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2008-03-17

ラサ燃える(その3)産経新聞福島香織記者のblogより 仏教徒であるチベット人にムスリムである回族をぶつける悪辣な民族統治政策

敬愛する産経新聞の福島香織記者が、ご自身のblog「北京趣聞博客」でラサからの声を紹介している。
是非、ご一読を。
情報統制を越えて漏れ聞こえるラサの悲鳴をきけ! 2008/03/17 04:19

福島記者が得た情報では、以下が重要。
その部分を引用する。


福島「(暴動は)どんな風にはじまったの?」
彼女「14日、午前11時30分ごろ、ジョカン寺の近くにあるラムチ寺で僧侶がハンガーストライキをはじめた。これを軍(武装警察だろう)が阻止しようと、殴るけるなどの暴行のあげく発砲した。7、8人が死んだ。逮捕者もでた。これをきっかけに市民に怒りが広がり、暴力的な大規模デモが起きた。他の僧院も抗議のハンストに入った」
福島「ラムチ寺の僧侶は何人?」
彼女「70~80人」(寺院の1割の僧侶が虐殺されたわけだ)

彼女「市民デモは北京中路あたりで軍と衝突。軍は発砲を繰り返し、銃創や圧死(おそらく軍用車両で)で、このエリアだけで死者は70~80人は出ている。」

福島「市全体では何人くらい(の死者)?」
彼女「正確には分からないけれど100人以上。110から120人の間だと思う。(亡命政府の発表は80人の遺体が確認された、少女も含む。これから増える可能性も)」

福島「市民が多いの、僧侶が多いの?」
彼女「僧侶より市民が多い、若いチベット族が犠牲になった」

福島「政府は漢族の商人が犠牲になったようなことをいっていたけれど」
彼女「漢族の死者はない。回族が5人死んだ。」「チベット族は怒りにかられて回族のショップを襲った。それで回族が怒りチベット族を5人殺した。それでチベット族が怒り回族を5人殺した」「漢族が犠牲になったというのは、政府のウソよ」

福島「僧侶が破壊行動に参加したというのは本当?」
彼女「それは本当。回族の店に火をつけた」
(略)

■ちなみに、ムスリムである回族は、少数民族ながら、普通語に堪能な人が多く、漢族とビジネスができる人は多い。しかもチベット族と仲がわるい。一方、チベット族は、普通語の会話・読み書きが苦手、というより過去の迫害の記憶から漢語を蛇蝎のごとく嫌っている人が多い。

■そこで、漢族が青藏鉄道とともにもたらした漢族市場経済(特色ある社会主義市場コネ経済)にすでに、チベット族はあぶれている状況がある。チベット族は貧しい人が多く、このままラサやチベットに漢族が増えたら、我々の文化、伝統、くらしは完全に破壊される、そういう危機感は強い。


■当局側が撮影したと思われる暴動映像をみれば、暴行を働いているのは、若いチベット族だ。みなりはボロをまとい、ひょっとして失業中かもしれない。たとえ仕事をしていても、賃金は数倍の差がある。昨年7月のプレスツアーで、ラサの経済開発地域の取材をしたさい、建設現場で同じ仕事をしている漢族の出稼ぎ農民と、チベット族地元民の賃金は、かたや1日40元、かたや1日8元だった。

仏教徒であるチベット人に回族をぶつけるという
 少数民族間の宗教・経済絡みの抗争
という図式は、漢族中心の中国共産党が用意したもので、今のところこの手法は成功しているといえるだろう。ちなみに回族は民族ではなく、「ムスリム」と言い換えた方がいい。北京で「清真」という看板を見たら、それは回族のための食堂であり、戒律に違反しない食事を提供している。回族は白い帽子を被っていることが多いから、それで見分けられるが、顔つきだけ見ていたら、漢族と変わらなかったりする。わたしの中国語の先生だった北京人の兄弟の奥さんも回族だったが、見た目は漢族だ。

アメリカは五輪至上主義の国だから、今の状況ではまだ北京五輪をボイコットをするとは思えない。なんせ
 五輪は金のなる木
なのだ。五輪に参加して得られる巨万の富に比べれば
 少数民族の人権など芥子粒ほど
だと思っているスポーツビジネス関係者は少なくないだろう。むしろ、金メダルを取れないために生まれる損失の方が大きいとソロバンを弾いているはずだ。同様のことは日本のスポーツビジネスにも言えるだろう。

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