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2007-11-23

皮膚細胞から万能細胞を作った山中伸弥京大教授(その3)国・文科省が5年間で総額70億円の財政支援表明 70億は、任天堂山内溥会長が個人で京大病院整備に寄付した額と同額でNHK年間予算の1/100程度

山中伸弥京大教授のグループが研究を続けている
 皮膚細胞から万能細胞(iPS細胞)を作る研究
に対し、
 国・文科省が5年間で70億円の財政支援表明
だって。5年で70億って、14億/年ってことだけど、支援額としてはどうなんだろう。それだけでは足りない悪寒。
支援は文科省だけ? 医学研究の科研というと厚労省がメインだと思うんだけど、厚労省はどうするんだろう。
がんばれ、舛添厚労相。

だって
 70億
って、任天堂の山内溥会長が、京大病院に入院して、あまりのボロさに
 私財をぽんと拠出した額
と一緒ですよ、文科省。
 一企業の会長がポケットマネーから出せるお金と同額の研究費しか出ない
って、
 いくら緊縮財政下
とはいえ、
 文科省の70億だけでは渋りすぎで、アメリカの「大型研究支援」に討ち死に
するのでは、という悪い予感がする。研究費の規模で言えば
 B29の絨毯爆撃 vs. 少数の対空砲
くらいの差があるのではないか。厚労省からも研究費は出るだろうけど、もっと大きな枠で考えて、
 道路一本作る代わりに、その分の建設費を回してやれよ
と思うな。
 道路一本作るより、研究費を潤沢に投下して、研究速度を上げた方が、将来的に絶対に役に立つ技術
であるのは明らかなんだが、日本の政治家も官僚も、そのあたりのビジョンが全然ないのね。たぶん
 まだ全面的に成功してないし
とかいう、変なことを言ってる官僚がいると思われる。
いいか、政治家及び官僚諸兄姉よ、国民は
 Σ計画とかの糞研究にいくら国費を無駄遣いしたか
覚えているぞ。Σ計画に使った無駄金は
 1985-1995年までに250億円近く

 当時でも25億/年
になる。今だとどれだけの金額になるのか、ちょっと考えて欲しい物だ。
それに比べたら、山中教授グループの研究には、
 成功の可能性が遙かにある
ではないか。

5年の総額で70億ねえ。
 NHKの平成19年度の年間予算は6350億規模
で、
 5年間の総額でその1/100程度にしかならない
って、
 予算の執行手続きや国による実験の縛りができると、返って焼け石に水
になるのではないか、という危惧を抱く。
読売より。


新型「万能細胞」国が支援、実用化へ5年で70億円投入

 文部科学省は、京都大のグループが、あらゆる臓器・組織の細胞に変化する能力を持つ「ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)」の作製に世界で初めて成功したのを受け、iPS細胞利用を中心に据えた再生医療の実用化研究に本格的に乗り出すことを決めた。


 内閣府も早期の臨床応用のための枠組みを早急に策定し、国内での研究を加速する「オールジャパン」体制を構築する方針だ。

 米国でもブッシュ大統領が、同様にiPS細胞を作製した米大学の研究を支援する意向で、再生医療の実用化を巡って、国際競争が激化するのは必至だ。

 文科省の計画は、今後5年間に70億円を投入し、〈1〉ヒトiPS細胞などの万能細胞の大量培養法の開発〈2〉サルなどの動物を使った再生医療研究〈3〉研究用ヒトiPS細胞バンクの整備――などを重点的に進める。

 ヒトiPS細胞は、受精卵を壊して作る胚(はい)性幹細胞(ES細胞)と違い、倫理的批判は少ないが、作製の過程で、がん遺伝子を組み込むなど安全性に課題を残すため、こうした課題を克服する。iPS細胞を使った再生医療の実用化を担う研究機関を年度内に公募、有識者による評価委員会を新設して絞り込む。

