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2008-03-30

「マスコミたらい回し」とは?(その117)大淀病院産婦死亡事例民事訴訟@3/24→裁判資料に明記された驚愕の主張「陣痛促進剤が原因で脳内出血が起きた」→追記あり

まず、亡くなられた産婦さんのご冥福をお祈りする。

毎日新聞奈良支局が2006年10月17日に始めた
 大淀病院産婦死亡事例報道
が、この年立て続けに全国の産科医に衝撃を与えた
 福島県立大野病院事件
 共同通信による「横浜焦土作戦」横浜堀病院ガサ入れ事件(その結果、看護師内診の全面禁止)
に続く
 2006年のマスコミによる産科医療破壊攻撃
の最後の一撃となったのは、記憶に新しいところである。第一報を書いたのは
 青木絵美記者と林由紀子記者
という二人の女性記者だったが、
 女の敵は女
というわけで、奈良県のみならず、関西圏の産科は、この報道の後、さらにマスコミの攻撃に晒され、崩壊の一途をたどっている。

さて、
 マスコミが一方的に医療側を悪者に仕立てて、メディアスクラムを引き起こす
という、今や見慣れた
 医療破壊報道
の手法は、最近、流行らなくなってきたと見えるが、その蔭でも
 大淀病院産婦死亡事例の民事裁判
は続いている。この3/24に第六回弁論が開かれた。

この第六回弁論には、たまりょさん、三上藤花さんが赴かれ、blogに傍聴記を書かれている。
たまりょさんの「お決まりの日々?」
 2008.03/26 [Wed]第六回口頭弁論準備メモ(未)(大淀事件20-1)
 第六回口頭弁論準備メモ(本)(大淀事件20-2)
三上藤花さんの「日々のたわごと・医療問題資料館」
 2008.03.24 Monday大淀病院母体死亡「事故」 第6回裁判傍聴記(その1)
 2008.03.25 Tuesday 大淀病院母体死亡「事故」 第6回裁判傍聴記(その2)
 大淀病院母体死亡「事故」 第6回裁判傍聴記(その3)
 大淀病院母体死亡「事故」裁判 資料閲覧(3/24)〜1. まずはお詫びから
 2008.03.26 Wednesday 大淀病院母体死亡「事故」裁判 資料閲覧(3/24)〜2. 提出資料(前回分も込みで)
 2008.03.28 Friday 大淀病院母体死亡「事故」裁判 資料閲覧(3/24)〜3. 題名は下に書きます
そして、今日アップされたのが
 2008.03.30 Sunday 大淀病院母体死亡「事故」裁判 資料閲覧(3/24)〜4. キターーーーー!!
この今日、三上藤花さんが書かれた資料が凄い。なんと、原告側が
 陣痛促進剤のせいで、産婦さんが脳内出血を起こした
という主張を始めたことが明記されているのだ。

いや〜
 陣痛促進剤による被害を考える会
が関わっている昨年4月28日と10月20日のシンポジウムに


<最近開催されたシンポジウム>

●当会後援シンポ 改ざんや隠蔽と闘う医師と医療被害者を偏見や誹謗中傷から守るために
日 時 : 2007年10月20日(土) 午後 13:15 ~ 17:00
場 所 : エル大阪(大阪府立労働センター)6階大会議室
【開会挨拶】医療事故での真実とは
 永井裕之:都立病院で妻が消毒薬を注入され急死した「医療の良心を守る市民の会」代表
【第1部】医療事故被害者・遺族が真実を語る
 豊田郁子さん:腸閉塞の誤診で息子を亡くし、東京の病院で医療安全を担当
 杉野正雄さん:東京の大学病院で息子が割り箸事故で救急受診し誤診・死亡
 北田受云子さん:人工呼吸器がはずれて夫が大阪の病院で死亡、その病院に勤務
 高崎晋輔さん:奈良の大淀病院で陣痛促進剤を使ったお産において妻が脳内出血で死亡
 高橋 純さん:東京の大学病院で娘があごの骨折手術2日後に医療過誤で死亡
【第2部】真実を語る医師
 郡家正彦医師:東京の大学病院で高橋純さんの娘さんの手術に立ち会った医師。医療ミスの真実を語り、病院から名誉毀損で訴えられ敗訴。
 打出喜義医師:金沢の大学病院での無断臨床試験を内部告発し、裁判では勝訴するが大学内では不当な差別が続いている。
【パネルディスカッション】
 講演者の他、医療過誤裁判を数多く手がけてきた小笠豊弁護士(広島)にも加わっていただき、会場全体でディスカッション。
 司会進行:勝村久司(当会世話人)

