国立医学部保健学科(旧医療短期大学など)の奇々怪々 ディプロマミルで博士・修士号取得の教員複数判明 朝日はわざと「国立大医学部教授」とだけ書いて医学部全体を貶めるミスリード
国立大学では大綱化に伴い、
医学部併設の医療短期大学(3年制)が改組されて、学部(4年制)に昇格する
ということが行われた。もともと東大医学部などには
保健学科
という、
4年制の看護などを学ぶ課程
があったけれども、それが全国の大学にも及んだ。京大でも保健学科ができたが、内部の認識は
あくまで元医短
で、決して6年制の医学科とは一緒だと思っていない。
もっとも、世間の人はそこまで詳しいことを知らないから
京大医学部保健学科に合格
と言っても、それが4年制か6年制かまでは問わない。話す方も
京大医学部に合格
と、途中までしか話さないことが多いから、もの凄く誤解されている。同じ
医学部
の中にあるから、そういうことになる。医療短期大学は、
医学部併置の専門学校から医療短期大学へ改組
したりしてるから、医学部医学科の教員は、
完全に別物
と考えている人が多い。学内でも、かつては医短は別な学校だという扱いだった。資格取得のためにカリキュラムがびっしり詰まっていて、名前は京大だけど、医短は医短内で完結している形になっていた。特に吉田キャンパス以北の学生とはほとんど交流はなかった。南部構内にいれば、多少は違うだろうけど。
この朝日のニュースもその意味では
医学部ではあるけれども、医短の話
で、医学科の先生方にはまず無関係で、迷惑でしかない話だ。てか
国立大学医学部医学科の教授選の実態
を知っていれば、こんな
医学部教授を貶めるだけの見出し
を付けたりしないはずだ。で、書いてるのが朝日だから、
医学部のことは熟知した上でミスリードを狙った、悪質な記事
としか考えられない。
こんどは国立医学部破壊工作
ですか、朝日新聞。
だいたい、医短系の保健学科とか看護関係の大学・学科の教員の
学位や学歴
というのは
実務系と研究系が入り乱れた状態
なので、滅茶苦茶である。幼児教育関係学科もそうだけど、この手の
資格取得系実務学科
には、独特の雰囲気がある。近年、看護学科が雨後の竹の子のように増設されたので、教員募集はいよいよ奇々怪々になっている。そもそも、以前は国内では看護系などの大学院の定員がそんなに多くなかったから、修士や博士の数が絶対的に少ない。東大が保健学科の大学院を作ったのが昭和40(1965)年で、これがたぶん一番早いと思うけど、その後、看護などの大学院があちこちにできるまで、かなりブランクがあるから、海外に留学して学位を取ったというのでもなければ、修士・博士の正式な学位を持っている年長の教員は非常に少ないだろう。
朝日より。
ニセ学位、国立大医学部教授も 昇進時、経歴に採用
2008年01月26日10時11分国立大学医学部の教授らが昇進や採用の際、米国で学位として認定されていない「博士号」や「修士号」を経歴として使っていたことが25日、わかった。真正な学位と紛らわしい呼称をめぐっては、文部科学省が昨年12月、「高等教育に対する信頼低下につながりかねない」として注意を払うよう全大学に通知している。
欧米には研究などの実態がないのに大学を名乗って学位を売る機関があり、「ディプロマ・ミル」(学位工場)と呼ばれる。今回明らかになった学位は、いずれも米国の評価機関が大学と認定していないニューポート大から得た人間行動学の博士号と修士号だった。
金沢大医学部保健学科で理学療法を教える男性教授は、02年にニューポート大の博士号を取得した。03年、この学位も記載した書類で選考に臨み、助教授から教授に昇進した。
金沢大によると、教授選考では、(1)業績(2)博士の学位がある(3)教育の経験がある——の3条件を総合的に判断する。男性教授の場合、選考過程で「ニューポート大とは何だ」と話題になったが、業績が優れているため昇進が認められたという。
