佐世保のスポーツクラブで散弾銃乱射(その4)ガンマニアの妄想が暴走か 狩猟の実態なく腕も悪く被害者を至近距離から撃ち、自分は防弾チョッキを着用→射殺した2人はスラッグ弾使用という凶悪さ
まず、亡くなられたお二人の方のご冥福をお祈りする。あわせて、負傷された方が一日も早く回復されますように。
無職男が、親からカネを無心して、スポーツクラブに通い、猟銃四丁を所持したあげく、スポーツクラブで散弾銃乱射という今回の事件。
ここまでの報道を見る限り、
ガンマニアの妄想が暴走
したとしか言いようがない。
まず、容疑者は
狩猟目的で銃を所持していたが、ほとんど狩猟はせず、射撃の腕も悪かった
という。
朝日より。
乱射容疑者、「狩猟」形跡なし 長崎県警の審査点検へ
2007年12月17日06時03分長崎県佐世保市のスポーツクラブで起きた乱射事件で、自殺した同市船越町、無職馬込政義容疑者(37)は、02年に「クレー射撃」と「狩猟」を目的に銃所持の許可を得たものの、実際の猟に行った形跡がほとんどないことが分かった。許可更新の申請には使用実績の報告が必要とされている。同容疑者は、その後も同県や佐賀県の複数の店で散弾銃2丁と空気銃1丁を買い増しており、警察庁は、長崎県警の許可や更新の審査に問題がなかったか点検する考えだ。
県警によると、馬込容疑者は02年7月、標的(クレー)射撃目的で銃所持の許可を取得し、翌月に「狩猟」を追加した。さらに03年2月に散弾銃、同年6月に空気銃の許可を得た。今年9月には3本目の散弾銃の許可を取ったという。
最初の銃を買ったとみられる佐賀県鳥栖市の銃砲店社長は「当時よく売れていた種類の銃を購入しているが、それ以来店には来ていないし、顔も覚えていない」と話す。
長崎県猟友会佐世保支部の幹部によると、馬込容疑者は、初めて銃を所持した02年ごろに入会した。猟期前の秋の研修会や猟期後の春の供養祭にはよく顔を出し、会場設営を手伝っていたが、この幹部は一緒に猟に行ったことはないという。
猟に出ていたという話は周辺からは出ない。
ただ、今年9月に馬込容疑者に散弾銃を販売した佐賀県伊万里市内の銃砲店の社長は、クレー射撃の会で一緒になったことがあった。射撃の腕は初心者レベルで「うまいと言うにはほど遠かった」という。
02年ごろから馬込容疑者が来店していた佐世保市内の銃砲火薬店によると、同容疑者は常に1人で7回ほど来て、主に弾を購入していたという。
一方、猟銃などを所持するには、講習会や筆記試験、実技教習を受けて警察署に申請。署の審査を経て、公安委員会から許可される。(1)精神病などの患者(2)アルコールや覚せい剤などの中毒の人(3)住居不定の人(4)他人の生命・財産、公共の安全を害するおそれのある人、など「欠格事項」にあたる場合は許可を受けられない。
有効期間は許可日から3回目の誕生日が経過するまで。更新時に実績の報告がない場合、許可が取り消される場合もある。さらに許可期間中でも、欠格事項にあてはまるなどが確認された場合、許可取り消しの理由となるという。
馬込容疑者については、許可や更新の審査で、欠格事項にあてはまるとの報告はなかったといい、県警幹部は「要件を満たしていれば許可せざるをえない」と話す。馬込容疑者は更新の審査や年1回の検査も通常通り受けていた。
一方で、近隣住民は「銃を持って近所を歩いていた」など不審な行動を指摘。一部は警察に相談したが取り合ってもらえなかったと訴える。
これに対し、県警は「個別の案件については答えを控える」「すべて適正に対応している」などとしている。
許可を受けた銃を用途以外で運搬や発射をした場合は、銃刀法は「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」と定めている。改正に伴い、今月末からは「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」に強化される。
銃所持のチェックは、かなり甘いんじゃないかな、と思う。狩猟目的と書いても、猟に行かない猟銃所持者はいるだろうな。以前、父が猟銃を持っていたが、一般家庭では、よほど鴨が好きというのでもない限り、一冬に何度も猟には行かないだろう。鴨を撃ってきても、捌くのが大変だ。野生の鳥だから、羽をむしるだけでも、結構な時間がかかる。一羽でもイヤになるが、散弾で撃つから、大猟になると目も当てられない。たいていは、猟に行った人たちで分けるから、何羽も持ち帰ってくるということはないけれども。
鴨撃ちに行っても、相手は生き物だから、そうそう弾を使うわけではない。鴨だってバカじゃないから、そう都合良く飛んできてくれるわけではない。鹿撃ちなら、もっと大変で、待ってる時間の方が遙かに長い。クレー射撃に熱心に通っているならともかく、そうでもなければ、そんなに弾を買い足す必要はないのではないか。