●被害者の視点を忘れずに「産科医療」の事故・裁判・質・システムを考えるシンポジウム
日 時 : 2007年4月28日(土) 午後 13:30 ~ 16:45
場 所 : エル大阪(大阪府立労働センター)6階大会議室
<第1部> 注目を集める事件の真相を語る
  ・陣痛促進剤事故を繰り返すリピーター医師
     出元明美さん(「陣痛促進剤による被害を考える会」代表)
  ・横浜市堀病院の母体死亡事故
     吉野克則さん(被害者遺族)
  ・奈良県大淀町立病院の母体死亡事故
     高崎晋輔さん高崎憲治さん(被害者遺族)

  ・福島県立大野病院の母体死亡事故
     鳥集 徹さん(ジャーナリスト)
  ・金沢大学医学部産婦人科の無断臨床試験裁判
     打出喜義さん(「金沢大学病院 産婦人科」医師)
<第2部> パネル・ディスカッション
~被害を繰り返さないための産科医療改革運動20年の意味と今後を考える~
石川寛俊弁護士、岡本隆吉さん他、【司会:勝村久司(当会世話人)】

ご遺族が参加され、4月のシンポには堀病院事件のご遺族共同通信記者氏も顔を連ねているのは
 陣痛促進剤が産婦死亡の原因だと考えている
からだったのか。
ちなみに、ご遺族は奈良女子大学でも講演をしているが、これにも
 陣痛促進剤の被害を考える会
が関わっている。
2007年5月30日付毎日新聞より。


「母になるあなたへ」
毎日新聞 2007.5.30

奈良・妊婦転送死亡:「母になるあなたへ」
義父、奈良女大で講演

奈良県大淀町立大淀病院で昨年8月、同県五條市の高崎実香さん(当時32歳)が分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、転送先探しが難航した上、搬送先で死亡した問題で、義父の憲治さん(53)が30日、奈良女子大学文学部(奈良市)の「社会学概論」講義で、事故の体験や再発防止への思いについて語った。

薬害や医療事故の研究実績がある、「陣痛促進剤による被害を考える会」メンバーの栗岡幹英教授(社会学)が依頼。陣痛促進剤は実香さんにも投与された薬で、憲治さんは「いつか出産する女子学生に、被害者にならないための知識を身につけてほしい」と講演を快諾した。

講義には約30人の学生が出席。憲治さんは、陣痛促進剤の副作用で、母親や赤ちゃんが死亡するケースが相次いでいる現実にショックを受けたといい、実香さんが亡くなった経緯を説明しながら、「いつか病院と遺族が手を携えて、地域医療を再生したい」と強く訴えた。

【高瀬浩平、中村敦茂】

要するに栗岡幹英奈良女子大教授が
 陣痛促進剤による被害を考える会のメンバー
なわけ。

前にも書いたことがあるが、陣痛促進剤は、
 多くの妊婦と赤ちゃんの命を救ってきた薬剤
である。もし、陣痛促進剤がなかったら母子共に死亡という悲しい結果を招いたとおぼしい難産は、この薬剤のおかげでかなり助かるようになった。
しかも、三上藤花さんの上記記事に寄せられた山口(産婦人科)先生のコメントによると、


とっくに陣痛誘発の効果が切れた頃の脳出血に、PGE2の影響を持ち出すか?すっかり某団体の持論に染まってしまっていますね。

陣痛促進剤を使うとき、いつも患者に言うのですが「被害にあった人は声高に叫ぶが、効果がなくて何も起きなかった人は何にも言わないんです。で、実際には効果がなかった人の方がずーっと多いんですよ。」

実際3日間くらい誘発に努力して、どうしても陣痛がつかずに帰し、その晩破水して陣痛開始なんて事がざらにありますからね。
| 山口(産婦人科) | 2008/03/30 5:29 PM |

