« 平城遷都1300年記念事業の最低キャラ「鹿坊主(仮称)」の破壊的インパクト(その2)電通が牛耳るこのイベント、デザインコンペではなく、籔内佐斗司に絞ってデザイン料は500万円って県民の税金の無駄遣い 来月は朝日×松岡正剛というバブルの残り香漂うシンポも開催→県立病院医師の残業代はバックレても、電通に県民の税金をほいほい使う奈良県 | トップページ | 情報亡国 青森県警 やっと私用パソコンを署内から一掃できる見込み »

2008-02-26

産科崩壊 「分娩時のトラブルで脳性麻痺になるのは2割以下という医学的知見」を無視した偏向報道 ニュースアンカー “訴訟リスク”軽減?新しい補償制度医療崩壊への切り札か@関テレ 2/26 18:30過ぎ

出生時の脳性麻痺については、
 分娩時のトラブルが原因で脳性麻痺になるのは2割以下
ということが、アメリカの研究で指摘されている。つまり
 脳性麻痺の8割は原因がよく分からない
のだ。
このことについては、以下に。
 2007-03-01 全国の産科・外科崩壊か 「1時間以内に帝王切開できない産科は過失あり」と横浜地裁 常勤麻酔医がいても、1時間以内に帝王切開が開始できる産科は日本に果たしていくつあるのか?→追記あり
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/03/11_7532.html

ところが、先ほど
 関テレの「ニュースアンカー」
では、あたかも
 出生時の脳性麻痺のほとんどは医療ミスが原因という印象操作をする報道
を行った。
内容メモは以下の通り。


脳性麻痺について、「産科無過失補償制度」が作られるという。
柴田義朗弁護士「医者を守る制度になる」
補償制度を問う。

この制度で脳性麻痺の赤ちゃんや家族は救われるのか。

ケース
岸和田に住む、谷内みなみ(7)ちゃん。
分娩時の事故で脳性麻痺に。

母親「言葉は出ないので、そりかえったりして身体で意志を表現」

養護学校の送迎バス乗り場までつれていく。
寒い日は注意が必要。
みなみちゃんは体温が低いので、気温4.5度以下はしんどい。
体調を崩しては入退院を繰り返す。

岸和田市民病院で出産。
当時、主治医は出張中で、別な医師が担当
お腹をおした
母親「お腹をぽんと押したら痛かった
次の日見たら、あざになっていた
押したら出るんかな、と思ったけど、推された後、陣痛を感じなくなった。
担当医は、『どうしようどうしよう』とうろうろ。
自分で判断できず、電話で主治医に聞いて帝王切開した。」

母親「生まれてきたら、脳のくも膜下出血があり、『2日くらいしか保たない』といわれたので、呼吸器もチューブも全部外した。」
その後、奇跡的に回復。

脳性麻痺は1/500程度の頻度で起きる。
医師の過失によるものか先天性のものかの判断が難しい。
家族は、医師や病院から詳しい説明を受けられず、裁判が起きる。

そうした訴訟を減らすために考えられているのが、「産科無過失補償制度」だ。
骨子は、最高2500万円の保証金で、家族を救済する。
訴訟
日本医療機能評価機構の上田茂理事
「産科の充実をはかり、医療崩壊を防ぐ。」

本当に医療訴訟は減るのか

金銭的な補償だけでは取り払えない厚い壁がある。
母親「担当医は黙っていた。
実際どうなっていたのかは、スタッフと自分の記憶しかない。
その時の病院の説明では納得いかなかった。」

娘は何故脳性麻痺になったのか、を知るために、谷内さん夫妻は訴訟を起こす。
母親「担当医が嘘八百を並べる。ないことばかり言ってきた。」

当初病院は、全面的に争う姿勢だった。
しかし、主治医が、担当医の報告に疑問を抱き、状況を再確認。
母親「主治医が本当はこうだった、と教えてくれた
担当医が嘘をついた、と。」

二年の裁判は、賠償金を支払うことで和解が成立した。
また、「医療事故調査制度」も作られようとしているが、調査対象は死亡事故で、障碍を負ったケースは置き去りになる。
医療訴訟に詳しい柴田義朗弁護士
「お金を払っておしまい、真相究明はできない。却って訴訟が増えるのでは。」

「産科無過失補償制度」の対象となるのは、すべての脳性麻痺ではない。
・33週以上
・2000g以上
・障碍1級2級のみ
で、
・制度の加入は任意
だから、未加入病院で出産して脳性麻痺になった場合は補償の対象外。

