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2007-11-21

『ミシュランガイド東京』の次に来るもの

毎年夏には、東京の友達がやってきて、京都で鱧を食べる。
その時に、お店の大将から聞いた話。
「最近、中国で刺身食べるやろ。そのせいで、刺身にする魚の値段が上がってなあ。鮪なんて、ええのを金で持って行きよる。日本で売るより、中国に売った方がええ値段になるからな」
「ふ〜ん。白身の魚とかはどう?」
「まだ、鯛とか白身はそれほどやないけど。凄いのは、ハマチやな」
「ああ、そういえば、この頃、スーパーでもハマチの値段上がってるね」
「去年まで値もつかなかったような養殖ハマチが、ようよう売れとる。まだ養殖物と天然物の区別がついてないみたいやから、ええようなもんやけど、その内、味の違いが分かるようになったら、日本人の食べる魚は、根こそぎ、中国に持って行かれるのんと違うか。高う売れるもん」
というわけで
 日本がデフレで「食べ物は安い」
と勘違いしている間に、
 日本の安全で美味しい食べ物に、日本人より金を出す中国の富裕層
が、豊富な資金で、日本の食材を買いあさっているのだ。

昨日、『ミシュランガイド東京』の出版記念パーティが開かれた。
 『ミシュランガイド東京』公式サイト
マスコミや食いしんぼの間では、三つ星レストランや星の適否について大騒ぎになっているのだが、一部の三つ星レストランでは、早速
 三つ星がついたことで予約が殺到
という事態が起きているらしい。席数の少ない、小さい店だと、とてもじゃないけど、予約係を新たに雇わないと、捌けなくなるかも知れない。これから年末年始と、ボーナスで懷の温かくなった普通のヒトを始め、ニュースで取り上げるまで
 ミシュランの星
になんて興味がなかっただろう、全国の小金持ち・中金持ちは、
 話の種
に、三つ星レストランとなった料理屋・レストランなどを制覇に来るだろう。みんながマナーのいい、申し分のない客ではあるとは限らず、店にとっては、ありがた迷惑な客も増える、ということである。これは有名税だが、店の仕事の質が落ちるのは、極力避けて欲しいものだ。

ミシュランの星つきレストラン制覇、なんて明確な目標ができた以上、
 中国の新興成金の人民諸兄姉
が、これまた大挙して日本の三つ星レストランを目指すのは間違いない。金に物を言わせ、かつあらゆる断りにくいコネを駆使してやってくるだろうと思われる、中国富裕層の「グルメ」達を、果たして、
 日本の三つ星レストランを始めとする、星のついた各店
は、捌ききれるだろうか。

戦いはこれからだ。

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