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2008-01-19

救急医療崩壊 死亡するほど重症の拒食症の「搬送先がみつからない」のは治療が困難だからではないのか 2年前の搬送受け入れ不能を今更記事するのは何故だ→「治療を拒否する患者」の治療問題がなぜ「受け入れ不能」記事に化けるのか

拒食症とは
 緩慢な自殺に近い心の病
である。生物は、自ら栄養を取らなければ死んでしまう。赤ちゃんでも小児でもない、自分で食事を取れる年齢の人間が食べることを拒むのは、生命の維持に関心を失いつつあることを示す。
口から飲んだり食べたりできる内は、まだ回復の可能性はある。
しかし、拒食症が進むと、経口での栄養摂取は難しくなっていく。拒食症の患者さんが栄養失調で死なないように、入院させて、点滴を打ち、身体の恢復を図ると共に
 拒食症の原因となっている心のトラブルを解決する治療を続ける
しかないのだ。しかし、治療には時間がかかり、快癒までの道は長い。
だから
 拒食症で何度も入退院を繰り返している患者さんが意識障害を起こすほど、病が重くなっている段階
では、いくら大阪に医療機関がたくさんあるとしても、
 受け入れ可能な病院は極めて少ない
だろう。
 身体と心との両方の治療をしなければ、助からない
からだが、意識障害を起こす段階までに至ると、相当難しいところに来ている。長い時間をかけて
 食べ物を一切受け付けない状態
になっているのだから、点滴を一本打てばいいという簡単な話ではないだろう。長い飢餓の間に、電解質の異常など、体中の生命を維持するための機構が、さまざまなバランスを失っているから、下痢などで一時的な栄養失調状態になっているのとは、処置が違う。
そうした重症の拒食症のことを取材した上で、次の記事は書かれているのか。これを書いた記者は、単に
 拒食症なら、ダイエットのちょっとした行き過ぎ、それが死亡するのは病院が悪い
くらいにしか考えてないのではないか。そして
 2年前にさかのぼって「受け入れ拒否」を掘り起こすことで、デスクに褒められ、部内の賞を貰いたい
という、スケベ根性があるだけではないのか。要は
 自分の出世の道具としての「ためにする記事」
であるとしか思えないのだが。
読売より。


大阪市などで救急搬送拒否、06年に拒食症の少女が死亡

 大阪市などで2006年11月、救急搬送された同市都島区の少女(16)が、周辺の7病院に受け入れを断られ、翌朝に死亡していたことがわかった。


 市消防局などによると、11月30日午後10時20分ごろ、少女の意識がもうろうとしているのに母親が気づき119番通報した。救急隊の到着時は意識があったが、約1時間後に8番目の大阪府守口市内の病院に搬送されたときには少女はショック状態で、約1時間後に心停止状態となった。

 少女は翌日午前9時ごろ、心不全で死亡した。

 病院側は「搬送の遅れと死亡との因果関係は分からない」としている。

 少女は拒食症で、過去にも救急搬送されたことがあったという。

(2008年1月19日11時42分 読売新聞)

亡くなったお嬢さんに合掌。

重症の拒食症を治療するのは、
 本人の意志が、食べることをやめるのを目的とし、体重の減少を「成功」と考えている
以上、大変に難しい。このお嬢さんの場合、過去にも救急搬送されているのだから、2006年に搬送されたときは、相当に悪い状態であったと推察される。
ここまで来てしまうと、残念ながら、一時的な救命はできたとしても、同じことが繰り返される可能性が高い。
心の病の治療はどんなものでも、そう容易ではない。

拒食症から立ち直ることもあるが、このお嬢さんの場合は、不幸な転帰を取ることになった。

過去に拒食症だった若者を何人か知っている。管見の及ぶ限りでも、拒食症が治ったからと言って、本人が楽になるわけではない。その背景にある問題が解決できない類の物であることもあるからだ。

こうした治療が困難な心の病に属する問題を、
 「救急搬送受け入れ不能」問題に分類
する読売新聞大阪本社の姿勢には非常な違和感を覚える。
読売新聞大阪本社に尋ねるが
 自殺企図の「精神科に通院歴のある患者」が搬送受け入れ不能となる
という記事は今後掲載するつもりはあるのか? 今回の事例は、それに非常に近いと思われるのだが。