 一方、内閣府は、ヒトiPS細胞を用いた再生医療研究が、臨床応用に円滑に結びつくように、早期に安全基準の策定を検討する。総合科学技術会議(議長・福田首相)を中心に、文科省や厚生労働省などと早急に協議する。

 ただ、理論上、卵子や精子を作製し受精させることも可能で、新たな生命倫理問題につながることから、内閣府では研究倫理基準の検討も始める。岸田科学技術相は22日、閣議後の記者会見で、「(ヒトiPS細胞の作製は)素晴らしい成果。政府としても、日本が主導権を握れるような環境作りをしていかなければならない」と語った。

(2007年11月23日12時44分 読売新聞)

国運がかかるかも知れない研究支援費用としては、ショボいという印象がぬぐえないが、
 早急に支援策が出た
ということだけは、まだマシ、と評価しておく。更に増額希望。
かつ
 くだらない事務手続きを簡素化して、スピーディに研究費の執行ができるような体制作り
を望む。ともかくも
 山中教授グループにこれ以上煩瑣な事務手続きを増やす
というのでは、
 研究スピードを遅らせるだけ
になるからだ。それと
 日本の研究費空白期(2月〜6月)
の犠牲にならないよう、弾力的な運用を可能にするよう、文科省には強く望みたい。だいたい
 国から降ってくる研究費が使いにくい一番の理由
は、
 年度末前後の会計処理とか、書類の煩雑さとか、実際の研究を阻害する方向の事務手続き
だからな。
 年度末のせいで、研究費が使えず、研究が進まない
なんて、悪いジョークとしか思えない。最近は多少は改善されているらしいけど、絶対に、世界の研究速度に乗り遅れる要因だ。あとは、研究に携わる機関には
 事務手続きを円滑に行えるような配慮
が欲しい。1日いや1時間が勝負の世界で
 事務担当者の仕事が遅くて
とか、
 必要な機材の納入が遅れて
なんて理由で、研究速度が犠牲になるなんてことがあったら、
 世紀の失政
になるぞ、文科省。

たぶん、製薬会社とか
 スポンサーになりたい企業
は、たくさんあるだろうなあ。だって、
 新薬開発のために武田製薬が5年間で1兆円投入する
のが、この世界だ。
厚労省も、研究支援と、文科省と一緒に
 法整備のためのすりあわせ
をよろしくね。

ともかくも
 今回の山中教授グループの研究成果
が、
 真珠湾攻撃
で終わってしまっては元も子もないのだ。

おまけ。
そういえば
 ヒトゲノム
の時に、パーツ解析担当で学位を取ったものの、その後行き場を失った
 バイオ系研究者
たちはどうしているんだろうか。これから必要とされている万能細胞の実験には、熟練した大量のバイオ系研究者が必要になるんじゃないの?ラボで人を雇うには
 常勤研究員なら年間500万
 実験補助なら年間300万
程度の人件費が必要らしいが、
 もっと安くても、研究が続けられるなら、ラボへ行く
という人もまだ多くいるのではないかと思う。才能をダンピングするのはあまり感心しないけど、
 優秀な研究者でありながら、ヒトゲノム研究が終わって、今は別な仕事に従事している人材
を、掘り起こして、万能細胞研究に投入、ってこともあり得るのかな。
 人海戦術に移行できるかどうかがカギ
だから、その辺りも
 博士の高学歴ワーキングプア化
を招いた文科省は、是非、考慮していただきたい。
 博士人材バンク
というか
 博士号の中身
は、文科省が押さえている筈なんだから、READから漏れてしまっているバイオ系職人達が、ラボに戻って来られるような対策も考えて欲しい物だ。もっとも
 5年経って、成果が出たら、またクビ
だと困るんだけどな。

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コメント

文科の科研費からすればかなり頑張ったんじゃないでしょうか?

ただ、バイオでは研究者よりテクニカルスタッフが必要な気がします。
余計な考えを持ち込まずに、ひたすら培養と分析。
あまり研究者の数が増えすぎると方向がぶれそうな気が。

投稿: 理系研究者 | 2007-11-26 14:51

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