母親「訴訟リスクが減るから、で産科医が増えるとは思わない」

父親「誠意を持って、謝罪してもらったらよかったのに。」

真実が明らかにならない限り家族は救われない。

谷内さんのケースのように責任を逃れる医師もいる。

公平な立場で行う機関が必要。
産科医療にはまだまだ改善点がある。

で、夜中に報道特番をやるらしい。

ところで、この報道が問題なのは
・8割が原因不明の出生時の「脳性麻痺」が、すべて、あたかも今回の不幸な例のような「分娩時のトラブルが原因」という印象操作を行っている点
にある。また
 産科無過失補償制度は、「救命可能な程度に成長した赤ちゃんが生まれた時に適用」であることを無視
して、
 「33週未満=8カ月以下」「体重2000g未満の低体重出生児」が含まれてない点をあげつらう
という、
 どんな小さい、未成熟の子どもでも「普通の子どもとして生まれてこないのはおかしい」という誤った考え方
に基づいている。一体
 8カ月以下で生まれた「月足らず」の赤ちゃんや、2000gにならない、うんと小さい赤ちゃんが、「全員無事に育つ」
とでも? それとも
 どんな赤ちゃんでも生まれてきたら、「全員健常児」じゃない限り「医療ミス」
なのか、関テレ。甚だしく間違ってませんか。
しかも
 真実が明らかにならない限り家族は救われない。
って、
 真実、すなわちなぜ脳性麻痺になったのか分からない例が8割あるのに、誰かを「脳性麻痺を起こした犯人に仕立てたい」
ということなのか、関テレ。
 人間は原因不明で障碍を負ったり、死んだりする
ということを、どうして認めないのか。相手は
 生物である人間であって、機械ではない
のだ。生命は不確実なモノだ。

ちなみに、岸和田市民病院では、今はもう赤ちゃんは生まれていない。産婦人科が休止になったのである。


2006.04.01
産婦人科休診のお知らせ

市民病院産婦人科では、現在、診療を休診させていただいています。昨年より医師の確保について努力していますが、全国的な産婦人科医の不足により、未だ確保できていない状況です。 市民の皆さんには大変ご迷惑をおかけしますが、引き続き医師の確保に努力いたしますので、ご了承いただきますようお願いします。

市立病院長

|

« 平城遷都1300年記念事業の最低キャラ「鹿坊主(仮称)」の破壊的インパクト(その2)電通が牛耳るこのイベント、デザインコンペではなく、籔内佐斗司に絞ってデザイン料は500万円って県民の税金の無駄遣い 来月は朝日×松岡正剛というバブルの残り香漂うシンポも開催→県立病院医師の残業代はバックレても、電通に県民の税金をほいほい使う奈良県 | トップページ | 情報亡国 青森県警 やっと私用パソコンを署内から一掃できる見込み »

コメント

突っ込みもせず適当に報道をやっててもテレビ局員は高収入です。
何故ならテレビ局の電波利益率は1000倍もあるから。

「本邦初公開?」
http://www.taro.org/blog/index.php/archives/822
> テレビ局の電波利用料負担は、ここにあげなかった局を含めて総計で34億4700万円にしかならない。
一方で営業収益は3兆1150億8200万円。
電波を独占して上げる収益に対して利用料が千分の一。
低すぎませんか。

「テレビ局の「電波利益率」は1000倍」
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/dce87ecf00380d09026693ba8c17a253
> 「著作権」でも「言論の自由」でも何でも口実にして、彼らが電波利権を守りたい理由がよくわかる。

投稿: Nobody | 2008-02-26 23:45

夜の特番見ました

始まりは大淀の原告家族
終わりは大淀の原告家族

まあ、結局、自然の摂理を語ることなく、医療への要求だけ
それでも伊藤氏は、一昨年のNHK特番より進歩したように見える
所詮は彼にとって飯の種の他人事ではあるけれど

縦棒グラフでスケールを誤魔化したり、誤解を業と招くことをしてみたり
非常に作為的である報道であることは変わりなかった。

個々の産科の先生はご自身を守るために、自身のできる範囲を制限するべき
もう白旗揚げようよ

手術して、出産補助して、記録して、休んで、普通の生活して、
その範囲の外にあることは責任の外でしょう

外来しながら、当直、産直なんて侠気の沙汰です

まずは生き残りましょう。
次の時代がどうなるかは、ご自身が生き残らなければ関係ないことです

投稿: Med_Law | 2008-02-27 04:11

岸和田市民病院の産婦人科に赴任していた(20年も前)先生を知っています。その先生は親切で腕も良く、来る妊婦が多かったので、深夜もよく働きました。1人では無理なので医局(京都大学)に増員を要請したのですが、受け容れられずに時間が過ぎました。ところが、時間外手当が多くなり、市議会で「問題だ」と言われたそうです。頭に来た先生は産科から内科に移りました。面白かったのは、何年か後に「内科」で再度、岸和田市民病院に赴任したことでした。「祭りが命」の地域らしいですから、救急現場などは大変なのではないかと想像します。

