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2008-01-12

観光立国の正体 過去最高の入国者、出国者は減少の意味するところは「貧乏な国は旅行しやすい」→新聞各社の冬のボーナスは高額で「庶民の味方」なんてウソ

アジアからの観光客が増えている。
朝日より。


昨年の外国人入国者、過去最高915万人
2008年01月12日02時49分

 07年の外国人入国者数は約915万人で、前年より約104万人(12.9%)増えて過去最高となったことが11日、法務省の集計(速報)で明らかになった。900万人を突破するのは61年に調査が始まって以来初めて。とくに日本に中長期的に滞在する外国人の再入国を除く新規入国者の伸びが14.7%増と大きかった。アジア諸国からの観光客が増えていることが影響したという。

 一方、日本人の出国者は、約1730万人で前年より1.4%減少した。減少に転じるのは、03年以来4年ぶり。原油価格の高騰による国際線の航空運賃の値上げが原因と見られるという。

「観光立国」というお題目から見ると、メデタイお話のようだが、実態は違うんじゃないの、という指摘を、昨年、沖縄観光速報の渡久地明編集長は次のように指摘していた。「渡久地明の時事解説」より。


2007年10月11日 不況でハワイに行けなくなった日本人
(略)
つまり、ハワイは2000年頃から米本土のリゾート客が増えだし、客室が足りない状態となって価格が上がった。それに対して、日本人は不況で旅行費用を減らす方向にあり、行き先をハワイから中国などに変更している。旅行社も値上がりしてお客を集めにくくなったハワイより、中国や東南アジアのリゾートを売っている。夏場の沖縄リゾートは海外リゾートからのシフトが起こり、ズーッと好調である。夏場以外も価格をほぼ旅行社の言いなりに下げている沖縄の方がますます売りやすくなっている、ということなのだ。

以上は推理であり、状況証拠を集めただけだが、かなり正解に近いのではないか。

もし、このまま日本が間違った構造改革路線を突き進むと景気は全然回復せず、一人当たりGDPはどんどん世界に追い越される。1993年と94年に日本の一人当たりGDPは世界一だったが、図のように昨年は18位まで後退した。
(「日本経済復活の会」より転載)
http://www.tek.co.jp/p/
(グラフはクリックすると拡大します)
070801_chart

世界中が成長している中、日本だけがバカな構造改革を継続することで、順位はさらに下がるだろう。つまり、東南アジア諸国が経済的に日本をどんどん追い越し、物価や賃金の安い日本旅行に行きやすくなる。この事もあって、小泉政権でできた観光立国という政策は当然に実現される。
(以下略)

要するに
 日本が貧乏になって、アジア諸国から見ると「お得な旅行先」になったから、入国者数が増えている
ってことだ。
観光というのは、観光客の懷具合が一番に反映される業種だから、
 日本人の懐具合がイイか悪いか
が、よく見えてくる業種だ。
渡久地編集長は、別な記事で
 日本人の懐具合を階級別給与所得者の構成比グラフ
をつくって、
 98年以降、日本人の給与所得が減っているのが、ハワイへの旅行者減少に影響している
と分析している。
2007年10月24日 ハワイに行かなくなった日本人
確かに、このグラフはショックで、
 一部を除くと、日本人は総体に貧乏に転落しつつある
のが理解できる。

「お得な旅行先」といえば、つい最近までは、中国語さえ出来れば、中国本土は実に日本人にとっては
 安価な旅行先
だった。学生の貧乏旅行の定番の一つが
 船で中国に渡って、鉄道で旅行
だったりした。しかし、大都市ではホテルの料金が上がっていて、食品の安全性や環境汚染や鳥インフルエンザがこのところクローズアップされており、
 別な意味でコストアップした旅行先
になってきている。北京や上海などの宿泊費は上がり続けているし、食べ物は当然のこと、水や空気もよくないし、南京市で起きた鳥インフルエンザのヒト→ヒト感染も、
 感染源不明
という怪しげな状態なので、今わざわざ中国へ行く必要はない。

