師走
何故だろう。
12月になると、師走の雰囲気を感じる。日の光の射し方一つとっても、師走だな、と思うのだ。
今日はよく晴れている。
たった一日の違いなのに、なぜ、こんなに違って感じるのか毎年不思議だ。
大掃除。
迎春の買い物。
年賀状。
毎年やることは決まっているけれども、心がなんとなく華やぐ。
今の時期になると
飯寿司
が食べたくなる。食べたい順番でいうと
1. 子持ちハタハタ
2. 紅鮭
3. 秋味
だ。子持ちハタハタの飯寿司は、卵が緑や青の美しい色に変わり、見た目も味もよい。
鮭の飯寿司で、今までで一番おいしかったのは
石狩の金大亭の飯寿司
だけれども、どうやったら手にはいるのか。店に直接行けば、たぶん飯寿司もメフンも売っているだろうが、遠く離れた奈良では詮ない話になる。
魚の発酵食品で言えば
切り込み
も欠かせないが、これまた、関西では入手が難しい。切り込みは、いくつか店を当たって、おいしいのを買うしかないけれども、関西では売っていたとしても、そんな選択の余地はない。
鰊の切り込み、ホッケの切り込み
は、熱いご飯の友にして、酒の肴だけれども、気候の暖かい関西では、作るのも保存するのも難しい。そもそも、ずいぶん前でも
普通に漬けると鰊漬けが沸いてしまう
暖かさだったのが、更に気温が上がっている。
キャベツが飴色に漬かった鰊漬け
などという冬の味には、もう長いことお目にかかっていない。札幌では、鰻屋に行くと、鰻が焼けるのを待つ間に、お通しで出てくる鰊漬けをつまむのが楽しみだったりしたけどね。
烏賊の塩辛一つとっても、関西では、そうそうおいしいのに当たらないからなあ。自分で烏賊を捌いて作ればいい話だけど、マンション住まいだと、魚の内臓を捨てるのは、ゴミを出す前の日にしないと、面倒なことになる。魚離れというけれども、ゴミ収集の問題も大きいと思う。魚屋で活きのいい魚や烏賊などをみつけても、後から出る腸などの処理を考えると、曜日を見て、手が止まってしまうことが多いのだ。うちの近辺は生ゴミの収集には週2回しか来ない。
最近は冬もかなり暖かいので、迎春準備に根菜類を早めに買っておくことが出来なくなった。年末になると、市場の関係で、根菜の良いのが手に入りにくいのだけれども、いかんともしがたい。
寒ければ、新巻を一本もらっても何とかなるけれども、こう暖かいのでは、冷蔵庫を塞ぐだけになってしまう。最近の新巻は塩が薄いから、余計に気を使う。
暖かい冬の師走は、大掃除も買い物も楽なのが取り柄だが、時々はぴりっと寒い師走が恋しくなる。
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