« 外科崩壊 高齢化で手術件数は増加しているが外科医は恐ろしいペースで減っている 日本は交通外傷も一般の外科手術もできなくなって「いま助かっている患者」が死ぬ国に | トップページ | ココログ メンテ明けは »

2008-02-05

外科崩壊 高齢化で手術件数は増加しているが外科医は恐ろしいペースで減っている(その2)団塊の世代を直撃する外科医の絶対的不足

さて、
 40歳未満の外科医の絶対数が不足
しているということは
 団塊の世代の健康を直撃する
ということとほぼ同義だろう。
団塊の世代は、殺しても死なないというしぶとい印象を持たれてはいるが、さすがに現在59-61歳だから、相対的に健康面では不安を抱え出す年代である。
団塊の世代の
 健康面でのモデル
は現在生きていれば90歳近い自分の両親だろうが、この年代は、最近までなら
 濃厚医療を受けられる高齢者
だった。従って
 自分たちも、死ぬまで濃厚医療を受けて、出来るだけ長生きでいる
と、団塊の世代は漫然と考えているだろう。

ところが、江原先生の論文で明らかになったのは
 40歳未満の外科医が極端に少ないという事実
である。たとえ、あわてて
 外国から外科医を「輸入」
したとしても、800万人近い団塊の世代がこれから発症するだろう
 癌・脳疾患・心臓疾患の大手術に対応できる外科医をまかなうことは出来ない
のは、目に見えている。なおかつ、ロシアンルーレットのような話だが
 ここ5年以内に上記疾患で手術の必要性が出る
場合なら、まだ、治療を受けられるかも知れないが、
 5-10年後なら、高齢者の手術適応自体が難しくなる
可能性が高い。高齢者の線引きをどこでするかは、今のところ不明だけれども
 75歳以上を早々にカットする
のは、既定路線だろうし、その内
 70歳以上も場合によってはカット
ということになるのが、ここ10年以内に起きそうな
 手術待ちの優先順位決定ルール
である。70歳以上の手術適応が難しくなるのがいつになるかが分からないけれども、かなり近い将来に起こることは間違いないと思う。つまり
 三大疾病での手術適応の年齢制限が始まり、その年齢が年々引き下げられる
ということなのだ。いくらあがいても
 手術できる外科医の先生がいない
のだから、これはどうしようもない。金持ちなら、海外で手術するなどの方策はあるが、そんな余裕のある団塊の世代の高齢者は、果たしてどのくらいいるだろうか。

結局、
 日本政府が団塊の世代の高齢者を「医療砂漠」に追い込んで、徐々に殺していく
という話になる。
団塊の世代の見ていた
 高齢者の健康モデル
は、実は
 日本でも未曾有の「恵まれた医療」を受けられた世代だった
ってことになるのかな。
その内、数を頼みに
 高齢者にも手術適応を
とか
 高齢者にも濃厚医療を
とか、団塊の世代が社会運動を展開するかも知れないけど
 少ない外科医を、社会を支える労働人口世代と奪い合う
なんてことになったら、
 本当に日本はあっという間に転落
するだろうな。てか、
 高齢者の年金は、働く世代が負担している
んですがね。最近
 年金未払い問題

 払った年金が貰えない
と、マスコミがミスリードしているけど、いま年金を貰っている世代って
 自分たちが払い込んだ以上に貰っている世代
で、そのプラス分は
 働く若い世代が代わりに負担している
わけだ。労働関係の専門家が
 年金を貰えない高齢者が騒ぐのはしょうがないが、高齢者に貢いでいる若い世代まで騒ぐのはおかしくないか? 未払いが判明すればするほど、若い世代の負担が増えるんだけどな
と不思議がっていた。わたしたちの世代は既に
 年金は、払った分戻ってこない、損する世代
である。

この
 外科手術の優先順位ルール

 姥捨て山
というのなら、
 姥捨て山の道を用意したのは、実は他ならぬ団塊の世代だった
という話だ。
 自分達は高齢者になっても医者にかからずに済む
としか考えてないから
 医学部の定員増
も要求しなかったし、マスコミが病院や医師を叩いていても
 医者が悪い
と思いこんで、マスコミの煽動に乗っかり、医療現場を叩く風潮を容認した。
 上には文句を言い、下から突き上げられると逆ギレする
のが、団塊の世代の特徴だから、たぶん、これからしんどいことになっても
 異議申し立て
し続けるだろう。でも、必要なときに
 自分の首を絞める方向に走った
のは、都合良く忘れているんだろうな。

|

« 外科崩壊 高齢化で手術件数は増加しているが外科医は恐ろしいペースで減っている 日本は交通外傷も一般の外科手術もできなくなって「いま助かっている患者」が死ぬ国に | トップページ | ココログ メンテ明けは »

コメント

 団塊の世代に対する憎悪というものは結構あるようで、団塊の世代の一員としてビックリすることがあります。そんなに団塊の世代は酷いですか?

 私自身は死ぬような病気になれば死ぬことになるだろうと思っていますし、きっと年金も満足に貰えないだろうと覚悟しています。政府の方針は「団塊は、死んでください、国のため」に他ならないと考えています。

 団塊の世代は数が多いので、いやな奴もいい奴も多いのではないかと思います。いい奴は目立ちませんが、いやな奴は目立つだけではないでしょうか。

投稿: bamboo | 2008-02-05 16:46

輸入しようにも、
給料下がって
労働条件がドレイ並みに劣悪で
上手くいかなければ逮捕される
なんて条件で来る医者はいませんよね。

投稿: nyamaju | 2008-02-06 01:43

>bambooさん
「団塊の世代への憎悪」というのは、個々人へのそれというより、責任を果たさずに国の方向を誤らせた、というあたりへの憤りだと思うのですよ。
その怒りが正しいものかというとそれはよくわからんのですが、その手の怒りは私のうちにも確かにあります。

投稿: yocc | 2008-02-06 09:22

そのうち、国公立病院は政治家様官僚様国家公務員様御用達の専用病院となり、コネの或る人間だけが手術を受けて生き延びれるという時代が来るという事ですね。子供の一人は医者よりも是非官僚にしておく、政治家に献金してコネを作っておく、という事がまっとうな医療を受ける為に必要な時代が待っていると肝に銘じます。

投稿: doctor-d | 2008-02-06 12:58

>yoccさん
どの世代であれ、責任を持って国を正しい方向に導いた世代なんてあるのでしょうか。

投稿: bamboo | 2008-02-06 18:29

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/109312/40001560

この記事へのトラックバック一覧です: 外科崩壊 高齢化で手術件数は増加しているが外科医は恐ろしいペースで減っている(その2)団塊の世代を直撃する外科医の絶対的不足:

» 団塊の世代の評判 [医療報道を斬る]
 私が自分で団塊の世代だと言うとき、只単に、その様な年齢だという以上の意味はない。団塊の世代に特有の性質というものがあるのかどうか知らないが、その様な性質の持ち主であることを吐露しているつもりは全くない。でも、世の中には団塊の世代に特有の性質なるものが...... [続きを読む]

受信: 2008-02-07 16:41

« 外科崩壊 高齢化で手術件数は増加しているが外科医は恐ろしいペースで減っている 日本は交通外傷も一般の外科手術もできなくなって「いま助かっている患者」が死ぬ国に | トップページ | ココログ メンテ明けは »