« 皮膚細胞から万能細胞を作った山中伸弥京大教授 厚労省の科学研究政策を斬る→政府は医学の革命となるかもしれないこの研究に迅速に経済的および人的支援を | トップページ | 博士残酷物語 研究開発人材の質量低下は当然 »

2007-11-21

皮膚細胞から万能細胞を作った山中伸弥京大教授(その2)元々は整形外科の臨床医から基礎医学へ 

いまNHKニュースウォッチ9に
 山中伸弥京大教授
が出演、インタビューに答えていたが、なかなかよい内容だった。
一番良かったのは
 なぜ、臨床医から基礎医学へ変わったのか
という質問への答えだった。だいたいの内容を要約してみる。


山中 わたしはスポーツをしていた頃、よくけがをしたので、恩返しのためにそういう患者さんを診ようと思って整形外科の医師になったのですが、実際に、整形外科に行ってみると、来られる患者さんは、スポーツでけがをしたという患者さんよりも、リューマチとか脊髄損傷とか、現在の医学では治療することが難しい患者さん達が多かったのです。それで、こうした患者さんが治るためには、基礎医学に進んだ方がいいのじゃないかと考えて、基礎医学に行きました。

確かに、
 基礎医学一直線
という印象ではなく
 あくまでも「患者さんの役に立つ基礎医学」
という立場の先生だ。受け答えも謙虚で、世界でトップクラスの研究者としては珍しいくらいの人物だと思う。
感動したのは


世界中で研究の競争が熾烈だということは、研究する側にとっては大変ですが、患者さんにしてみれば、5年かかると思っていた治療が3年あるいは2年で受けられる、よいことになります。

と、
 患者さんのための研究
という姿勢をはっきりと打ち出した言葉だ。
こうした答えを引き出したNHK GJ!
今後も是非
 クロ現で速報特集
 Nスペで詳細な特集
を組んで欲しい。ともかく
 世論を山中教授グループ支援
に持って行けるよう、健闘を祈る。

そして、是非、国は山中教授グループの研究を応援して欲しい。
山中教授グループとウィスコンシン大グループの万能細胞実験の成功を受けて
 今日、即座に厚い研究支援を約束したアメリカ
では、研究支援がなされる前の段階ですでに
 日本の10倍の研究費を投入している
らしいぞ。このまま、早急に支援することなく、いつも通りに放置していると
 日本がトップを走っていた筈の万能細胞の研究が、アメリカに成果も実用特許も全部持って行かれる
という、情けない状況になるのは間違いない。成功すれば、
 人類の健康の貢献するだけでなく、巨額の利益を生み出す研究
なのだから、日本政府はしっかりして欲しい。

|

« 皮膚細胞から万能細胞を作った山中伸弥京大教授 厚労省の科学研究政策を斬る→政府は医学の革命となるかもしれないこの研究に迅速に経済的および人的支援を | トップページ | 博士残酷物語 研究開発人材の質量低下は当然 »

コメント

> アメリカに成果も実用特許も全部持って行かれる

と、いうかもう手遅れですよね?
この先生も既にサンフランシスコの Gladstone Institutes
に「引き抜かれる」ことが決まっている↓
http://www.pbs.org/newshour/bb/health/july-dec07/stemcell_10-08.html
(米PBS Jim Lehrer NewsHour 10月8日付:日本の NHK BS1 でも火-金の午後2:15~放映されてる)

カリフルニア州では、ブッシュ政権がES幹細胞を使う研究に連邦予算の支出を認めない決定を変更しない方針であることから、
州が民間から「$3 billion」もの基金を集めて、連邦予算を
使わないでES幹細胞の研究を行わせるため、世界中から一流の研究者を破格の待遇で引っこ抜いてくるべく、Stanford を始めカリフォルニアの主要研究機関で激烈な競争になっている(競争はシカゴなど他州にも及んでいる)というのが主な内容。

> こうした答えを引き出したNHK GJ!
かどうか知らんが、「iPS細胞成功」のニュースが出る前に、
既に10月8日の時点でこの先生のことをトップで紹介している
PBSの方がジャーナリズムとしては何枚も上だと思うが。

wsasaki/from 京都

投稿: wsasaki | 2007-11-23 00:58

wsasaki先生、コメントありがとうございます。
Gladstone Institutesに関しては、「兼務」という話と「ラボの一部のスタッフを連れて出て行く」という話と両方ありますよね。日本でやりにくい幹細胞に関する研究を古巣(以前留学されていた)Gladstone Institutesでしている、という風に聞いていました。アメリカのメディアは「引き抜き」と書いているようですが、ご本人が否定されているとも。
http://www.frontier.kyoto-u.ac.jp/rc02/jyokyoju.html
もっとも、今後は、日本の研究環境がすごくよいワケではないので、また変わってくるかも知れないと危惧しています。
胚性幹細胞研究の倫理的側面に関しては、アメリカであれだけブッシュ&キリスト教保守派が文句を垂れていたわけで、その障壁が取り除かれるとなると、日本なんかより食いつきがいいのは当然だと思います。
NHKは褒めすぎですか?他のメディアがヘタレてますから、日本では、NHKに頑張ってもらわないと。

投稿: iori3 | 2007-11-23 02:18

恥ずかしながら、そのウィスコンシン大学にいながら(それこそアメリカ側のトムソン教授に近い友人もいながら)、このニュースを知りませんでした。ほとんどの日本のメディアだと「日米の2チームが」で終わってたので(ハーバードとかなら名前出るのでしょうが)、見過ごしてました。今さっき大学のページで確認したばかりです。さりげないところですが、天漢日乗さんのフェアな扱いに感謝します。
ちなみにトムソンの研究室は、連邦政府からのも含めてかなり資金を取ってきてるらしいです。(もしかするとよその研究室かもしれませんが)研究室でヘリまで持ってるらしいです。あと、動物実験も(専門じゃないのでよくわからんのですが)全米で最悪だと動物愛護団体から叩かれるくらい、いろいろやれるらしいので。もちろん州立ですし、左寄りの風土なので反対する市民もいるわけですが。

投稿: 通りすがり | 2007-11-23 13:51

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/109312/17146434

この記事へのトラックバック一覧です: 皮膚細胞から万能細胞を作った山中伸弥京大教授(その2)元々は整形外科の臨床医から基礎医学へ :

» 万能細胞(iPS細胞):科学の進歩とは [forrestal@回顧録]
■万能細胞研究の画期的な進歩である。今後の応用に期待したい。iPS細胞:ヒトの皮 [続きを読む]

受信: 2007-11-22 10:29

« 皮膚細胞から万能細胞を作った山中伸弥京大教授 厚労省の科学研究政策を斬る→政府は医学の革命となるかもしれないこの研究に迅速に経済的および人的支援を | トップページ | 博士残酷物語 研究開発人材の質量低下は当然 »