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2008-03-08

救急医療崩壊 静岡の志太・榛原地域の4総合病院、緊急性のない夜間・休日の救急受診は保険の対象外で「10割負担」に

わたしのぼんやりした記憶では、子どもの頃
 夜間受診は10割負担
だった時期があったように思う。単なる覚え違いかも知れないが、
 救急へ行く
というと、お金の心配をしなくてはいけない、という常識がかつてあった。大昔の話だから、今とは制度が違うかも知れない。

ところで、救急医療が崩壊しつつある元凶の一つが
 コンビニ受診
だ。本来
 命に関わる重症者を救うのが救急医療の役割
なのだが
 夜でも、休日でも病院が開いている
というアホな理由で、受診する軽症者が絶えない。こうした軽症者の受診を押さえる方法としては
1. モラルに訴える(兵庫県立柏原病院小児科がこの手法で成功)
2. 負担額を上げる
という2つが考えられる。一番、受診抑制に効果的なのは2だと思うが、実際に
 静岡県の志太・榛原地域の4総合病院が「緊急性のない軽症者の受診は10割負担」の方針
を立てた。この地域は、よく報道で名前を見る医療崩壊地域として、有名なところだ。
3/7付毎日より。


時間外加算:緊急性低い患者対象、実費に--志太・榛原地域4総合病院 /静岡

 志太・榛原地域の4総合病院は、夜間や休日に救急患者を診察した際、診療代に上乗せする「時間外加算」について、緊急性がない患者に限っては保険の適用外にする方針を固めた。軽い病気でコンビニエンスストアに行くように時間外診療を利用するケースを実質的な「値上げ」で減らし、医師の負担を軽くするのが狙い。焼津市立総合病院が来月1日から実施し、榛原総合、島田市民、藤枝市立総合の3病院も順次実施に踏み切る見通し。

 現在の保険制度では、「緊急の受診の必要がない場合」は時間外加算には保険を適用しないとされており、それを厳格適用する。

 今回の措置の背景には、全国的に地方病院で医師が不足する中、軽い腹痛などで体制が手薄な夜間などに救急外来に来る患者への対応が負担になり、医師不足加速の一因になっているとの指摘がある。実際、焼津病院では内科医1人が診る救急患者数は県平均の約2倍に上り、激務が原因で辞めた医師もいたという。

 しかし、「昼間に病院に行けない」と軽症で夜間診療所代わりに救急外来を利用する患者は多く、4病院の救急外来に自力で来た患者で、直後に入院したのはわずか9%だけ。特に焼津の入院率は県内最低水準だという。

 そこで、軽症患者の実費負担を増やすことで、緊急性のない患者の来院に歯止めをかけることにした。例えば午後10時以降に診察した場合、通常の診察代に時間外加算(初診4800円、再診4200円)がかかる。これまでは原則7割が保険で賄われていたが、新たな仕組みでは、医師が「緊急性がない」と判断した場合は、時間外加算の分は全額が患者の実費負担になる。

 同様の仕組みを06年11月から導入した磐田市立総合病院では、月間約2000人ほどだった救急外来の患者数が、導入後は軽症患者を中心に100人ほど減ったという。同病院の北村宏院長は「診察が必要な救急患者はいつでも診察することを徹底しており、救急直後に入院した重症患者は逆に増えた」と話している。【稲生陽】

毎日新聞 2008年3月7日

同じシステムを導入している磐田市立総合病院では
 月間2000人から1900人に減り、重症患者は増えた
のね。救急医療本来の役割からすれば
 重症者の救命
が第一義だから、これでいいのだろうな。しかし
 保険の厳格運用で受診抑制が可能
だったとは、知りませんでした。これまで、そうしてこなかったのは何故なんだろう。

さて、問題はまず
 無料化されている小児の夜間・休日の救急受診
だが、これをどうするかだな。
 夜間・休日の救急受診で重症以外は、その都度支払い、あとから返金
という形にするしかありませんな。

もう一つは
 何でオレor家族が軽症なんだ、金はないぞ
などと暴れたりゴネたりする
 モンスターぺーシェント問題が起きる懸念
だ。夜間・休日の救急に必ずやってくる
 命に関わる急性アルコール中毒以外の酔っぱらい患者
は、この手のトラブルを起こす可能性が高くはないか?
モンスターぺーシェントが
 金を払わずにバックレる事例が病院の赤字を増加させる
のは、充分考えられる。
この辺りのトラブル対策がうまく取れるならば、
 夜間・休日の軽症受診は10割負担
は、ちゃんと運用できると思うのだが。