一方で、
 格差社会
という言葉がたわごとに見えるくらい、中国本土では貧富の差が大きく、
 お得な日本でお買い物
という中国の富裕層が日本にやってくる。中国の富裕層は、日本に限らず、欧米にも出かけていき、一頃の
 ブランドショッピングに明け暮れるアジア人
は、いまや
 中国人
に取って代わられている感があるらしい。数年前に香港のDFSに寄ったときに、いきなり割り込んできたのは、中国本土からの観光客だった。中国の平均年収を考えると、DFSにやってくる類の中国人は、大金持ちや中金持ちではないが、ブランド品を買う余裕のある小金持ちなのは確かで、その後、この層が更に増加しているだろう。もちろん
 最貧層
を形成する地方(それも僻地)農民層との格差は、社会主義国とは思えないくらいに開いている。

結局の所、
 10年掛けて、どんどん「国民が貧乏になった」
のが、今の日本だ。大企業は儲けているらしいが、所得がアップしたという実感は薄い。
企業人は何を考えてるのか知らないが、
 空前の利益が、国を利することがない
のが、現在の日本の不幸であり、
 一握りの富裕層の方を向いた商売
だけがメディアで喧伝されている。

そりゃそうだろう。
 マスコミ人は高所得
だからだ。FACTAより。


格差歴然 新聞52社「ボーナス一覧」
「日経」が「朝日」を抜き日本一に。「毎日」「産経」「時事」は凍え死に。ブロック紙と地方紙も勝ち負けがくっきり。

2008年1月号

ここに示した新聞各社の冬のボーナス(年末一時金)一覧表は、マスコミが報じないため、まずお目にかかれないものだ。朝日、毎日、読売、日経の大手紙(産経は非加盟)と、各地のブロック・地方紙の労働組合が加盟する産別組合、「新聞労連」の内部資料に、本誌の独自取材を加えた。とくとご覧いただきたい。

本誌は全国紙の都道府県別発行部数一覧(07年7月号)や、主要50雑誌の販売部数激減ぶり(同8月号)など、わが国マスメディアの知られざる実像を報じてきたが、今回はその第3弾。新聞各社の「懐具合」がつぶさに分かる(関連記事:特集「メディアの深層」)。

新聞記者を目指すご子息を持つご両親。「冬の時代」と言われても「腐ってもマスコミは高給」などと幻想を抱くなかれ。新聞業界も勝ち組、負け組がくっきり。しかも勝ち組にも木枯らしが吹き始めている。

「3大紙」と言えば朝日、毎日、読売というのが長らくニッポンの常識だった。しかし、本誌7月号が指摘したように、毎日はすでに日経にその地位を奪われている。10月の「ANY」提携会見しかり。朝日(A)、読売(Y)は毎日(M)ではなく、日経(N)をパートナーに選び、3社長揃い踏みで電子メディアや販売などでの提携を発表した。

日経は30歳で126万円!

ボーナスの額を比べると歴然である。表で「回答額」とあるのが各社の冬のボーナスだが、毎日の回答額は35歳モデルで100万円を切る87万円。一方、日経は30歳モデルで126万6千円と、年齢差を無視した単純比較でざっと40万円、年齢差を考慮した実質格差は50万円近くに達する。

ちなみに新聞労連非加盟の産経も、夏期は37歳で84万3千円と毎日並みだった。一般の大企業の今冬ボーナスが平均82万円(日本経団連調べ)。それに比べて毎日、産経が低水準とはいえないが、新聞業界というムラ社会では、朝日、読売、日経の「勝ち組」と、毎日、産経の「負け組」にくっきり分かれている。

勝ち組の中では、日経の40歳171万7千円が頭ひとつ抜け出した。朝日の41歳167万5千円を上回り、30歳での数字も126万6千円と、読売の同年齢117万5千円を上回っている。

