻妊婦搬送問題
では、
 奈良支局の中村敦茂記者

 次々と緊急患者を受け入れていた奈良県立医大には余力があった
という暴論を展開している。


奈良妊婦死産:最初要請の病院 受け入れに余力

 奈良県橿原市の妊婦(38)の胎児が救急搬送中に死亡した問題で、橿原消防署(中和広域消防組合)から最初に妊婦の受け入れを要請された県立医科大学付属病院(同市四条町)が、要請から約2時間のうちに、他の2人の妊婦を救急搬送で受け入れていたことが県の調べで分かった。病院に受け入れの余力がありながら、消防とのコミュニケーションの不備などで結果的にこの妊婦の受け入れができなかった。
 一方、大阪府警高槻署の調べで、この妊婦は妊娠24週(7カ月)で、胎児は胎内で死亡していたことが分かった。流産は22週未満で胎児が死亡する場合を指し、このケースは死産に相当する。病名は不詳。
 県によると、28日夜の同病院の産婦人科当直医は2人。1人は帝王切開手術後の患者の経過観察でつきっきりとなっていた。受け入れは、もう1人の当直医が対応した。
 消防から死産した妊婦の受け入れ要請がきた1分前の29日午前2時54分に別の妊婦が来院。通常分娩(ぶんべん)の患者で、同医大をかかりつけにしていた。このため、要請の連絡を病院の事務から受けた医師は「診察中のため後にしてほしい」と回答。事務員は「患者が入り、手術になるかもしれない」と消防に伝え、消防側は「断られた」と認識した。県の聞き取り調査に、医師は「断るつもりではなかった」と話している。
 一方、約30分後の午前3時32分。新たに同医大をかかりつけにしていた妊婦が、破水。この時点で産婦人科の病床は一つ空いていたため、入院した。さらに午前4時ごろ、近くの医院から、分娩後、大量出血した妊婦を搬送したいと要請があり、受け入れを決めた。
 この連絡の直後、死産した妊婦の受け入れ先が見つからなかった橿原消防から2度目の要請があった。事務員が「別の医院からの電話を医師につないだところ」と答えると、電話が切れた。大量出血した妊婦は午前5時ごろ医大病院に到着。産科の病床が満床だったため、他の科の病床で受け入れた。
 橿原消防からの3度目の搬送要請は、緊急度の最も高い3次救急に対応する同医大の救急救命センターに寄せられた。時刻は不明。センターの医師が症状を聞き取り、「全身状態が悪くない」と判断、2次医療機関で対応してほしいと断ったという。センターには一般病床で4床の空きがあった。
 結果的に、死産した妊婦は大阪府高槻市に搬送されることになり、その途中の午前5時9分、軽乗用車との接触事故に巻き込まれた。
【中村敦茂】

毎日新聞 2007年8月30日 23時57分

この記事のひどいところは
 救急搬送には「命のトリアージ」が行われる
 予約分娩は優先される
という二つの産科救急の原則を全く無視し
 救急要請があれば、目の前に死にそうな患者がいても、処置を中止して、新たな「産科未受診の妊娠月数もはっきりしない高リスク妊婦を産科初診しつつ、救急対応しろ」
と言っていることだ。いかに暴論であるのかは、以下にすでに述べた。
2007-08-31「マスコミたらい回し」とは?(その95)奈良県立医大産婦人科教室からの正式コメント
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/08/95_6d40.html
中村敦茂記者は、奈良局の記者であり、当然上記奈良県立医大産婦人科教室のアナウンスも取材しているはずだが、8/30付の暴論を載せた後に、まったく訂正記事を載せる気配はないし、この
 受け入れに余力
という記事は、今でも毎日新聞のwebに残されたままである。
 報道による奈良県立医大産婦人科教室へのリンチ
と言っていいだろう。

