嫦娥、月へ行く
中国の月探査衛星「嫦娥1号」が本日打ち上げ。今のところ、順調だ。
例によって、産経新聞の福島香織記者のレポートが面白い。
北京趣聞博客 嫦娥1号打ち上げ速報!?
http://fukushimak.iza.ne.jp/blog/entry/361726/
是非、ご一読を。
特に、このあたりにご注目を。
■嫦娥計画とは、中国初の月探査計画です。嫦娥とは中国の伝説上の月の女神の名前からとりました。■目的は、はっきりいって月資源です。同時に米国、ロシアにつぐ宇宙大国の地位を確立して、軍事利用も考えて、同時に胡錦涛政権2期目スタートを盛り上げようというねらいもあります。いずれは、アポロみたいに月面に中国人が五星紅旗をたてられたら、いいなあ、と考えているようです。そのとき星条旗がなかったら、世界中がびっくりですね~。
(略)■嫦娥計画が生まれるまで、道のりをご紹介しましょう。
嫦娥1号の制作費は約2億元かかりました。プロジェクトとしては14億元の国家予算が投じられました。中国1の金持ちの若干26歳の女性の個人資産ですら1300億元ありますから、中国の金持ちがポケットマネーで作れる額ですね。農民一人の年収は3600元ほどですけど。(19:35)(略)
■この嫦娥1号計画は4+5、とも呼ばれました。4つの科学的任務、5つのプロセスを嫦娥1号が担っているという意味です。4つの任務とは1.月面の立体写真撮影、2.月面の特殊元素の分布図、3.ヘリウム3の埋蔵量観測4.地球と月の間の宇宙環境データの収集。ヘリウム3というのは、放射線なしの核融合燃料に最適なレアもの資源といわれ、今、世界中が虎視眈々とねらっているらしいです。中国、アフリカや南米の資源かこいこにあきたらず、月資源の囲い込みもねらっているようです。月はまだ、誰のものでもないですから、早くつばを付けた方が勝ち、という発想でしょうか(19:05)
相変わらず、福島節が冴えてますね〜。
おまけ。出典はいろいろあるけど、『捜神記』より。
羿請無死之藥於西王母、嫦娥竊之以奔月。將往、枚筮之於有黄。有黄占之曰「吉。翩翩歸妹、獨將西行。逢天晦芒、毋恐毋驚、後且大昌。」嫦娥遂託身於月、是為蟾蠩[虫諸]。
弓の名手羿の妻だった嫦娥が、夫が西王母からもらった不老不死の薬を盗んで、月に逃げた。月面に「ヒキガエル」の絵が描かれることがある(対になる太陽には三本足の烏を描く)けど、これが、月に逃げた嫦娥の現在の姿だ、というのが、中国で長く伝えられるお話。『捜神記』バージョンだと、逃げる前に占ってもらう、というのがヘンでおかしい。一応、逃げる前の嫦娥は美女だったとかいうのだが、月へ逃げたら、ヒキガエルになったというのもヘンだけど。
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