容疑者は、クレー射撃でたいした腕ではなかったという。恐らく、買い足した弾は、使われることはなく、どんどん溜まっていったのではないか。ただ、
銃砲店で買い物をする
という快楽に浸っていたのではないか。
容疑者の自殺後、見つかった弾の数が多すぎる。
時事より。
車に散弾2500発、自宅からも押収 乱射容疑者
2007年12月16日15時19分長崎県佐世保市のスポーツクラブで8人が死傷した散弾銃乱射事件で、自殺した無職馬込政義容疑者(37)の所有車に、散弾銃の実弾約2500発が残されていたことが16日、佐世保署捜査本部の調べで分かった。同容疑者の自宅からも22発が見つかり、捜査本部は大量の実弾を所持していた理由と事件の関連を調べている。
調べによると、車は馬込容疑者が自殺した同市船越町の教会前に止めてあった。中には、箱に入っていないものも含め約2500発の実弾があった。近くにある自宅の捜索でも、22発入りの一箱を押収したという。(時事)
ニュースでは、レミントンの弾の箱が映っていた。
腕も磨かないままだと
至近距離から撃たないと当たらない
わけで、丸腰の相手に、こんな残忍な射殺方法を取った。産経より。
佐世保乱射事件 2人に明確な殺意持つ?
2007.12.16 12:17長崎県佐世保市の散弾銃乱射事件で、殺害された水泳インストラクター、倉本舞衣さん(26)と漁具製造業、藤本勇司さん(36)は至近距離から数発ずつ撃たれていたことが16日、佐世保署捜査本部の調べで分かった。
ほかのけが人は飛散した散弾に当たったとみられ、捜査本部は馬込政義容疑者(37)が、殺害された2人に対して明確な殺意を持っていたとみて動機の解明を進めている。
捜査本部は現場での発砲を十数発と発表。現場となったスポーツクラブ「ルネサンス佐世保」を運営するルネサンスは11発だったと説明した。馬込容疑者はこのうち数発ずつを倉本さんと藤本さんに向かって撃っていたことになる。
捜査本部は2人の遺体を司法解剖し、傷を詳しく調べた。いずれも上半身を中心に大きな銃創があり、散弾が顔にはほとんど当たっていないことから至近距離からの被弾と判断した。
藤本さんの場合は左胸部を前から撃たれたほか、背部からの被弾もあった。倉本さんは背部から撃たれたらしい。
ルネサンスによると、馬込容疑者は最初にプールに向かい、プールサイドを4分の3周ほど歩いた後に発砲しており、藤本さんらを捜していた可能性もある。
また馬込容疑者が死亡していた教会付近には、散弾銃のほか衣類やヘルメットもあったという。
散弾で無惨な人間狩りをしたわけで、到底許すことは出来ない。
何発も撃っているのは、本人の残忍さもあるだろうが、
腕が悪い
のが、一番の理由だろう。殺傷能力に自信が持てないから、何度でも撃つ。まったく、救いようがない。
丸腰の相手を撃つだけでも、卑劣なのだが、この容疑者は
防弾チョッキを着込んでいた
というから、呆れる。まさか
銃撃戦で華々しく死にたい
とか、アホな妄想を逞しくしていたんではないだろうな。一体全体、
スポーツクラブで銃を乱射したら、その場で銃撃戦になる
とでも思っていたのか?
産経より。
銃乱射の馬込容疑者、迷彩服の下に防弾チョッキ
2007.12.16 22:29散弾銃乱射事件の馬込政義容疑者(37)は遺体で見つかった際、迷彩服の下に防弾チョッキを着込んだ姿だったことが16日、佐世保署捜査本部の調べで分かった。散弾銃で自らを撃ち、死亡していた教会付近には迷彩柄のヘルメットや、射撃用のベストなども落ちており、容疑者のものとみられるという。
犯行現場のスポーツクラブでも迷彩服姿だったことが目撃されており、捜査本部は犯行時のスタイルのまま教会に向かい、自殺したとみている。
馬込容疑者は事件翌日の15日朝、自宅に近い教会で自殺しているのが発見された。防弾チョッキの上に迷彩服の上下を着用。黒いブーツを履いていた。
教会の入り口付近には迷彩柄の布がかぶせられた鉄製ヘルメット、黒い目出し帽、黒い射撃用ベストが落ちていた。ベストのポケットに散弾約180発が入っていた。
馬込容疑者の自宅からは、防弾チョッキやライフルに装着するスコープなどの写真が掲載された軍事マニア向けのカタログが押収された。
落ちていた射撃用ベストに180発も入っている。乱射時に着てたのだとすれば、やはり
銃撃戦を望んでいた
のだろうか。
こうなると、ガンマニアでも、
射撃の訓練をしないガンマニア
という、
脳内スナイパーの妄想が暴走
したとしか言いようがないのだ。
射殺されたお二人に、かける言葉が見つからない。
続き。(8:28)
とくダネ!で、小倉智昭が
散弾だけでなく、スラッグ弾も使っている
と話している。スラッグ弾は
大型獣を撃つための弾
で、中が散弾になっておらず、弾体は一発だけだ。
熊撃ちや鹿撃ち
に使う。
容疑者は
人間撃ち用にスラッグ弾を使った
のだ。まさに
人でなし
だ。
この後、銃の登録証や銃も映ってたけど、何を持ってたか、確認できなかった。犯行に使ったのはレミントンか?