投稿: Nebula202 | 2008-02-27 09:24

私も、岸和田市民病院で出産しました。
初めての出産では、42時間に陣痛に耐えました。
分娩台に乗って1時間してもなかなか赤ちゃんが出てこないから、看護師が
主治医に電話で連絡。看護師は「食事中って、でも赤ちゃんが出てこないんです」と
助産師は、また電話。
少ししたら、他先生が来られ、分娩台に乗って私をまたいで、お腹を押さえて、
下では、助産師が赤ちゃんを引っ張り出していました。
めっちゃお腹が痛かったです。
赤ちゃんは、出てきましたが、泣かないため小児科入院になり、保育器に入り、鼻から管を入れられ、かわいい小さい手には、点滴を射されました。
顔も膨れていました。
小児科の先生には、「後遺症が残り、障害が出るかも知れません」と言われました。
長女は、障害も出ず10歳の元気に過ごしていますが、
42時間も陣痛に耐えさせたことも異常と言われました。
ある病院の先生に、もっと早くに帝王切開にするべきだという話もされました。
昨日の医療事故で人事とは思えなかったです。
産科が無くなっても仕方がないのでは?と思いますよ。

投稿: メイプル | 2008-02-27 10:18

 メイプル さん、こんにちは。

 陣痛って、何時間ぐらいの人がどれぐらいいるのか、ご存知ですか? 42時間って、そんなに異常ですか? 分娩台に乗って1時間で赤ちゃんが出て来ないって、では何時間で出てくるのが普通だとお考えですか? 経腟分娩が可能な赤ちゃんを帝王切開で出すべき理由は何ですか? 赤ちゃんが泣かなかったのはなぜですか? 陣痛が長かったからですか? それともお腹を押したからですか? 医者がご飯食べていたからですか?

 無事に育ったお子さんには、果たして何と教えていらっしゃるのでしょう?

投稿: rijin | 2008-02-27 12:10

メイプル さん、こんにちは。

食事を取ったことを怒ってられるようですが、食事・睡眠を取れないようなシステムが問題だと思うのは私だけでしょうか。法の未整備の結果、このような不備が出てきており、本来なら、そのシステムを作った行政・立法府が攻められてしかるべきなのですが、結局いつも現場の人間が攻撃の対象となってしまい、それに嫌気がさしてみんな辞めてしまいます。

診療が遅くなって嫌な思いをしたのなら、医療費増額・医師数増加を要求するほうがよっぽど建設的だと思いますよ。

ただし、国はそんな気は全くないようですが。

投稿: 暇人28号 | 2008-02-27 13:04

メイプル様: こんにちは

>祭りが命」の地域らしいですから、救急現場などは大変なのではないかと想像します。(私)

>昨日の医療事故で人事とは思えなかったです。産科が無くなっても仕方がないのでは?と思いますよ。(メイプル様)

本文を読まれましたか?「事故」が無くとも障害を持って生まれる新生児は出るのです。本文に寄れば、「なぜ脳性麻痺になったのか分からない例が8割ある」のです。医師が最もいやなのは「理解力が無く、自分の(根拠のない)主張を声高に叫ぶ患者」ではないでしょうか?やはり「祭りが命」の地域に医療はふさわしくないのですね。

投稿: Nebula202 | 2008-02-27 13:12

>メイプルさん
あまりにピンポイントな誤爆なので
性格の悪い医者の書いた釣り?
って感じちゃうんですけど。

投稿: nyamaju | 2008-02-27 13:46

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 産科崩壊 「分娩時のトラブルで脳性麻痺になるのは2割以下という医学的知見」を無視した偏向報道 ニュースアンカー “訴訟リスク”軽減?新しい補償制度医療崩壊への切り札か@関テレ 2/26 18:30過ぎ:

« 平城遷都1300年記念事業の最低キャラ「鹿坊主(仮称)」の破壊的インパクト(その2)電通が牛耳るこのイベント、デザインコンペではなく、籔内佐斗司に絞ってデザイン料は500万円って県民の税金の無駄遣い 来月は朝日×松岡正剛というバブルの残り香漂うシンポも開催→県立病院医師の残業代はバックレても、電通に県民の税金をほいほい使う奈良県 | トップページ | 情報亡国 青森県警 やっと私用パソコンを署内から一掃できる見込み »