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2008-02-25

救急医療崩壊 「救急搬送受け入れ不能」の原因である急性期病院・病棟の満床をもたらすのは「患者と家族のエゴ」 国は「社会的入院」に蹂躙される「急性期病院・病棟」をどうしたいのか

重症患者を救急搬送しようにも、病院のベッドが空いてない。重症患者を受け入れる病院・病棟は
 急性期病院(急性期病棟)
という。たとえば、地域の急性期病院である倉敷中央病院は、次のように説明している。


倉敷中央病院の役割

地域医療連携 倉敷中央病院の役割

質の高い医療を行うことを目的に、厚生労働省は医療機関の役割分担を進めています。「かかりつけ医」「急性期病院」「慢性期病院」などという言葉を聞かれたことがあると思いますが、それらの医療機関がそれぞれ機能を生かして、患者さまに必要な医療を行うための地域医療連携が重要になってきています。

倉敷中央病院は「急性期病院」です。

当院は、地域の中核病院として急性期医療を担う病院となっています。急性期病院とは、緊急もしくは重症な患者さまを中心に、入院および手術等、高度で専門的な医療を24時間体制で行う病院のことです。

病状が安定すると、他の病院・医院をご紹介します。

当院で必要な専門的医療が終わり、病状も安定した患者さまで、引き続き入院治療を要する方は、療養病床、回復期リハビリ病棟、特殊疾患療養病棟、緩和ケア病棟などを有する病院に転院をお願いいたします。当院の現在の入院治療期間は平均15日です。転院先の病院につきましては、できるかぎり患者さまの希望にそった病院・医院をご紹介させていただきます。
同様に、外来患者さまにつきましても、病状が安定されましたら、お近くの医院をご紹介させていただきます。ただし、紹介先の先生よりご依頼があればいつでもフォローさせていただきます。

つまり
 24時間管理の必要な段階から、回復して病状が軽くなったら、「急性期病院・病棟」からは転院しなくてはいけない
のが、本来の
 急性期病院・病棟の運営
なのである。
ところが、実情は全く違う。
 回復した、もう軽症もしくは症状がなくなった患者が、急性期病院・病棟のベッドを動かず、「救急搬送受け入れの妨げ」になっている
のである。これは
 患者と家族のエゴ
による。つまり
 社会的入院を、本来ベッドの占有が認められないはずの「急性期病院・病棟」に担わせている
のだ。
たとえば、「白熊もどき」先生が、
 高齢者が急性期病棟を不適切に利用している実情
を先日「産科医療のこれから」で嘆いておられた。


高齢者医療に一言

今日は。しがない地方内科勤務医の白熊もどきです。
高齢者医療に日々接しておりますが・・・。
ただいま、地方病院の内科はインフルエンザ・感染性胃腸炎(胃腸風邪)・気管支炎の大流行により入院患者多数です。
満床で入院が必要な患者さんが入院できない状態が続いています。
   
じゃ、入院している人が退院できないかと言うと・・・。
そうではないのです。
多くの方が、治って1週間も2週間もたっているのに、退院してくれない(T T)。
   
理由を聞くと・・・。
一人暮らしで、身の回りのことが出来ない。
一人暮らしで、戻るのが不安だ。
・ 家族と住んでるけど、共働きでずっと看てはいられない
・ 家族と住んでるけど、また起こるかもしれないから不安だ。
病院だと楽(3食つきだもんね。片付けしなくていいもんね)。
・ 病院だと何かあっても大丈夫
・ ちょっと介護に疲れちゃったから、もう少し看てて欲しいなぁ。家族でちょっと旅行に行きたいし。
老人ホームだと高いから、病院に長くいてくれると経済的!!
Etc.

最近、話題の「たらい回し」(表現としては「受け入れ不可能」が妥当だと思うが)の大きな理由の1つとして挙げられるのは『満床』。退院してくれないあなた方は要因の一つを作っているんですよ。
ちょっと自覚して欲しいなと思う今日この頃です。

これは明らかに
 社会的入院が、もっとも緊急にベッドが必要とされる「急性期病院・病棟」の機能を失わせている実例
である。

今朝の朝日大阪本社版も「急性期病院・病棟」が患者とその家族の無理解で満床になっている現状を報じている。


容体安定の患者に転院求めトラブルも 救命救急センター

 生命の危機に陥った救急患者を一人でも多く受け入れるため、救命救急センターが空きベッドの確保に躍起になっている。比較的症状の軽い患者も押し寄せた結果、満床状態が慢性化。救急隊の搬送要請を断る理由の一つになっている。入院患者を院内の各診療科やほかの病院に移すのも救急医の仕事だが、転院を望まない患者や家族とのトラブルは尽きない。国の医療費抑制で病床数が減らされる中、「綱渡り」のやりくりが続く。
   