と指摘されている。つまり
 脳内出血が起きた時間には、すでに陣痛促進剤は切れていたと考えられる
わけで、
 陣痛促進剤が使われた
という事実だけを、医学的根拠を検討しないまま、主張に利用しているのではないかと危惧されるのだ。

わたしの周辺でも、3日間陣痛促進剤を点滴されたけど、全然効果がなくて、結局帝王切開になった身内がいる。
陣痛促進剤が使われるようになって長い年月が経過した。現在に至っても、陣痛促進剤の「害悪」のみを声高に叫ぶのは
 ワクチン禍を喧伝したマスコミ
と似ている。
 もし「陣痛促進剤は悪」という主張を信じたあげく、陣痛促進剤の使用を拒絶して、母子に何らかのトラブルが起きた場合、「陣痛促進剤による被害を考える会」は責任を取るのか
と一度お尋ねしたいものだ。
栗岡教授の純真な教え子達が、自分の出産で陣痛促進剤が必要な局面になっても、
 先生が「陣痛促進剤はダメ」と言ってたから使わない
などと言い出さないかと、心配している。最近の若い日本人女性の体力は低下の一途をたどっているから、妊娠中の経過は順調であったとしても、陣痛が微弱だったり、つかなかったりする例も増えているのではないかと恐れているのだ。
師の教えを守って、母子共に危険にさらされるようなことが、国立大学の教育が原因で起きることがあったら、悲劇というだけでは済まない。

続き。(3/31 17:20)
山口(産婦人科)先生からコメントを頂いたので、こちらにも再掲しておく。山口(産婦人科)先生、ご教示ありがとうございます。


元ブログにも書き込んでおいたのですが、一般の皆様に追加の一言。

 なぜ効果が切れているというか。通常陣痛誘発は当然ながら日勤時間帯に行います。ここで問題になっている内服薬PGE2は1時間置きに最大限6錠まで
 と言うことは9時内服開始なら2時、10時開始でも3時には終了。脳出血のあった時刻は早くて0時過ぎ。9時間以上も有効な薬だったら、1時間置きなんて恐ろしくて使えませんが。

 

大淀病院産婦死亡事例で、産婦さんに投与されていたのは
 PGE2
で、
ABC「悲鳴病棟」
の中では、カルテが大写しになり、"PGE2"と明記されていた。その件については以下に。
 2007-06-26 「マスコミたらい回し」とは? (その78) ABC「悲鳴病棟 “医者を訴える”夫の決断」@5/29の謎→加筆・訂正あり→画像は削除しました
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/06/78abc529_ba44.html
問題のカルテを上記から引用する。


■大淀病院で陣痛促進剤の投与を受けたことを示すカルテの映像=画像4(大淀病院でのカルテ 陣痛促進剤(PGE2)内服指示とその量が明記されている 撮影者キャプションなし)→画像はクリックすると拡大します
Hm5

カルテが映し出されるこのシーンのナレーション
「主治医は出産予定日を過ぎていた実香さんに陣痛促進剤を投与し、徐々に強い痛みを訴えだした
この台詞から、ABCの制作班も「陣痛促進剤で殺された」という「陣痛促進剤による被害を考える会」の主張に基づき、この番組を制作していることが分かる。

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コメント

元ブログにも書き込んでおいたのですが、一般の皆様に追加の一言。

 なぜ効果が切れているというか。通常陣痛誘発は当然ながら日勤時間帯に行います。ここで問題になっている内服薬PGE2は1時間置きに最大限6錠まで。
 と言うことは9時内服開始なら2時、10時開始でも3時には終了。脳出血のあった時刻は早くて0時過ぎ。9時間以上も有効な薬だったら、1時間置きなんて恐ろしくて使えませんが。

投稿: 山口(産婦人科) | 2008-03-31 16:50

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» 陣痛促進剤反対カルト [脳内新聞(ソース版)]
「マスコミたらい回し」とは?(その117)大淀病院産婦死亡事例民事訴訟@3/24→裁判資料に明記された驚愕の主張「陣痛促進剤が原因で脳内出血が起きた」(天漢日乗) この手のものは基本的に宗教だからね。 子供が死ぬことになっても輸血をしないと言い出すカルトと同レベル。  ... [続きを読む]

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