「今冬の最大の話題は、名実ともに日経の首位奪取。日経の30歳支給額が共同の39歳と肩を並べた。30歳モデルで126万円というのは、驚異的なレベルだ。かつては朝日が断トツだったが、部数減、広告減の二重苦で日経の後塵を拝することになった」――大手紙労組の幹部はこう解説する。

ただし、朝日の場合は、別に社外秘の「リフレッシュ手当」なる一時金があるともいわれる。さらに、残業代を含まない月次の本給および家族手当などからなる「基準内賃金」(いわゆる基本給)をベースにして見ると、日経は「3.57」カ月分、朝日は「3.22」カ月分。つまり、月給では依然、朝日が首位だ。

中京圏のガリバー紙である中日新聞の子会社である東京新聞も、40歳で134万5千円と、それなりにいい数字だ。同紙はかつて「都新聞」といい、文芸などに独特の強みを持つ東京ローカル紙だったが、経営難から中日に買収された。旧東京社員は悲哀をなめたが、待遇はすこぶるよくなった。

通信社では、共同通信が39歳で126万9千円と、大手紙のやや下につけているが、時事通信は30歳モデルで68万7千円と毎日、産経よりさらに苦しい。記者クラブに夜遅くまで居残って「アルバイト原稿にいそしんでいるのが時事。次いで毎日、産経」と揶揄される所以だ。

新聞社「冬のボーナス」一覧
新聞社/年齢/基準内賃金(注1)/要求額(注2)/回答/前年比/回答額÷基準内
全国紙
朝日新聞/41歳/519,670/1,675,297/1,675,297/-6,454/3.22
毎日新聞/35歳/345,700/1,000,000/870,107/63,540/2.52
読売新聞/30歳//1,230,027/1,175,539/-10,667
日本経済新聞/30歳/361,105/1,306,832/1,266,639/-25,269/3.51
日本経済新聞/40歳/481,267/1,752,618/1,717,468/-35,048/3.57
共同通信/39歳/457,692/1,454,300/1,269,000/-7,000/2.77
時事通信/30歳/273,310/859,930/687,281/5,472/2.51
(以下略)
(注1)基本給や扶養手当、通勤手当、住宅手当など、原則的に毎月金額が変動しないものを指す。多くの組合は、ボーナスについては例えば「3.5カ月分」といった形で、経営側に要求を出す。一方、裁量労働手当、残業手当や休日出勤手当は基準外賃金にあたる。朝刊の締め切りまで働くため労働時間が長い新聞記者の場合、この基準外賃金が通常の業種に比べ、大変多いのが一般的だ。
(注2)新聞労連は、冬のボーナス闘争について、傘下の労組に対し、10月29日から11月1日を第1次統一行動日と指定し、要求書を提出するように指示している。その際の労組からの要求金額が「要求額」。統一回答日を11月8、15、22、26日と指定しており、交渉次第で第3次、第4次と回答数を重ねることも多い。本誌が読者の手元に届くころには、相当数の新聞社では冬のボーナスが確定しているとみられる。

まあ、
 庶民の味方
を気取っても、所詮は
 大企業の味方
なのが、メディア各社ってことですな。だから
 一部の富裕層向けのレジャー情報に熱心
なわけだ。新聞やテレビで扱う
 旅行特集
では、最近、団塊の世代の懐を狙っているとおぼしい
 ちょっと豪華な旅行
が多いよね。
 薄利多売
よりも
 大きな儲けで一発勝負
というのが、最近のメディアの「旅行関係情報」だ。それだけ見ていると
 日本人が貧乏になっている実感が沸かない
もんね。

