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2007-12-19

「マスコミたらい回し」とは?(その113)CTは死のトンネル→訂正と追記があります

大淀病院産婦死亡事例では
 なぜCTをすぐに取らなかったんだ!
と、医療のシロウトのマスコミのみならず
 医師免許を持っている、本物のプロの筈の西川史子医師
までが、大淀病院を指弾していた。これは
 CTは単なる診断のための手段で、治療を行わない
という事実を認識してない暴論であることは論を俟たない。
(追記 23:42)
西川史子医師の発言は2006年10月22日の「サンデージャポン」出演時のもので、当日、番組では
 CTを撮らなかった
件について、取り上げた。『サンデー・ジャポン』鑑賞記録より。


2006年10月22日 10/22まとめ

医療ミス!?奈良県で妊婦が死亡
8/7 町立大淀病院に入院 夜中に頭痛を訴える
 内科の当直医 脳のCT検査を提案 しかし
 産婦人科の担当医 CT検査は行わず
 実は脳内出血
午前1時半頃 実香さんの容態が急変 痙れんを起こす
 担当医は子癇と判断
午前1時50分頃 大淀病院では対応できず奈良県立医大病院に受け入れを依頼
  →「ベッドがいっぱい」との理由で受け入れを拒否
  合計19の病院で受け入れ拒否!
午前4時半頃 大阪・吹田市 国立循環器病センター
  →脳内出血と診断 帝王切開で男の子を出産
出産から8日後 高崎実香さん死去(享年32)

厚生労働省 出産前後の急変に備え各都道府県に母子医療センター設置を通知
 センター未整備の県 奈良・秋田・山形・岐阜・佐賀・長崎・宮崎・鹿児島

番組の実況が書かれたスレッドによると、この時、西川史子医師が次のように発言している。
奈良・大淀病院 警察が捜査へ ★4スレッドより。


570 :卵の名無しさん :2006/10/22(日) 10:00:52 ID:eQAge4Gq0
さてジャポンで西川は何と言うか

582 :卵の名無しさん :2006/10/22(日) 10:41:18 ID:fuwvNCs20
今、サンジャポで西川史子先生が、医師のミスを認定しました。
大淀の先生は、もう命運つきました。

584 :卵の名無しさん :2006/10/22(日) 10:44:15 ID:wbN/41+a0
CTで脳内出血と診断できていたら命を救えたかもしれない
どういう流れで救えたのかねえ?

585 :卵の名無しさん :2006/10/22(日) 10:47:14 ID:1NLP5ayp0
西川先生は本当にばかだなあ。

586 :卵の名無しさん :2006/10/22(日) 10:48:08 ID:c73o/gt30
欠席裁判で言いたい放題か。
専門家の意見はインタビューして編集。生放送では、結果論もわからないような馬鹿な御用医者のコメント。
無茶苦茶だね。

588 :卵の名無しさん :2006/10/22(日) 10:48:49 ID:iTgLcuvy0
 あの西川とかいうねえちゃん、死亡診断書書いたことあんのかな。
 田舎の救急病院で、一人で当直やったことあんのかな。

589 :卵の名無しさん :2006/10/22(日) 10:48:52 ID:fuwvNCs20
>>584
西川先生は美容から産科・脳外科まで極めた名医ですので無問題なのです

590 :卵の名無しさん :2006/10/22(日) 10:51:08 ID:aRlOSn+30
CT撮れたら救えた.
馬鹿丸出し西川.

603 :卵の名無しさん :2006/10/22(日) 11:25:12 ID:J1ka8U7I0
医療ミスなのかそうでないのかは、文系のおいらには分からんが、
スレを見る限り、あのケースでCTを撮るのを「絶対」とまで
言い切る医者は少ないのではないか?

西川氏を見ていて、テレビ局はコメントを取る医者を選んで
るんじゃないかという気がしてならない。

仮に今回の件が医者のミスだったとしても、マスコミの報道の
あり方としては、非常に問題だと思う。

また、この件については、blogで
 おおたわ史絵医師
が発言していた。
詳しくは以下に。
2006-10-25「マスコミたらい回し」とは?(その20) 無責任な発言を繰り返すマスコミと、マスコミの論調にのっかった「医師」に対する医師達の抵抗は「不買運動」か→日刊スポーツの事実誤認記事の記者について追記あり
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2006/10/20_a23a.html
(追記終わり)