続き。(15:31)
時事がもう少し亡くなったお嬢さんの背景を書いている。


7病院断り、16歳少女死亡=拒食症で治療拒否−大阪
1月19日12時0分配信 時事通信

 大阪市で2006年11月、救急搬送を要請された16歳の少女が7病院に受け入れを断られた後、搬送先の病院で死亡していたことが19日、分かった。市は搬送遅れと死亡との因果関係は不明としている。
 市消防局によると、06年11月30日午後10時20分ごろ、少女の母親から「娘が食事をせず、起きてこない」と119番があった。間もなく救急隊が到着、搬送先を探したが、7病院に断られ、8病院目となる守口市の病院に搬送した。救急隊が少女の自宅に到着してから搬送先の病院に到着するまで57分かかった。
 搬送先の病院によると、少女は拒食症で、到着時にはショック状態で意識が無かった。約1時間後に心肺停止状態となり、翌朝心不全で死亡した。それまでも複数の病院で受診していたが、治療を拒んでいたという。

時事の記事には、読売の記事が意図的に落としている情報が含まれている。
1. 到着時にはショック状態で意識がない
2. 複数の病院を受診していたが、治療を拒否していた
1からは
 電解質に異常が起きていたことが疑われる、かなりの重症
であることが読み取れるし、2からは
 亡くなった少女の拒食症が「自殺企図」に近いかなり深刻な状態になっていた
ことがわかる。すると、この事例は
 搬送受け入れ不能ではなく、16歳という結婚は可能だが未成年という年齢の女性の重症の拒食症をいかに治療すべきだったのか
という、家族と医療の問題であると思う。
 病院が受け入れられなかった
のではなく、
 そもそも患者さんが病院での治療を拒んでいた
のが、事の発端である。それでも尚、読売新聞大阪本社は
 救急搬送拒否という文言を用いて、医療側を非難する
のか。
 未成年の命に関わる病気の治療には、親の同意を得ずに、医療スタッフが引きずってでも病院に連れてこい
と言ってるのと変わりませんがね、読売新聞。

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コメント

このような記事内容の報道は、最初の病院に救急搬送を断られたら、すべて生じます。

2年前のことでも記事にするなら、
①救急搬送を断った病院に取材して、なぜ受け入れ不能であったのか検証すべきでしょう。
②受け入れ不能の状態が、病院医師の怠慢によるものでない限り、2年まえからすでに救急体制の崩壊があったのもかかわらず、
③行政は救急体制の改善にどのような手立てを講じたのか取材してから、記事にすべきです。
④もし、医師の怠慢による救急患者受け入れ拒否であるなら、当該病院は、救急指定を取り消すように、行政が指導すべきとの報道とすべきです。

最近の「救急車たらい回し」の報道は、なぜ救急患者の受け入れ不能の、救急指定病院が多いのか調査報道がなされていません。医師の怠慢によるのであれば、救急指定病院の指定を返上するように報道すべきでしょうし、物理的に救急患者受け入れ不能状態なら(他の重症患者治療中などで人手が割けない状態など)、なぜこのような事態になったのかの調査報道をすべきです。

建設的な報道とはこのようなものではないでしょうか。皆さんいかがですか。特にマスコミ関係者諸君。

投稿: 龍 | 2008-01-19 16:10

こんにちは。
Yahooニュースでこれを見ました。ニュースにコメントをつける機能があるのですが、それを見る限り割とまともな見方をしている人が多そうです。ネット上の世論ではあてにならないですけれど。

投稿: ppsh41 | 2008-01-19 17:19

一昨年の事例が何故今頃?それも一斉に?余程医療崩壊を促進させたい勢力の意図でも働いているのでしょうか。

投稿: 南島の管屋 | 2008-01-19 20:20

私は香川県に住んでいます。

拒食症歴三十年の五十歳です、身長156km 体重26 BMI10.7 現在拒食症の後遺症で悩んでいます、

身体的、精神的にボロボロで、早く生活を元に戻して食べられるようになり、社会復帰したいし、結婚もしたいです。

とにかく今は太りたいのですが、もう精神障害と、体の衰弱がひどく、日常生活が送れません、
見た目、ガリガリのガイコツで、自分でも怖いくらいです、にもかかわらず、「内科」「精神科」ともに、血液検査とか、ほかの検査をしても悪いところがないからと、入院治療をさせてもらえません。

先日「腎臓結石」で二週間ほど入院したのですが、なおると、もう悪いところがないので早く出て行ってくれと言わんばかり、
前回ほかの病院で「検査入院」したときにもそうでした。

入院している間はちゃんと食べられるのですが、日常では、自分で買い物とか、食事の支度が一切できません、何をしたらよいか分からず、イライラして家族に当たり散らします。

もう家族内でどうこうできる状態ではなく、私自身生きる事、存在することが苦痛で仕方がありません。

早く太って、少しでもまともな精神状態になって温かい家庭を持ちたい、でも、誰も、どこも本当に力になってくれるところはありません。

香川県内は、三十キロ以下は、精神科の施設でも入院を拒否されます、
他県ではどうなのでしょうか、とにかく受け入れて長期入院でも、とにかく太りたいです。

投稿: ここあぱう | 2014-08-11 17:46

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