原油高が続く今、
 富裕層以外の海外旅行はサーチャージを考えると更に減少する方向
に向かうだろう。原油高が元になった
 諸物価高騰
は、家計を直撃する。
 給与は上がらず、物価が上がる
のでは
 可処分所得が減り続ける
わけで、
 観光立国=貧乏な日本の横っ面を外国人が札束で叩くための施策
に成り下がる日も近い。
観光政策で見る限り、いまの日本の政治家は
 目先の利益を重視
して、
 10年後に日本がどうなるかまるで考えてない
と思われる。
 ヨーロッパの観光地が「買いたたかれる」
ことはあまりなさそうだが、今のやり方を続けると
 日本の観光地が「買いたたかれる」
のは間違いない。
それだけの魅力が日本の観光地にあるとは思えないからだ。むしろ
 日本の固有の魅力を減退させる方向
に、多くの観光地とか観光地を抱える自治体が迷走しているように見える。
 安っぽい、どこも似たような観光地
には、魅力はないのだが、
 ハコモノを誘致する毒薬
には抗えないらしい。日本の観光地が整備すべきは
 サービスと、「他では得られないユニークさ」
なんだけど、それが分かってないからな。
湯布院に数年前に行ったとき、どこも
 へんてこな民俗調看板としつらえ
で、
 映画のセットを見るような気味悪さ
を感じた。ちっとも"at ease"じゃないのだ。
あの手の
 へんてこ民俗調街作り
が、全国の観光地で行われている。どこへ行っても
 自然木をスライスした看板に「ヘタウマ現代書」の文字、店内には和紙のPOP(で、書いてある文字はやはり「ヘタウマ現代書」)
では、底が割れてしまう。最近は
 奈良町も「湯布院」化
しているので、あまり寄りつかなくなった。今年は
 鹿男あをによし
なんて、奈良が舞台のドラマもあること故、観光客は増えるだろうが、そうした人たちを満足させられるだけのサービスがあるか、というと、これが情けないほど欠乏している。
 なんでもかんでも値段が高い
というのもネックだ。朱鳥の手ぬぐいはデザインはいいけど、奈良であの値段はないぜ。この辺りが
 大仏商法
と言われる所以ではないかと思いますがね。
ま、
 お泊まりはどうぞ京都へ
と、奈良市民としてはおすすめするしかないですな。京都の
 金に見合ったサービス精神
は、見事なモノだ。山を越えて奈良に来ると、どうしてここまで
 もてなしの文化
が劣化するのか不思議だ。

明治期に、日本の文物がその安価さで大量に海外に流出したが、21世紀は
 日本大流出の時代
になるかもしれませんな。流出するのは文物だけでなく
 人材や資本
だろうね。すでに
 日本で不足している外科医

 海外流出を始めている
のだから。日経ビジネスオンラインがこの問題について1/9付で取り上げている。
若い外科医が海外に逃げていく--もう1つの医療崩壊 2008年、どうなる日本の医療【第1回】2008年1月9日 水曜日 風間 浩
しかし、医師は英語の問題さえクリアできれば、海外脱出できるが、
 新聞記者
なんて、ぎちぎちに日本語と日本の特殊事情にローカライズされている職業は、よほど外国語に堪能というのでもない限り、逃げ場はない。
 再版・特殊指定廃止
で、高収益体質が破壊されたとたん、今の高水準の給与体系の維持は難しくなるわけで、それを睨んで
 他業種への転職する記者
がいるわけだ。いまんところ、若い記者は出版社などへ、そこそこのキャリアを積んだ記者は大学教員へ転職していくみたいだけど、どっちも
 構造不況業種
であることは間違いない。少子高齢化の日本では、今後
 日本語の本が爆発的に売れたり、大学へ進学者が増加する
ことはないからだ。コンテンツが日本語である、ということは
 利益は、日本語使用者の数に依存する
ってことで、
 日本語使用者が減る
ことになれば、
 マーケットの縮小
を意味する。それに
 老齢になると、本を読むにも、視力が落ちる
からね。
 老後は読書三昧
と計画を立てても挫折する理由はそこにある。そもそも
 視覚障碍者の大半は高齢者
なのだ。古い統計だけれども、
 視覚障碍者の内60歳以上が72.9%
である。

日本語オンリーの新聞記者のキャリアで甘い汁を吸える年代は50代までかな。

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コメント

私のブログを引用してくださり、ありがとうございます。

適切かつ私の主張を発展させる形になっており、うれしいです。

投稿: 渡久地明 | 2008-06-15 01:57

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