モンスターぺーシェント問題は、すでに一病院が個々に対策すべきことではなく
 日本の医療資源を食いつぶす「害悪」として国が対策すべき段階
に来ていると思う。少なくとも
 モンスターぺーシェントの害悪に対するコンセンサスが必要な時期
に来ている。国も
 医療費抑制
とばかり言ってないで、
 モンスターぺーシェントがいかに日本の医療資源に損失を与えているか数値化
していただきたい。その上で
 国家的な経済的損失と医療崩壊とどちらを選ぶか
政策決定して欲しいものだ。
 

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コメント

焼津病院と書くと同市内にある精神科病院と紛らわしいので面倒でも
略されない方が…

投稿: 富士江田しみん | 2008-03-08 20:11

>医師が「緊急性がない」と判断した場合は、時間外加算の分は全額が患者の実費負担になる。

→こうやってしまうと、患者さんやその家族は緊急性があると思って来たと主張されるでしょうから。納得させる義務を医師に負わせるようなものです。新たな逃散の予感…

これは、医師が「緊急性がある」と判断した場合は、時間外加算の適応とするとすべきでしょう。そうしないと、なんで「緊急性がない」か説明しろっていうことでごねる人が続出するのは明らかです(1日1人いるだけでもものすごい破壊力。複数人でたら、もうなんだかわけのわからない状態になります)。緊急性があるのを説明するのは比較的簡単ですが、緊急性がない、あるいは緊急性がなかったということをだれでも納得するように説明することは非常に難しいです。わずかな違いのようですが、この違いは大きいです。着目点はよかったのですが、最後の詰めが甘かったですね。

投稿: asuasani | 2008-03-09 01:04

富士江田しみんさん、asuasani先生、コメントありがとうございます。
富士江田しみんさん、たぶん毎日新聞の稲生陽記者が分かってないのですね。

asuasani先生、確かに「緊急性があるものは時間外加算適用」とした方がトラブルにはなりませんね。何だって、よりトラブルの起きやすい方を採用しちゃったんでしょう。絶対に、「うちの年寄りを殺す気か、こんなに苦しんでるんだから緊急性はあるだろう」などのクレーム必至です。「なんちゃって救急医」先生のところで紹介されている命に関わらないけどやたら痛い病気とか、どうなっちゃうんでしょうか。

投稿: iori3 | 2008-03-09 04:37

こんにちは。いつもブログ拝見させていただいております。


>何だって、よりトラブルの起きやすい方を採用しちゃったんでしょう。

恐らくは、病院管理者としてはこの方が国民の皆様や、地方議会の皆様に言い訳しやすいからでしょうね。原則このまま、住民サービスは落とさず(これが重要ですね…)、(でも)特に(本当に特別に)医師が「緊急性がない」と判断した場合は、時間外加算の分は全額患者さんの自己負担にします。「判断しているのはあくまでも現場に居る医師ですからね~」ということですね。ど突かれるのも、説明の責任を負うのも、現場で寝ないで頑張っている医師、看護師、事務の方ってことです。ひどい職場だと、患者が会計時に事務方に文句→事務方、切れながら医者に電話「そっちの判断でトラブルになっているんだからそっちでちゃんと説明しろ(お前の説明がなってないからこっちまで不快な思いをしてるんだぞ)」→医者説明(患者さんには、「お前、名札見せろ」とか言われて)→後日、名指しで投書される→病院管理者様からのご指導が入る、といったことになりかねないのではないかと…(もちろん、大変な患者さんでしたねってお互い慰めあえる職場もあるとは思いますが、みんないっぱいいっぱいでやっているから、そんな余裕もないのが普通のような気がします)。

病院の責任できちんと「緊急に入院が必要だった患者さん」を緊急であったとみなします等、線引きをするべきだと思います。(でも、こうすると、「入院させろ、こら~」という人が現れそう…)

まっ、責任は現場の医師に丸投げってことは良くありますから。

投稿: asuasani | 2008-03-09 13:41

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