ラサ燃える(その4)四川省(Amdo地方の東南部)の抗議デモで銃撃を受けて死亡したチベット人の写真を「チベット人権民主化センター(インド)」が公開
ラサの民族抗争が引き金となって、中国全土に蔵族の抗議運動が燎原の火のように広がっている。
四川省アバ・チベット族チャン族自治州では16日に抗議運動が起きたが、当局がデモ隊を武力鎮圧した。四川省のアバ・チベット族チャン族自治州は、チベット文化圏の東北部"Amdo"地方に属し、その東南部である。
3/17付読売新聞より。
チベット族の抗議行動、自治区隣接の四川省でも中国チベット自治区の区都ラサで起きた大規模な暴動を受けて、16日、隣接する四川省でもチベット族による抗議行動が起きた。
すでに甘粛省に波及しており、青海省でもデモが発生したとの情報がある。中国当局は抑え込みに躍起だが、さらに拡大する可能性もある。一方、インド北部ダラムサラのチベット亡命政府は同日、今回の暴動で、「80人の死亡が確認された」と発表した。
【北京=牧野田亨、夏河(中国甘粛省)=加藤隆則】抗議デモが新たに起きたのは、四川省アバチベット族・チャン族自治州のアバ県。地元のホテル従業員は本紙の電話取材に対し、「ラサの暴動と同じような出来事が今日、こちらでも起きた。まだ終わっていないので、怖くて外に出ることができない」と興奮気味に話した。
ロイター通信は、同県で16日、約200人のチベット族住民が警察署などに火炎瓶を投げつけ、放火したと報じた。インドに活動拠点を置く「チベット人権民主化センター」によると、同県で約1000人のデモ隊が警官隊と衝突、8人が射殺されたほか、青海省黄南チベット族自治州同仁県でも、僧侶約300人がデモ行進し、警官隊が催涙弾などを使って制止した。
一方、新華社電によると、ラサのドジェ・ツェジュグ市長は16日、「ラサは平穏だ。戒厳令は敷いていない」と治安回復を強調。中心部の店の多くは16日午後、営業を再開したという。
(2008年3月17日03時06分 読売新聞)
四川省での死者の数を「チベット人権民主化センター(インド)」は15人と伝えた。
時事より。
2008/03/17-06:42 「ラサで数百人拘束」=四川省の死者15人に−チベット支援団体【北京17日時事】中国チベット自治区ラサで発生した騒乱で、インド北部ダラムサラに拠点を置く非政府組織(NGO)の支援団体「チベット人権民主化センター」は16日、中国治安部隊が15日からラサで家宅捜索を実施し、これまでにチベット族住民数百人が拘束されたと発表した。元政治犯も既に、全員収監されたという。
また、四川省アバ県で16日起きたチベット族住民と武装警察部隊の衝突による死者は15人になったとしている。
四川省で当局の銃弾に倒れた蔵族犠牲者の写真を「チベット人権民主化センター」が公開している。
毎日より。
チベット暴動:NGOが“銃撃死亡”の写真公表【ダラムサラ(インド北部)栗田慎一、北京・大谷麻由美】ダラムサラに拠点を置く非政府組織(NGO)「チベット人権民主化センター」は17日、中国四川省のアバ・チベット族チャン族自治州で16日行われた抗議デモ中に銃撃され死亡したチベット人だとする写真を公表した。
同センターによると、アバではチベット仏教僧侶ら数千人がデモ行進した後に治安当局と衝突し、8人が射殺されたという。写真は「複数の遺体が寺院に運び込まれ、チベット人たちが寄付のお金を投げているところ」と説明している。
一方、AP通信などによると、中国当局は米国の人気動画投稿サイト「ユーチューブ」に中国国内から接続できないようにする措置を取った。チベット暴動の投稿映像が中国国内で閲覧されるのを防ぐ措置とみられる。
毎日新聞 2008年3月18日 19時50分 (最終更新時間 3月18日 21時42分)
上記記事が言及しているのは「チベット人権民主化センター」のサイトの以下のページ。銃殺体の写真があるので注意。(英文)
17 March 2008 [Press Release]Fresh Pictures of Tibetan protesters' dead bodies and crackdown by the Chinese security forces.
「チベット人権民主化センター」の上記サイトには、寺院に運ばれた銃殺体の惨たらしい様子をつぶさに撮影した写真も掲載されている。相当残虐な写真なので注意。(英文)
18 March 2008 [Photo Release]Photographic evidence of the bloody crackdown on peaceful protesting Tibetan at Ngaba County, Sichuan Province, on 16 March 2008
このページでは、死者数は15人を越すと推定している。
Eye witnesses say 15 dead bodies have been brought into Ngaba Kirti Monastery for prayer offerings after the bloody crackdown on 16 March 2008. The actual number of dead can be higher.
現在、四川省アバ県への出入りは厳しく制限されている。
東京新聞より。
四川省アバ県への検問厳戒 チベット暴動、中国軍が兵士を増員2008年3月18日 07時25分
17日、暴動が起きた四川省アバ県に向かう幹線道路で、検問をする警官と人民解放軍兵士。兵士は銃を携え「臨戦態勢」の構えだ=四川省内で、平岩勇司撮影
【成都(中国四川省)=平岩勇司】中国チベット自治区に隣接する四川省成都から、暴動が起きた同省チベット族自治州のアバ県に入る境界では十七日、自動小銃を携えた兵士が通行車両への検問を実施し、厳戒態勢を敷いていた。自治州から出てくる車両には「身分証を出せ」「トランクを開けろ」と命じ、暴動に関与したチベット人らを捜索するとともに、金属探知機を使い危険物を調べ上げた。
逆に、成都から自治州に向かっては、兵士を乗せた人民解放軍の車列が続く。暴動鎮圧のため兵士の増員を続けているもようだ。軍トラックの荷台では、明らかに未成年とみられる幼い顔の兵士が緊迫した表情で自動小銃を握りしめていた。
沿道の市民には正確な情報は伝わっておらず、「チベット人がインドとロシアから銃を購入、漢民族の商店を略奪し、警官を射殺した」とのデマも流れている。■数百人死亡の情報
【北京=新貝憲弘】インドに拠点を置く亡命チベット代表者議会は十七日、この数日によるチベット自治区など中国各地の暴動で「数百人」が死亡したとの声明を発表した。AFP通信が伝えた。中国政府は十八日午前零時(日本時間同一時)までに同自治区ラサでの暴動参加者の出頭を求め、現地では緊張が高まっている。四川や甘粛両省では学生らによるデモが続いているもようだ。
非政府組織(NGO)「チベット人権民主化センター」は、四川省のチベット族自治州紅原県の高校で十七日、チベット人の学生約百人がダライ・ラマ十四世のチベット帰還を求めたデモを決行し、四十人ほどが公安当局に拘束され、殴打されたと発表。AP通信によると、甘粛省蘭州市の西北民族大学で十六日発生した学生デモは、警官隊の取り締まり強化後も約五十人が翌日朝まで抵抗したと伝えた。
中国外務省の劉建超報道局長は十七日夜、記者会見し、国際機関による真相究明を求めたダライ・ラマ側の提案について「内政問題であり、中国政府は主権を守る能力と決意がある」と拒否した。
(東京新聞)
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コメント
こんなニュースが入ってきました。
いやはや、面白い国ですね。中国は。
http://www.people.ne.jp/a/0539dcd91d52453cb7dcb64d1bf8328a
痛いニュース版
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1104839.html
投稿: 通行人S | 2008-03-19 19:08