その毎日の今朝の社説がこれだ。
 恥知らず
というのは、こういう文章を平然と新聞の顔である社説に載せてしまうことを言うのだ。


社説:妊婦死産 救急医療体制の穴をふさげ
 奈良県で腹痛を訴えた妊婦が、受け入れ病院探しに時間がかかった末、救急車内で死産した。同県では1年前にも同じような経緯で妊婦が出産後に死亡している。行政も医療現場も、命を代償に得た教訓をどこまで真剣に受け止めたのか。批判は免れない。国全体で、安全で安心して子供を産める体制づくりに取り組む時である。
 国は都道府県に、リスクの大きい周産期の母体や胎児・新生児の高度医療を担う総合周産期母子医療センターを、今年度中に設置するよう求めている。センターは、受け入れ可能な医療機関探しの中核にもなる。奈良県は昨年の事故後に設置を決めたが、開設は来年5月までずれ込む。
 奈良県立医大付属病院など2病院が転送先を探す独自の周産期医療ネットワークはすでに存在する。しかし、医療機関からの依頼が前提で、今回のように救急からの問い合わせは想定していなかった。病院内の連絡が不十分だったため、受け入れ可能な病院が断っていたケースもあった。
 命を託す「119番」通報が役に立たないのではどうなるのか。こうしたシステムの不備や体制作りの遅れが悲劇の再発を招いたことを真摯(しんし)に受け止めるべきだ。
 奈良県は毎年、産科の緊急患者の30〜40%を県外搬送し、特に隣接する大阪府に大きく依存している。だが、産科救急システムは連動していない。改めて、自治体と病院・救急が協力して現行制度の欠陥を洗い出し、広域連携の強化や病院と救急の連絡方法の見直しを急がなければならない。
 こういった危険な状況は奈良県だけの問題ではない。受け入れ先が見つからずに搬送が遅れるという事態は、大都市も含め全国で常態化している。背景にあるのが、深刻な医師不足だ。
 産科医は全国で04年までの10年間に7%減少した。深夜の勤務や呼び出しが当たり前という厳しい労働環境に加え、医療過誤で訴えられるケースも多いのが大きな要因だ。これに伴い、産科を廃止する病院が相次ぎ、高度医療が可能な中核病院で普通分娩(ぶんべん)が増え、緊急時の受け入れができないという悪循環が生じている。

 国は、医学部定員の抑制策を見直すとともに、医師の待遇改善にも取り組むべきだ。医療事故が起きた場合の補償について、医師や病院の負担軽減の手立てを考えることも必要である。
 厚生労働省は来年度予算の概算要求で、勤務医の負担軽減など医師不足対策に、前年度比73%増の160億円を計上した。診療報酬の改定でも、勤務医の負担軽減や救急、産科、小児科への重点配分をたたき台として示している。
 ことは日本の将来にかかわる。社会保障費の抑制という財政再建策とは相反するが、十分に議論を重ね、国民的合意のうえで実現させてほしい。
 医療の安全・安心を確保するには、身近に「お医者さん」がいるという本来の姿を取り戻すことが一番望ましいのではないか。
毎日新聞 2007年9月3日 0時14分

まさかと思いますが
 受け入れ可能な病院が断っていたケース=奈良県立医大病院
のことですか?毎日新聞論説委員。

奈良県では、医療現場は情報を県に提供しているのに、県側が
 医療の改善に興味を持ってない
というのが真相だ。
 平城遷都1300年記念イベントや道路建設には熱心
だが、肝心の県民の生命には関心が薄いのは、柿本善也前知事も荒井正吾現知事も同じだ。荒井知事は、奈良高槻妊婦搬送問題が起きたその日に
 平城宮跡に国の予算が付いた
ことを何より喜んでいた元運輸官僚の知事である。このことは毎日新聞奈良支局が報じている。


平城宮跡:国営公園化実現へ 来年度から都城建築復元−−奈良 /奈良

 ◇国交省・概算要求盛り込み
 国土交通省の概算要求に29日、事業費が盛り込まれたことで、平城宮跡(奈良市)の国営公園化は実現に近づいた。予算が認められれば、来年度から奈良時代の都城建築の復元が始まる。知事選の公約にしていた荒井正吾知事は定例会見で「本県の最重点課題に応えていただき、感激している」と喜びを語った。
(以下略)

【中村敦茂】
毎日新聞 2007年8月30日

ここでも
 中村敦茂記者
が書いている。とすると、
 中村敦茂記者は「奈良県知事のご機嫌を取り結び、県から見れば下部組織である奈良県立医大を叩く」立場にある
ということだな。

毎日新聞が、奈良県の医療側の努力を県当局が疎略に扱っているという事実を無視して
 医療側に問題があるかのような言辞を弄する
のは、
 最前線で赤ちゃんとおかあさんの二つ以上の命のために戦っている医師の心を折る、許されざる言語テロ
である。今、こうした心ない報道に傷ついた一人産科医が去れば、またたくまに100-200人の妊産婦が主治医を失うのだ。
そして、そうした言語テロを平気で行っておいて
 医師不足が深刻だ
とは、何を考えているのか。

