大阪「船場吉兆」牛ヒレ肉の一切の仕入書類紛失→次は国税が動く?→まさかオージービーフ?
NHKは相当怒っている。
昨日は定時ニュースのトップが
船場吉兆ネタ
だったようで、
各メディアから逃げ回っている湯木尚治取締役の単独インタビュー
を7時のニュース冒頭に持ってきた。まだストリーミングで
危機管理のケーススタディに使えるステキなインタビュー
が見られるぞ。(画像はクリックすると拡大します NHKのつけたテロップを付けておく)
船場吉兆役員 偽装指示を否定大阪の料亭「船場吉兆」による一連の食品表示の偽装問題の発端となった、福岡市のデパートの店舗での菓子の消費期限などの改ざん問題で、この店舗を担当する湯木尚治取締役が、17日、NHKの取材に応じ、あらためて「会社が偽装を指示した事実はない」と述べたうえで、管理責任を果たせなかったと謝罪しました。
湯木尚治取締役は、福岡市のデパートの店舗で菓子や総菜の消費期限や賞味期限を改ざんしていたことについて、「レストランの開業とデパートでの総菜の販売開始が同じ時期になったため、デパートの販売は現場任せにしていた。現場には、社員ではないがキャリアの長い責任者と5人のアルバイトの販売員がいたが、在庫を多く抱えすぎたために、この責任者の判断で消費期限や賞味期限を改ざんしてしまった。会社側が不正を指示したことはない」と述べ、あらためて会社が偽装を指示したとする疑惑を否定しました。そのうえで、湯木尚治取締役は「週に1回程度、デパートを訪れ、陳列の状況の確認していたが、現場の状況を把握できず、責任を感じている」と述べて、管理責任を果たせなかったと謝罪しました。「"湯木取締役が指示"」(「賞味期限」のシールに注目。これは張り替えが簡単なタイプ)
従業員の証言「賞味期限切れそうですがどうしますか」と聞いたら—
(湯木尚治取締役の反論)「会社側が不正販売に関与したり指示したりということはない」
「期限切れ商品はルールとして7階の事務所に上げるか」(これが「ルール」なら、この次の発言の意味不明)
「もしくは連絡してくるスタッフもいた 廃棄の指示を的確にしていた」(これだけすぐに「変」と思えることを言うのも凄い。ルールで「廃棄」になってなかったことを窺わせる)
「期限切れ商品を販売しているという実態は想像もしてなかった」
「Q 責任者は店長が指示して偽装と言っている これはうそだと」
「私たちが把握している中できちんと答えられる資料などもある」(まさか、パートやバイトに「書かせた念書」じゃあるまいな)
また、牛肉の産地を偽装したとして、不正競争防止法違反の疑いで、16日、大阪の本店などが警察の捜索を受けたことについては
(牛肉の偽装について)
「警察の捜査に協力している段階で、
「警察の捜査に全面的に協力している」
捜査結果が出しだい、あらためて報告したい」と述べました。
「捜査結果が出たら報告させてほしい」11月17日 19時37分
もう、凄いの一言。
カメラの前でどのように振る舞うと、よくないか
という好例のインタビューだ。NHKはひょっとして
食品偽装 「船場吉兆」事件の衝撃
とかいうNスペでも作るつもりか。
で、
牛肉の産地偽装
に関しては
仕入れ関係の書類がまるで見つからない
という驚愕の事実が判明。え〜、所得税法第63条によると、
第六十三条(帳簿書類の整理保存)第六十条第一項(決算)に規定する青色申告者は、次に掲げる帳簿及び書類を整理し、七年間(第三号に掲げる書類のうち、現金預金取引等関係書類に該当する書類以外のものにあつては、五年間)、これをその者の住所地若しくは居所地又はその営む事業に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地に保存しなければならない。
三 取引に関して相手方から受け取つた注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類及び自己の作成したこれらの書類でその写しのあるものはその写し
に該当するんですけど。商法第36条だと「10年間の保管義務」がある書類だ。
朝日より。
船場吉兆、牛ヒレ肉みそ漬けも偽装か 仕入れ書類残らず
2007年11月17日高級料亭「船場吉兆」(大阪市中央区)による牛肉の産地偽装事件で、大阪府警の家宅捜索容疑となった贈答用商品の但馬牛サーロインのみそ漬けと併せて人気の高い牛ヒレ肉のみそ漬けについて、原材料の仕入れに関する一切の書類が残されていないことが、関係者の話でわかった。関連書類の紛失理由ははっきりしていないが、大阪府警はこの商品についても偽装の可能性があるとみて関係者から事情を聴いている。
府警や農林水産省によると、船場吉兆は今年3〜10月、但馬牛サーロインを原材料とする「牛肉みそ漬け」「牛肉みそ漬けと鶏肉みそ漬けセット」「牛肉みそ漬けと明太子セット」の人気3商品について、佐賀、鹿児島両県産の牛肉を使って販売していた不正競争防止法違反の容疑で府警の家宅捜索を受けた。
90年代後半以降、欧米に端を発する一連の牛海綿状脳症(BSE)騒動で、国内業界は牛の1頭ずつに付けられる個体識別番号や出荷証明書、子牛の登記書などの書類を保管するようになった。
農水省による一連の疑惑の解明過程で、サーロイン関連商品についてはこうした書類が保管されていたため、鹿児島県産や佐賀県産を使った偽装表示が次々と発覚。同省は日本農林規格(JAS)法に基づいて改善指示を出した。
ところが、3商品と並んで人気の高い但馬牛ヒレ肉の「みそ漬け」については、少なくとも同期間における関連書類が一切見あたらないという。
農水省の調査に、同社は「ヒレ肉商品は但馬産を間違いなく使っていた」と説明。しかし、これを証明する書類の提出を促すと、「書類が残っていない」と、理由も明らかにされなかったという。
但馬牛は日本有数の高級和牛ブランド。但馬牛ヒレ肉のみそ漬けは1個450グラム、3万1500円。
府警は、同社がヒレ肉商品についても偽装工作を繰り返していた可能性があるとみている。またヒレ肉商品についてだけ関係書類がない理由についても関心を寄せており、家宅捜索で押収した資料の分析を急ぎ、本格的な解明を進める。
さあてっと。こりゃあ
巨額脱税事件に発展
したりしますか、船場吉兆。書類がまるっきりないのはマズイでしょう。
少なくとも、牛ヒレ肉を売った取引先は書類を廃棄して何もいいことはないから、船場吉兆との取引書類を出してくれるだろう。なにを隠蔽したかったか謎ですが、
頭隠して尻隠さず
ですな、船場吉兆。
国税の査察は、えげつないぞ。
(追記 22:23)
伝票が全く残ってないという点について、掲示板には、真偽不明の噂が溢れているが、
ひょっとしたら、和牛でも国産牛でもないのでは
とか
ヒレを味噌漬けにするとは考えにくいから、もっと安価な部位だったのでは
などと言われている。どっちにしても
但馬牛ヒレ
でないことは間違いないだろう。
まさかオージービーフ
じゃないだろうな。最近はスーパーの肉でも、
個体識別番号
は付けて売っている。全然書類がない、となると、ヤバイ順番に
1. 個体識別番号がバレるとマズイ肉(少なくとも但馬牛ではない)
2. 個体識別番号がついてない国産の牛肉(そんなのあるの?)
3. 個体識別番号は関係ない外国産の牛肉
となるんだけど。
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