大淀病院産婦死亡事例の民事裁判でも、この点が問題になっているのだが、ここにあるのは
 CT撮影に対する「無根拠の信頼」
である。
 CTは死のトンネル
になることがあるという事例を、実際にCT中に患者さんを亡くされた体験のある「なんちゃって救急医」先生が
 日々是よろずER診療
でとりあげている。
CT室で失われた命
(追記 21:29)
下に実際にCTで患者さんが亡くなった経験がある先生にコメントを頂いた。再掲する。
ssd先生からのコメント。


CT上で死亡なんてよくあることですよ。
私でも二件経験あるくらいですから。

救急では知れ渡っている事実なのですね。

physician先生は、他の救急医の先生のblogをご紹介下さった。
 E_physician先生のqq14
より、該当記事を引用する。


CTは死のトンネル

 ・・・ってのは救急医にとっては常識である.

 救急処置室のすぐ隣にCT室があるようなところは別として(いや,例えそうであっても),CT撮ってる最中に何か起きたら,普通は目も当てられない.そもそも急変に気付くのが遅れるし,処置もしにくい.CT室に救急カート常設してるところはそう多くはないだろうし.

 だから,特に外傷において強調されるのだが,呼吸・循環に異常がある場合は,それらを安定させずしてCT室へ急いではいけない・・・それが“CTは死のトンネル”の意味するところであり,戒めなのである.

 大淀病院はCT室が少し離れたところにあったようだから,CT室への移動・撮影中に子癇発作が起きたら...とか,それより搬送を急いだ方がよい,というのは至極妥当,というより賢明な判断と思われる.
 もし,CT室への移動中や撮影中に何かあったとしたら「子癇で易痙攣状態であった患者を無理に移動させ,CT撮影を強行したことにより・・・」と叩かれるのは間違いない


 福島といい,奈良といい,こんなことが続くと,正直いつまで救急続けられるか自信なくなってくるなぁ...

 あぁ,明日(もう今日か)も仕事だ...もう寝よ.

 by E_physician | 2006-10-21 01:30 |

こうした現場からの意見を一切考慮せず、当時マスコミは
 CTさえ撮っていれば
と、大淀病院と担当された先生を叩いていた。先頭に立っていたのは
 毎日新聞奈良支局と大阪本社
である。
昨年10月20日付毎日新聞の記事を再掲しておく。


奈良妊婦死亡:搬送先探し、診断不正確で遅れか
 奈良県大淀町立大淀病院で意識不明となった妊婦が搬送先の大阪府内の病院で死亡した問題で、同県立医科大病院(橿原市)から搬送先を探すよう求められた府立母子保健総合医療センター(同府和泉市)が、府内の7病院に受け入れを拒否されていたことがわかった。同センターには、妊婦が子癇(しかん)発作であると伝えられたため、それに対応できる病院を探したと証言している。同センターは「脳内出血と正確に診断されていれば、別の病院に打診し、もっと早く搬送先が見つかったはず」と指摘。大淀病院で「脳内出血」と診断されなかったことが、転送先の決定を遅らせた可能性がさらに強まった。
 この問題では、県立医大病院を含め、少なくとも奈良県内で2カ所、大阪府内で17カ所の計19病院が受け入れを拒否。これまで県立医大病院が大半の病院に打診したとみられていたが、一部を同センターが担っていたことになる。
 同センターの末原則幸・産科部長によると、8月8日午前2時半ごろ、大淀病院の依頼で搬送先を探していた県立医大病院から受け入れ打診の電話があった。「頭痛があり、子癇発作らしい」との内容だったが、脳内出血の可能性を示す症状の説明は一切なかった。同センターは満床だったため、要請を断った。
 医大病院から「一緒に探してほしい」と求められたため、府内で受け入れ先を探した。しかし、満床や人手不足などの理由で7病院に拒否され、同4時半ごろになって、国立循環器病センター(同府吹田市)に決まった。妊婦は同6時ごろ到着し緊急手術を受けたが、8日後に死亡した。
 大淀病院は、妊婦を子癇発作と診断した。しかし、専門家によると、子癇発作は、けいれんの後に脳内出血を起こすことがあるが、脳内出血の場合、一般的に頭痛の後に意識がなくなり、けいれんする。妊婦は頭痛を訴えた後に意識不明に陥り、けいれんを起こした。
 大淀病院では内科医が、脳内出血かどうかを診断できるCT(コンピューター断層撮影)の必要性を主張したが、産科担当医が受け入れなかったという。
 末原部長は「脳内出血で母親の命が危ないと分かっていれば、産科より救命救急センター、大学病院を中心に搬送依頼した。搬送先が決まるまで待つ時間があるなら、CTを撮る時間もあったのではないか」と指摘している。【根本毅】
毎日新聞 2006年10月20日 15時00分