続き。(11:00)
スラッグ弾使用は、朝日に書いてあった。
殺傷力高い弾も使用 実弾2700発所持 乱射容疑者
2007年12月17日08時00分長崎県佐世保市のスポーツクラブ「ルネサンス佐世保」で散弾銃が乱射され、8人が死傷した事件で、無職馬込政義容疑者(37)=同市船越町、逃走後に自殺=が、散弾と単発弾(スラッグ弾)の2種類の弾を使っていたことが県警の捜査本部の調べなどでわかった。単発弾は射程が長く、殺傷力も強い。死亡した2人に対しては散弾以外に単発弾も使われており、県警は馬込容疑者が明確な殺意を持って事件を計画した可能性もあるとみて調べる。
また捜査本部は、馬込容疑者の車の中などから散弾銃の弾約2700発を押収した。火薬類取締法が制限する弾数を大幅に上回っており、違法に大量の弾を所持していた理由についても調べる。
調べでは、馬込容疑者は14日午後7時10分ごろ、迷彩服姿で同クラブに侵入し、プールや事務室で十数発を発砲。知人の漁具販売業藤本勇司さん(36)=同市鹿子前(かしまえ)町=と、同クラブのアルバイト従業員倉本舞衣さん(26)=同市権常寺(ごんじょうじ)町=を殺害したほか、流れ弾などで女児2人を含む6人にけがをさせたとされる。
県警の実況見分などで、馬込容疑者が使った弾には、実包に込められている粒の大きさが違う複数種の散弾のほか、単発弾があったことが判明した。単発弾はクラブの建物内部の壁にも撃ち込まれていたという。
散弾は円筒状の実包から多数の弾丸(粒)が飛び散る。単発弾は一つの弾体が飛び出す。散弾は動きの速い鳥や小動物などの猟に、単発弾はイノシシやクマなどの大型動物の猟に使われる。
司法解剖で、2人の死因は銃創による失血死と判明。藤本さんは前後から胸や腕、太ももなどを数発、倉本さんは背中や左胸付近を背後などから数発撃たれていた。それぞれ体に散弾の粒が残っていたほか、散弾とは別の単発弾とみられる銃創があったという。一方、けがをした6人には単発弾により負傷したとみられる人はいなかった。
散弾銃は通常、散弾と単発弾のどちらも使用でき、連発式の場合は2発か3発の連射が可能。馬込容疑者は同クラブで十数発を撃っており、次々と弾を装填(そうてん)しながら乱射したらしい。捜査本部は、藤本さんと倉本さんに対しては意図的に単発弾を使った可能性もあるとみている。
また捜査本部によると、馬込容疑者が自殺した教会の前に止めていたワンボックスカーの中に、弾約2500発が段ボールの箱に入った状態で残されていた。車のそばに落ちていた「プロテクター」と呼ばれるベストのポケットからも約180発が見つかり、自宅にも22発を残していた。
火薬類取締法施行規則は、個人が保管できる銃弾を800発までと定めている。購入時に数の制限はないが、800発を超える場合は店に預けるなどしなければならない。捜査本部は、馬込容疑者が事件に備えて大量の弾を用意していた可能性もあるとみている。
全くもって、とんでもない銃弾の所持で、容疑者の妄想の凄まじさが窺い知れる。
しかも
スラッグ弾を籠めて、丸腰の市民を至近距離から狙い撃ち
とは、卑劣さについても凶悪さについても類を見ない。
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コメント
>射撃用ベスト着用
銃撃戦を想定というよりも、建物内等で跳弾が想定される場合
に着ていたものかと思います。
特に散弾を使用する場合は特に想定すべきもののはずです。
投稿: まぁ | 2007-12-17 21:01