琉球大学八重山芸能研究会と泡波@波照間酒造所
沖縄で学会があった。学会の懇親会の楽しみの一つは
主催校の心のこもったおもてなし
で、今回もその例に漏れず、琉球大学から手厚いもてなしをうけた。幕開けは
舞踊で学会開催を祝う
という、沖縄の習慣に従った、実に味わい深い演出だった。踊ってくれたのは、
琉球大学八重山芸能研究会の学生諸君
で、宴の間中、いろいろな島の踊りを披露してくれた。当然ながら、民俗関係に関心の深い一部の出席者は、すぐにカメラを手に、熱心に撮影を始めた。(写真はクリックすると拡大します)
これは波照間島の踊り。手に四つ竹を持ち、リズムを打ちながら、ゆったりと踊る。
乾杯用麦酒は、当然ながら
オリオンビール
である。水代わりに飲める、軽いビールだ。
会場では、生産本数が少ないために
幻の泡盛
と称される
波照間酒造所の泡波
が、特別に供され、泡盛好きの出席者の間で奪い合いになっていた。
波照間島の踊りが始まる頃には、すでに瓶は空になり、ステージ横に看板のように置かれていた。
八重山芸能研究会の学生諸君は、日々鍛錬を怠らない様子で、足の運びが美しかった。どんな舞踊でも、足の運びが基本だけれども、白足袋でゆったりとステージ上を歩む、その様子に見惚れた。伴奏は、学生諸君が三線や笛、太鼓を演奏していた。
幹事でお忙しい山里先生も、自ら三線を手に、笛を従え、一曲、自慢の喉を披露してくださった。素晴らしい歌声だった。
八重山芸能研究会の演目や、山里先生の歌を見聞きさせて頂いて、感じたことは、島の文化の共通性だ。
沖縄からは、たくさんの移民がハワイ諸島に入っている。ハワイの踊り"Hula"は、そもそも神に感謝する踊りだ。裸足で踊る"Hula"と裸足もしくは足袋はだしで踊る沖縄の踊りは、上半身の動きは違うけれども、どちらも神への感謝を基本に、大地の力を感じつつ踊る。大地からの力を足裏でしっかり捉えつつ、踊っているように見える。踊り手は、その時、神とヒトとを結ぶ媒体なのであり、踊りの振付は定まったものではあろうが、身体は神への歓喜に動かされている。見せて頂いた踊りには、"Hula"でいうところの"Kahiko(古典フラ)"と相通じるものを強く感じた。沖縄もハワイも、神々と共生して暮らす島である点では同じだ。沖縄には、御嶽(うたき)や拝所(うがんじゅ)があちこちにあり、アメリカの州となってキリスト教化しているハワイにも、Heiauが散在する。観光スポットとは別に、祈りの空間があり、土地の人たちの尊崇を今でも集めている。沖縄からハワイに入った人たちの子孫が、今もハワイ諸島に暮らしているが、ハワイの伝統文化をどう感じただろう。
大学院の同級生が、沖縄からの日系3世でアルゼンチン人、姓は小那覇さんだった。大学院修了後、沖縄に残っている親戚に挨拶に行ったと言って、お土産に石垣島の「タイフーン」という調味料をくれた。しばらく、琉球大学で地理を教えていた筈だ。
おまけ。
今年もオアフ島で開かれた
沖縄フェスティバル
の様子。
Okinawan Festival in Hawaii
http://www.internet-okinawa.com/2007/09/05/okinawan-festival-photos/
ワイキキ西部のカピオラニ公園で毎年9月上旬前後に開かれている。ビデオをよく見ると、後ろにダイヤモンドヘッドが映っている。(カピオラニ公園からはダイヤモンドヘッドが近い)
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コメント
いつも楽しく拝見させていただいております。学会で沖縄に来られているんですね。医学系の学会は沖縄で行われると出席率がよろしいというのが定説(海越えれば病院に戻り様がないし)のようですが、そちらの方はどうでしょうか。沖縄のことも随分お詳しいようですね。いつもながら守備範囲の広さには感服させられます。琉球料理も堪能されたようですが、もし食べられたことがなければ、どぅるわかしーのてんぷら「どぅる天」をご賞味ください。くせになります。オリジナルは那覇市安里の有名な居酒屋「うりずん」です。沖縄滞在を満喫してください。
投稿: 南島の管屋 | 2007-11-13 17:33
南島の管屋先生、コメントありがとうございます。
残念ながら、昨日の夜に戻ってきました。うりずんにも行きたかったのですが、今回は宜野湾に泊まっていたので、次回の楽しみと致します。
出席率はどうだったのでしょう? 全会員の1/10くらいの出席でした。
投稿: iori3 | 2007-11-13 19:07