根本毅記者は、大阪科学環境部の記者だ。

E_physician先生のblogの記事の日付を見ると、ちょうど
 大淀病院産婦死亡事例の報道が過熱していた時期
である。つまり
 CTさえ撮っていれば、産婦さんは助かった!
と、
 マスコミも、マスコミの「御用医師」も口を揃えていた時期
だ。
しかし、その後誰も問題にしてないんだけど、この
 末原先生の「CTを撮る時間もあったのでは」発言
って、産科的にはいいのか? 当時の議論では
 末原先生はCT撮影時に急変しても、十分なスタッフのいる病院でしか働いたことがないから、こんな暢気なことを言える
という話になっているのだが。その辺については以下に。
2006-10-20 「マスコミたらい回し」とは? (その9) 今度は大阪府立母子保健総合医療センター産科部長が「搬送拒否」のいい訳か? 「脳内出血と分かっていれば」と大淀病院を非難
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2006/10/9_dc74.html
(追記終わり)

大淀病院産婦死亡事例では、
 搬送の際に呼吸が止まって挿管している
ことが、僻地の産科医先生が閲覧した裁判資料から伺えるのだ。つまり
 子癇は動かしたら呼吸が止まることがある
と言われる通りの状態に、実際に亡くなられた産婦さんがなっていたのである。ということは
 CTを撮っていたら、その時点でCTの中で母子共に死亡していた可能性が高い
ということなのである。
僻地の産科医先生の「産科医療のこれから」から、該当部分を再掲する。


NICUのなかった場所で、児の救命なんてありえない!大淀病院事件

4:10頃 母体搬送OKの返事をもらい、
     妊婦さんを動かして救急車に乗せた途端、呼吸停止
     (↑子癇には移動は禁忌!なんですよね。。。)

     これも子癇が病態として先にあった証拠じゃないかと思うんですが
     挿管して、救急車でそのまま搬送しています。
     そもそもⅢ-200台だった意識はここからⅢ-300みたい。
5:50頃に国立循環器センターに搬入。
7:15頃 手術室、入室。

   
6:00~CTをとる(6:15頃?)の間の、NSTを今日はじめてみました。
1分3cm。 base line:190  non-reasuring pattern  (←重要!)

4:10に搬送のため動かしたとたんに呼吸が停止している。これは
 CT室に運んだとたんに呼吸が停止して、母子共に死亡
という最悪の事態だってあり得た、ということだ。
また、6:00から母体のCTを撮っているときに
 NST(ノンストレステスト ここでは胎児心拍数と子宮収縮の監視モニタの数値)でnon-reasuring pattern
というのは、
 胎児心拍数が落ちて、心拍のグラフに本来出るべき凹凸がなく平坦で、胎児が悪い状態に陥っている
のを示している。
(訂正 21:24 専門の先生から指摘があったので、上記を訂正します)
大淀病院産婦死亡事例で
 CTが死のトンネルにならなかったのは幸運
というべきだろう。そもそも
 大淀病院か近隣病院でCTを撮影していたら、その時点で死亡していた可能性がある
のである。
 国循に運ぶ以外には、赤ちゃんが助かる道はなく、産婦さんは残念ながら病死を避けられなかった
というのが
 大淀病院産婦死亡事例の本質
だという考えは、昨年10月からほぼ変わっていない。

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コメント

CT上で死亡なんてよくあることですよ。
私でも二件経験あるくらいですから。

投稿: ssd | 2007-12-19 13:52

http://qq14.exblog.jp/4044412/
こんなエントリもあります。

投稿: physician | 2007-12-19 20:24

あの状態で呼吸とまると
「とにか~く、運び出そうぜっっ(;;)!!!!
 があああ、どうしてくれんだっ!(自分で決めてても)
 この筒、どかしてくれ!狭いんだよな。」
って感じになりますよね。
ストレッチャーが入りませんし。。。。

も~なんていうか。。。
「だれか~!!!!人手~あつめて。人手!!!」みたいな。

投稿: 僻地の産科医 | 2007-12-19 20:43

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