産科崩壊の立役者田村やよひ氏(その2)出身地静岡県の榛原総合病院で来年から分娩制限
2007-04-09 産科崩壊の立役者田村やよひ氏 女の敵は女 臨床の現場に二年半しかたたなかった看護師出身行政官が「看護師の内診禁止通達」の黒幕 出身高校のサイトで自慢→追記あり
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/04/post_6237.html
の続き。
たった二年半しか臨床経験のない看護師出身の行政官が看護師の内診禁止通達を出したと自慢
していたことを上記記事で紹介した。記事を書いた当時の4月には
静岡県立榛原高校サイトの「活躍する同窓生」
に、田村やよい氏の
自慢
が堂堂と掲載されていたのだが、いま見たら削除されていた。はて。
再掲しておく。
田村やよひ(高17回) 看護一筋40年
榛原高校を卒業して四十年が過ぎた。私たちは「団塊の世代」といわれて久しく、まもなく大量退職の時期を迎える。ところが私は今年の9月1日に、7年余りの厚生労働省医政局看護課長の職から国立看護大学長へと異動し、定年が5歳延びてしまった。少子化時代にもかかわらず、看護界では大学が増加し続けているため、60歳以降のんびりと暮らせるのは難しいだろうと感じてはいたものの、とうとう現実になってしまった。
中学・高校時代に描いていた将来の夢は、看護師、教師、遺伝の研究者などいろいろあったが、結局、看護の道を選んだ。一口に看護といってもその領域は広い。私は2年半の短い臨床看護を振り出しに、その後は筑波大学などで看護学教育・研究に長くかかわった。今後も看護大学での管理運営、教育研究が主な仕事なので、子どもの頃の夢は嶺域こそ違え、ほぼ実現できた。このような道を歩めたのも、担任であった大久保健直先生の 「東大の看護学校を受験したらどうか」 の一言があり、それが契機となって私の世界が拡げられたからだと感謝している。
ところで、唯一自分の将来像になかったのは、中央省庁での行政官の仕事だった。昭和40年ころの榛原では、このような仕事はイメージしにくいからやむをえない。今その仕事を離れて思うことは、何とやり甲斐のある面白い仕事だったか!ということだ。パワーのある国会議員や関係団体などと協力・調整をしながら、望ましい看護制度や質の高い看護を国民に提供する仕組みづくりに貢献できたと思っている。平成14年春には、驚いた人もいただろうが、一世紀近く使われた 「看護婦」の呼称が「看護師」に代わった。
この仕掛人の一人は私だ。また、平成16年の看護師や准看護師は産婦の内診をしてはいけないという通知は、一部の産科医からは今も恨まれているらしい。
今年6月には、保健師助産師看護師法の一部改正を含む医療制度改革関連法が国会で成立した。行政官としては、これを自分の最後の仕事にすると二年前から決めていた。いつどのように職業生涯を終えるかということは、とても重要な課題だが、また数年後に悩まなくてはならない状況を抱えてしまった今日この頃である。
この田村やよひ氏が自慢している
内診禁止通達が産科崩壊の原因の一つ
であることは、4月の記事で論じている。
さて、この田村やよひ氏の出身地である静岡県牧之原市にある
榛原総合病院が来年から分娩制限
だそうだ。原因は
産婦人科医と助産師不足
だという。
田村やよひ氏は、ご自分が看護師の利益代表として厚労省の政策に関与し、
日本中に「お産難民」を増加させることになった
ことについては、どうお考えなのか。そして
その影響が自分の出身地にも及び、これから生まれてくる赤ちゃんや、子どもを持とうとしている若いカップルの福祉を著しく阻害している
ということについても、何も思わないのだろうか。
看護師内診禁止通達が、榛原総合病院の窮状を招いている原因の一つ
だと思われる。
静岡新聞より。
分娩の上限、月50件 榛原総合病院が来年から予約制
2007/11/29牧之原市細江の榛原総合病院(茂庭将彦院長)は産婦人科の分娩(ぶんべん)取り扱いについて、来年1月から原則として毎月50件を上限とすることを決めた。市内の産婦人科診療所が年内で、分娩の取り扱いをやめる影響による患者数の増加に対応するため。妊娠初期に妊婦が分娩を予約する制度を導入する。
吉田町、牧之原、御前崎両市の榛南地域の産婦人科は同病院のみになる。同病院によると、榛南地域の分娩取り扱い件数の合計は昨年は年間約600件以上。島田、菊川、掛川各市など地域外から里帰り出産する妊婦も増加傾向にある。
榛原総合病院の産婦人科医師は茂庭院長を含めて4人。分娩を希望する妊婦は、妊娠20週までに同病院の外来受付などを通じて予約票を提出する。里帰り分娩をする妊婦は、家族が代理で提出することもできる。毎月、予約数が50件に達した時点で受け付けを終了する。ただし、予約がない患者でも、緊急性の高い場合は受け入れる。
産婦人科医師と助産師が確保された場合、制限は解除する。茂庭院長は「限られた医師の中で、計画立てて安全な分娩を守らなければならない。予約制の導入を理解していただきたい」と話した。
産婦人科の医師は4人で、助産師も足りない。
しかも
榛南地区では、榛原総合病院しか分娩できる病院がない
ということは、
見事に産科崩壊の様相を呈している
のである。月間の分娩制限50件、つまり年間600件を目途に、とは言っているけど、お産は予定が決まらないからね。
4人で365日を回す
のは、はっきり言ってオーバーワークになるだろう。問題は
予約してないが、緊急性の高い妊産婦受け入れ
で、これは数が読めない。一人の医師が1年で取り扱う適切なお産の数は
120件/年
だと言われているから、予約分娩だけで
150件/年
となり、これに
緊急搬送
が加わると、相当しんどい勤務態勢になる。もし、4人の産科の先生の内、お一人でも
病気やケガなどで、一時的に診療できなくなる状態
になると、
一気に産科機能が麻痺
してしまう恐れがあるのだ。
そもそも、
柳澤伯夫前厚労相の地元静岡は医療崩壊先進地域
である。そのことについては以下に。
2007-03-08 柳沢厚労相、「医師は診察してないときは働いてない」と失言 厚労相の地元の医療は崩壊のさなか 医師の倒閣計画は「安倍ちゃん、柳沢厚労相、小泉前首相の地元から医師逃散」
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