毎日新聞は自らの誤った報道が、日本中の最前線にたつ産科医の心を折り、若手医師のみならず、一番現場で頼りにされるベテラン医師が次々と現場を去っている事実を、認識していない。
すでに、多くの医師が現場を去り、日本中で安心してお産ができる地域というのは、極めて少なくなっている。
産科医の献身的な、労基法違反の労働によって、日本の産科医療は支えられている事実を、毎日は相変わらず無視し、「受け入れに余力」などという暴論をwebに掲載し続け、今日尚「医療は批判を免れない」「深刻な医師不足」と厚顔無恥の「言語テロ」を社説で垂れ流している。
報道機関として、そしてペンを持つ論説委員は人間として、恥ずかしくないのか。

今後、日本の産科医の間では、大淀病院産婦死亡事例の第一報を書いた
 青木絵美・林由紀子記者
と併せて
 中村敦茂記者
の名は
 産科医の敵
として、長く記憶されるだろう。産科だけではない。
 後から二人受け入れたから「余力があった」
という非難は
 すべての高次救急医療に携わる医療スタッフへのいわれなき非難
である。
 中村敦茂記者は救急医療の敵
でもあるのだ。
奈良支局は、いつまで
 医療に関する誤報を垂れ流す
ことに血道を上げるのか。それとも
 日本の医療を破壊する毎日新聞奈良支局
として、世界に名を馳せたいのか。

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コメント

穴をふさげ、と言われちゃうと、
どこかの童話か何かで、子供が夜中に堤防の穴を見つけて、
(堤防の穴が広がると決壊して、海の底に沈んじゃうような海抜以下の街で)
子供が何も塞ぐものがなかったから腕をつっこんで、そのまま死んでしまった話をおもいだしますo(^-^)o..。*♡

イメージとしては、穴のなかに頭つっこんでぴちぴちしている
産科医の軍団でしょうか~。あ~嫌な社説です(笑)。

投稿: 僻地の産科医 | 2007-09-03 12:41

北海道新聞社説
妊婦救急搬送 悲劇を繰り返さぬため(9月3日)
>http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/47159.html

 奈良県橿原市の妊婦(38)が救急搬送途中に救急車の中で死産した。十一カ所の病院で「処置中」などとして受け入れてもらえず、最後に大阪の病院に着いたのは119番通報から三時間後だった。

 奈良県では一年前、出産途中に意識不明になった女性が十九カ所の病院に転送を断られ、八日後に死亡した。

 県は再発防止のために医療体制の拡充を図ってきたが、「たらい回し」の末の悲劇が繰り返されたのは残念だ。


 橿原市の女性は妊娠六カ月だったが産婦人科にかかっていなかった。

 転送システムは今回のような患者は想定しておらず、せっかくの機能を生かせなかった。さまざまな患者に対応できるよう見直しが必要だろう。


医師不足による救急患者のたらい回しは全国どこでも起こり得る問題だ。

 北海道は広く、地方では病院と病院の距離が離れている。受け入れ拒否がないよう、しっかり対応してほしい。

投稿: いかいか | 2007-09-03 17:03

舛添厚労相に、妊婦搬送システムで支援要請 奈良知事
http://www.asahi.com/life/update/0903/OSK200709030057.html
こんな記事でてました。
知事は県内で出産させることを諦めたらしい。
ほかの県にはいい迷惑です。

投稿: teitoku | 2007-09-04 00:13

千葉西総合病院 院長 三角和雄のブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/misumi_kazuo/49221135.html
http://blogs.yahoo.co.jp/misumi_kazuo/49146916.html

なかなか香ばしいブログです
これほど性善説・無教養に溢れた医師ブログも珍しいのではないかと思われます
それを指摘したコメントも全消去と、アー聞こえないwまるでガキ
是非ともトラバかけて頂けると有り難いです

投稿: 774 | 2007-09-04 08:57

↓えっと消したわけじゃないみたいです。読みにくいけど読めます。
http://blogs.yahoo.co.jp/misumi_kazuo/49146901.html#49233845

投稿: 通りすがり・・・ | 2007-09-04 22:07

朝日の記事、奈良県が昨年の時点で検証もしなかったのは、当時の少子化特命相だった山本(通称:高市)が国の方でなんとかしてくれると思ってたのかなあ・・・

投稿: miskij | 2007-09-05 02:36

いつも拝見させていただいております。
J-castでこんな記事を見つけました。

http://www.j-cast.com/2007/09/03010907.html

J-castって何系のメディアなんでしょうか・・・。

投稿: Miya | 2007-09-05 09:15

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