男性教授によると、ニューポート大からのダイレクトメールをきっかけに、約3年間にA4判3枚ほどのリポート約50本と博士論文を同大日本校に日本語で提出し、博士号を取得した。費用は230万円ほど。当時、非認定校とは知らなかったという。25日現在、大学のホームページ(HP)の経歴欄にニューポート大の学位を載せている。
男性教授は「日本校なので日本語の論文でも変だとは思わなかった。大学で教えるには学生に対する指導力が必要。そのために勉強して博士号を取りたかった」と話す。
金沢大医学部保健学科の女性准教授(看護学)は97年にニューポート大の修士号を取得して経歴に載せ、99年に講師から昇進した。今年1月、大学のHPから該当部分を削った。准教授は「働きながら学べるのでニューポート大を選んだ。勉強しなくても得られる学位と誤解されるのが不快で削除した」と説明する。
金沢大はこの2人について、昇進は業績が優れていたからだとして、処分などは考えていないという。しかし今後は非認定校の学位が経歴にある場合は判断材料にすると説明する。
三重大医学部看護学科は、98年にニューポート大の修士号を取得した私立短大の女性助教授を04年に教授に採用した。02年に国内の別の大学でも修士号を取得していた。06年に三重大を辞め、別の私立短大に移った。
この教授は今年1月、独立行政法人科学技術振興機構がネット上で公表している経歴からニューポート大の修士号を削除した。教授は「お話しすることはない」。三重大によると、採用時にこの学位は書類にあったが、「選考過程において考慮していない」という。
文科省が昨年末に公表した全大学・短大を対象にした調査では、44大学の教員49人の非認定学位が、採用・昇進の際に経歴に記載されていた。大分大工学部は昨年10月、非認定学位を経歴に使用した准教授の採用を取り消した。
同省の担当者は「真正でない大学の学位を経歴として使っているのは問題だ。採用の際は大学側は意識を持って調査してほしい」と話している。
社内では
東大閥が幅を利かせている朝日新聞
は、当然
東大医学部保健学科
についてよく知っていたわけだから、この記事の
国立医学部教授
という言い方が、
ミスリードを狙った悪意のある表現
であることは間違いない。てか在学中に
あいつは、医学部っていうけど、保健学科だからな
とか、2005年4月までは看護短大から編入学ができたので、
保健学科は短大から編入できていいよな
とか、散々悪口を言ってたんじゃないのか、朝日の記者。
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コメント
今朝、赤日新聞を見て明らかな意図的見出しに立腹しました。
医学部医学科と医学部他科の違いの実情を知らない一般人は、「ホラ医学部教授ってこんな奴らさ、医学部体質は白い巨頭のままなんだ」と思い込ませる赤日の意図などわからず妄信する。
看護師をはじめとして理学、作業、言語聴覚療法士は専門学校卒が多く、修士どころか学士もない人も多い。だから、夜間大学に通い学士、コツコツと修士、そして二部の大学院で博士を取る人もいる。しかしそんなことができるのは都会に住む一部のパラメディカルだけだ。言語聴覚士は、以前は4年大学卒以上で専門学校コースだけの時代も長かったので、修士までもっている人も多かったけれども。
適当な審査をした大学の杜撰さは指摘されてしかるべきだが、教員育成体制不十分なままにすべてを4年制大学にすることの是非についても語るべきだ。実技系の教官に果たして博士は必要なのか?
投稿: 雪の夜道 | 2008-01-26 12:49
この手は予備校とか進学校がよく使う手でもあります。「医学部合格10名!(ホントは保健学科8名)」とか。
また、旧帝大だと保健学科は他学部よりかなり入りやすいので、ここを大量に受験→合格させて
「旧帝大合格50名!(ホントは保健学科25名)」なんてやってる進学校もありますね。残念ながら奈良にも。
投稿: ただの(ry | 2008-01-27 00:41