産科崩壊 大阪の市立豊中病院で常勤産科医2人が相次いで病気で倒れる 労基法違反の過重労働のせいじゃないのか
涙なしには読めない記事。
読売大阪本社版より。
常勤医2人病気休/職初診、救急を一時休止重症妊産婦の地域中核病院として、府の「府地域周産期母子医療センター」(12か所)認定の豊中市立豊中病院が、産婦人科で受診中の人以外は救急受け入れをしないなど、診療を制限している。常勤医4人のうち、2人が病気休職をしたためで、「早急に医師を補充し、元の態勢に戻したい」と同病院関係者。一方、府では「北摂地域は救急受け入れ病院が比較的多く、他病院で補完は可能。ただ、この状態が続けばセンター認定の再検討も必要になってくる」としている。
同病院によると、産婦人科には常勤医の定数8人に対し、常勤4人、非常勤3人がいる。しかし、昨年12月に常勤医2人が脳こうそくで倒れるなどして診療が滞り、同18日から産科、婦人科とも、初診と救急受け入れを休止。分娩(ぶんべん)などは続けたが、1~3月出産予定の妊婦計66人に転院を依頼し、うち59人が応じたという。
1月に常勤医1人、同24日に3か月限定で応援の医師1人を補充でき、産科は同4日から初診受け付けを再開。婦人科は紹介状がある場合に限り、救急は市立豊中病院で受診中の人のみを受け入れている。
休職していた1人は同10日に復帰したが、1人は現在も休職中。同病院の担当者は「4月になれば人員を増やし、元の態勢に戻せると思うが、地域の診療所などと役割分担をするなど負担を減らす努力をしたい」という。
(2008年2月15日 読売新聞)
倒れられた先生には、一日も早いご回復をお祈りします。
産科医が脳梗塞で倒れる。
どう考えても
過労
が原因だろう。実際、奈良県でも大きな病院の産科部長が数年前に脳梗塞で倒れた。この先生は現場に復帰されているけれども、前と同じようには勤務できない、という話だった。
上記記事で
復帰してない1人の先生
が恐らく
脳梗塞で倒れた先生
だと思う。
これが一般の会社であれば、まず
労災認定
と
労働基準局の調査
が入るところだ。そもそも
常勤の定員8名の産婦人科を常勤は半分の4人で回していた
こと自体にムリがある。たとえ、非常勤が3人入っていてもだ。そこで
激務に身体が耐えきれなくなって、脳梗塞を起こした
というのが、実際の流れだったのではないか。
果たして豊中市は、労基法違反の過重労働を長期間放置したあげく、倒れた産科の先生に対しては一体
どういう誠意ある対応
を取るのだろうか。高度な専門職である医師を使い捨てにするようなことだけは、あってはならない。
上記記事では
4月になれば人員を増やし、元の体制に戻せる
などと能天気なことが書いてあるけれども、本当に後任補充は出来るのか。そもそも、
8人定員のところ半数しかいなかった
から、起きた労災ではないか。豊中市役所、「元の体制」というのは
産科医の勤務条件は以前の労基法違反のまま
ということではないだろうな。
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コメント
野良妊婦の子供がきちんと産まれるかどうかより、現場に携わる医師の心身の方が社会において、大切なものと思わないのだろうか?
投稿: shotgun | 2008-02-17 19:17