    ◇

 朝9時、2〜3人の医師がカルテを片手にタウンページをめくり、おもむろに電話をかけ始めた。大阪市立総合医療センター(同市都島区)に併設された救命救急センターのいつもの光景だ。満床で重篤患者の受け入れが不能になる事態を避けようと、入院患者の転院先をひたすら探す。

 患者の自宅近くに移ってもらうのが理想だが、つてがない。「電話帳で上から順にかけるのが手っ取り早い」。週末はほかの病院が休みで交渉が難しいため、毎週金曜日は最低でも10床は空けておきたい。大半は数回の電話で受け入れ先が見つかるが、入院が長引きそうな高齢者は苦労する。

 全国の医療機関の病床数は96年の191万床から06年は179万床に減少。一方、救急搬送される患者は324万人から489万人に急増した。厚生労働省は「地域の病院との役割分担や院内の連携を深め、空床を確保してほしい」と呼びかけるが、現実は厳しい。

 「冬場は特に病床の確保が難しい」。高度救命救急センターに指定されている兵庫県災害医療センター(神戸市中央区)の小沢修一センター長は嘆く。寒くなると、脳血管障害や心筋梗塞(こうそく)、火災による重度熱傷などの患者が増加。午前中に転院させた患者のベッドに午後、急患を運ぶ。病床稼働率は100%超だ。

 救急病院が減る阪神地区や姫路市周辺からの搬送例も目立つ。「それぞれの地域内で急患を引き受ける体制を再構築してもらわないと、こちらがパンクしてしまう」

    ◇

 この年末年始、奈良県立医科大付属病院(橿原市)の高度救命救急センターでは、集中治療室(ICU)と救急治療室を合わせた30床の患者がほとんど入れ替わった。

 特にICUは常に2〜3床を確保しておく必要がある。このため、入院患者の家族の同意をあらかじめ取っておき、深夜に救急搬送があれば、患者が横たわるベッドごと別の部屋へ移す。救急医は「事前に了解を取らないとトラブルになる」。

 軽症患者まで幅広く受け入れる神戸市立中央市民病院の救命救急センター(同市中央区)。ベッド確保のため、各診療科の病棟を見回るのが佐藤慎一救急部長の日課だ。

 入院する救急患者は1日平均18人。救急用の30床はすぐに埋まり、2日ほどで一般病棟に移ってもらう。各科の協力が不可欠だが、がんなどの手術も多く、退院や転院が追いつかない。やむを得ず、救急患者に外来用のベッドで「待機」してもらうこともある。

 容体が安定した患者に「手術を待っている人がいる」と転院を促しても、なかなか納得が得られない。「こんなに早く放り出すのか」「なぜ最後まで診てくれない」。病室に非難の声が飛ぶ。

 佐藤部長は強調する。「病院全体で救急用ベッドを探しているが、ぎりぎりの状態だ。緊急性のない救急病院の利用で、ほかの患者が犠牲になることを知ってほしい」

国の病床削減計画が、全くの誤りであったってことですね。
 病床数は減らしたが、救急搬送は増えた
わけで、もちろん、救急搬送のすべてが重症ではないが
 一定の数の重症者が受け入れられないほど、病床数を削減してしまった
ということだ。
厚労省の政策は、
 何も考えてないし、これからも何もやらずに、「重症患者を見殺し」にし「高齢者の救急搬送を制限」する方針
なんだろうね。要するに
 ある程度健康な、75歳未満(身体障碍があれば65歳未満)の人間以外は、運が悪ければ死んでも構わないという乱暴な方針
である。これが
 少子化対策を立てている省庁
なんだから恐ろしい。
 ICUに一ヶ月入れば1000万円の医療費がかかる
わけだから、その内、
 最初から回復の見込みがなく、入院が長期化しそうならICUに入れない
って政策になるんでしょうね。もちろん、政治家とか厚労省OBとか文化人とか大金持ちとかは別。

マスコミはこれまで
 「たらい回し」「受け入れ拒否」
と、「救急搬送受け入れ不能」は病院側が怠慢であるかのような報道を続けていたが、気がついたときは
 既に救急医療は焼け野原寸前、所によってはほぼ壊滅
だったってことだ。明日、マスコミ人がたとえば取材途中で交通事故にあったり、マスコミ特有の不健康な生活の蓄積の結果、脳疾患・心臓疾患の発作が起きたとしても、
 急性期病院・病棟が満床で受け入れられない
事態となると、恐怖心を抱き始めたんですかね。しかし、今まで全く想像力が働かなかったってことはどういうことだろう。

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